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映画前半は『シン・機動戦士ガンダム』だった! 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』

2025年1月17日(金)公開 全国ロードショー

■あらすじ(ネタバレあります)

 宇宙世紀0079。スペースコロニー「サイド3」はジオン公国を名乗り、後に「一年戦争」と呼ばれる、ジオン軍と地球連邦軍の戦争がはじまった。

 ジオン公国軍のシャア・アズナブル少佐は、連邦軍の新型モビルスーツ開発計画をキャッチ。開発拠点の「サイド7」に潜入して、連邦の新型モビルスーツと木馬型の新型揚陸艦を奪取する。シャア少佐は奪った新型機を改装し、自分専用機とした。

 このことをきっかけに、膠着状態だった戦況はジオン軍有利に傾きはじめる。最終決戦の場となったのは、ジオンの月面基地グラナダの攻防戦。シャア大佐の活躍で連邦の作戦は失敗し、戦争はジオン勝利に終わる。

 だがこの戦場で、シャアの姿は専用機の赤いモビルスーツと共に消えた……。

 宇宙世紀0085。終戦間際に姿を消した赤いモビルスーツの目撃情報から、シャリア・ブルは「サイド6」を訪れていた。軍はこの探索に最新MSのGQuuuuuuXを投入する。

■感想・レビュー

 「ガンダム」シリーズのサンライズと、「エヴァンゲリオン」シリーズのカラーが共同制作する、「機動戦士ガンダム」の最新TVシリーズ。実際の放送開始はいつになるか不明だが、今回はその序盤の数話にあたる部分を編集し、劇場映画として公開している。

 監督は鶴巻和哉で、脚本は榎戸洋司と庵野秀明。要するに『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』(2021)と同じ顔ぶれだ。『シンエヴァ』のメンバーが作った新作「ガンダム」とういことで注目されているわけだが、今回の映画の序盤導入部は特に庵野秀明色が強かったと思う。

 『シン・仮面ライダー』(2023)でテレビ版「仮面ライダー」の様々なシーンを忠実に引用しながらリファインしてみせた庵野監督だが、今回の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では、「ファーストガンダム」と呼ばれるテレビ版1作目の「機動戦士ガンダム」を同じように忠実に引用しながらリファインする。だが何かが違う。画面構成も展開も音楽も「機動戦士ガンダム」そのままなのに、あちこちが我々が知っている「ガンダム」と違うのだ。

 「機動戦士ガンダム」で起きたことが、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では起きない。「機動戦士ガンダム」で起きなかったことが、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では起きてしまう。こうして、世界線がずれていく……。

 このずれが生み出すものを見届けるのが、映画前半の楽しみだ。「機動戦士ガンダム」に登場したあの人やこの人、あの事件やこの事件が、別の形で引用されて別の場所に着地していくのは、見ていて実にスリリング。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』はまだ物語の序盤だが、今後このずれは、さらに大きくなって行くはずだ。

 映画中盤からが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の本来の物語だろうが、これも今後の展開が楽しみ。テレビ放送はいつからだろう?

109シネマズ木場(シアター3)にて 
配給:東宝、バンダイナムコフィルムワークス 
2025年|1時間21分|日本|カラー 
公式HP:https://www.gundam.info/feature/gquuuuuux/
IMDb:https://www.imdb.com/title/tt34881132/

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