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『行動経済学が最強の学問である』に学ぶ! 人間の行動の秘密
【人はなぜ“つい”行動してしまうのか?】
「今日こそ勉強するぞ!」と決意したのに、気づけばスマホを見ていた…。
「節約しよう」と思っていたのに、ついコンビニで余計な買い物をしてしまった…。
こんな経験、ありませんか?
実はこれ、意思が弱いせいではありません。
人間の脳には、“行動のクセ”があるからなんです。
その秘密を解き明かしてくれるのが、行動経済学という学問。
そして、そのエッセンスを誰でも理解できる形で教えてくれるのが、相良奈美香さんの『行動経済学が最強の学問である』です。
【1年半で10万部突破!世界でも注目される行動経済学】
この本は、2023年6月の発売からわずか1年半で10万部を突破したベストセラーです。
行動経済学の知識は、GoogleやAmazon、Netflixなどアメリカの大手企業も活用しています。
彼らは、人々がどのように商品を選び、何に反応するかを理解し、サービス向上や売上アップに役立てています。
行動経済学という「難しそう」と思われがちな学問を、日常生活や教育現場に役立つ形で紹介しており、今もなお多くの人に読まれ続けています。
でもって、行動経済学って、教育や子育てにも応用できるです。
この知識を知っているかどうかで、学びの質や人生の選択が大きく変わります。中高生にとっても、将来役立つ知識です。
そう感じるからこそ、この本を強くオススメしたいのです。
【今回は2部構成でお届けします!】
①今日の記事:本書の要約と、行動経済学が解き明かす「つい行動してしまう心理」の仕組みを解説します。
②明日の記事:ビジネスに使うイメージがある行動経済学。この知識は、教育現場や子育てにも活かすことができます。具体例とともにご紹介します!
「生徒が自ら学びたくなる教室づくり」や「子どもが夢中で学び続ける環境づくり」に関心がある方は、ぜひ2日間続けて読んでください!
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1.行動経済学とは?
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私たちは、自分の意思で合理的に行動していると思いがちです。
でも実際には、感情・環境・思い込みに大きく影響されていることが、行動経済学の研究で明らかになっています。
【行動経済学が注目される理由】
・AI時代の意思決定力:情報が溢れる中、正しい選択をするための「思考力」が必要になっているます。
・マーケティングやビジネスへの応用:ナッジ理論やアンカリング効果は、世界のトップ企業がマーケティング戦略で活用しています。
・教育や子育てで活用:生徒や子どもが「やらされる学び」から「学びたくなる学び」へシフトするためのヒントが得られます。
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2.つい行動してしまう心理メカニズム6選
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この本では、人がつい動いてしまう心理的メカニズムが豊富な事例とともに紹介されています。
ここでは、その中でも特に印象的な6つを取り上げます。
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① ナッジ理論(Nudge Theory)
ナッジとは「軽く背中を押す」という意味。
人は、命令されるよりも、自然と選びたくなる環境にいると、主体的に行動します。
📘 本書の事例
ある公園でゴミのポイ捨てを減らすため、ゴミ箱に「ここに投げ入れて!」という的を描いたところ、ゴミの量が劇的に減った。
社員の健康診断を促すため、「あなたの同僚の80%が受診しました」と通知すると、受診率が大幅にアップ。
🔑 ポイント:
「やるべき!」と指示されると反発したくなる人間の心理に対し、「ついやりたくなる」仕掛けが有効であることがわかります。
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② プロスペクト理論(Prospect Theory)
人は「得をする喜び」より「損をする痛み」を強く感じる心理を持っています。
📘 本書の事例
クレジットカード会社のキャンペーンで、「ポイントが貯まる」と言うより、「ポイントを失います」と伝えたほうが利用率が高まった。
ECサイトで「残り3個」「期間限定割引」と表示すると、購入率が上昇。
🔑 ポイント:
人は「得る喜び」より「失いたくない!」という感情に強く反応することが実証されています。
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③ アンカリング効果(Anchoring Effect)
最初に提示された数字や情報が、その後の判断に影響を与えます。
📘 本書の事例
スーパーで「通常価格5000円→本日限り3000円」と表示すると、3000円が割安に感じる。
高額な商品を先に見せておき、その後で中価格帯の商品を提示すると、購入率がアップ。
🔑 ポイント:
私たちの脳は「最初に見た情報」を基準にして、その後の選択を行ってしまうという特徴があります。
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④ 社会的証明(Social Proof)
人は、「みんながやっていること」に安心感を抱き、同じ行動を取りやすくなります。
📘 本書の事例
飲食店で「人気No.1メニュー」と掲示すると、注文数が急増。
寄付キャンペーンで「昨年の寄付率は75%」と記載すると、寄付が増加。
🔑 ポイント:
「他の人もやっている」という安心感が、行動を後押しする力を持っています。
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⑤ 現状維持バイアス(Status Quo Bias)
人は、「変化より現状維持」を好む傾向があります。
📘 本書の事例
サブスクリプションサービスで「自動更新」をデフォルト設定にしたところ、継続率が劇的に向上。
企業の福利厚生で「希望者のみ登録」から「自動登録」に切り替えたら、利用率が数倍に。
🔑 ポイント:
「面倒くさい」「慣れた状態が楽」と感じる心理が、選択を左右しているのです。
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⑥ 選択のパラドックス(Paradox of Choice)
選択肢が多いほど、決定に迷い、結局行動を起こせなくなる心理現象です。
📘 本書の事例
ジャムの試食販売で、24種類のジャムを並べた場合より、6種類のジャムの方が購入率が高まった。
オンラインショップで「人気ランキングTOP3」だけを表示すると、売上がアップ。
🔑 ポイント:
選択肢を絞ることで、行動のハードルが下がることが証明されています。
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3.行動経済学が教えてくれる3つの教訓
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この本では、行動経済学の知識を身につけることで、次のような教訓が得られることが紹介されています。
①人間は合理的ではない
私たちは「自分で正しく考えて選んでいる」と思いがちですが、感情や状況に大きく影響されます。
→ だからこそ、「自分がどんなバイアスに引っ張られているか?」を理解することが大切です。
②行動を促すには環境設計が重要
「勉強しなさい」「健康に気をつけなさい」と言うより、学びやすい環境・選びやすい選択肢を整える方が効果的です。
③知識があれば“騙されにくく”なる
「限定」「今だけ」「お得」といったマーケティングの仕掛けに惑わされることが少なくなります。
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4.終わりに
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いかがでしたか?
行動経済学は、人の「つい動いてしまう心理」を科学的に解き明かす学問です。
私たちは自分で合理的に考えて行動しているつもりでも、無意識のうちに環境や感情に左右されています。
この本には、そんな人間の心理メカニズムがわかりやすく解説されており、教育や子育て、日常生活にも活かせる知識が満載です。
ぜひ、今日の記事で気になった理論を、日常の中で探してみてください。
「なるほど、こういうことか!」と、行動経済学の面白さを実感できるはずです。
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次回予告:教育現場や子育てでの応用編
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今回は、『行動経済学が最強の学問である』の内容を要約してご紹介しました。
次回の記事では、「行動経済学を教育現場でどう活かすか?」について掘り下げていきます。
例えば…
・ナッジ理論を活用して、生徒が自ら学びたくなる教室づくり
・アンカリング効果を使って、学びに対する興味を引き出す方法
・社会的証明で学級全体の学習へのモチベーションを向上する方法
など
明日、公開予定です。