
中高生が読むべき!「苦しかったときの話をしようか」に学ぶ「働くことの本質」
「将来、どんな仕事をしたらいいんだろう?」
「自分に向いている仕事って何だろう?」
こんな悩みを抱えたことはありませんか?
実は、この本の著者 森岡毅さん の娘さんも、大学生のときに同じ悩みを抱えていました。
「何がしたいのか、わからない。」
その言葉を聞いたとき、森岡さんは 「父親として、何かしてあげられることはないか?」 と考えました。
実は、森岡さんは USJのV字回復を成功させたマーケティングのプロ。
そんな彼が、自分がこれまで培ってきた 「キャリア選択のフレームワーク」 をまとめ、娘さんへ届けるために書かれたのがこの本なのです。
森岡さんは、本書の執筆にあたってこう語っています。
「答えは一人一人が自分で出さねばならないが、自分の将来や仕事のことを考える際の『考え方(フレームワーク)』は知っておいた方が良いのは間違いない。言うなれば、子供たちがキャリアの判断に困ったときに役に立つ『虎の巻』をつくろうと思ったのだ。」
つまり、これは 「仕事の正解を教える本」ではなく、「自分で正解を見つけるための考え方を学ぶ本」 なのです。
「まだ将来を決めていない」からこそ、読んでほしい。
この本を通じて、「働くことの本質」や「自分に合った仕事の見つけ方」 を学び、未来へのヒントを手に入れませんか?
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1. 「やりたいことがわからない」のは
当たり前!まずは経験しよう
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「将来やりたいことがわからない…」と悩む人は多いですが、それは 経験が足りないだけ です。
私たちは、これまで経験したことの中から「好きなこと」や「得意なこと」を見つけていることが多いです。
でも、まだ経験していないことに対して「やりたい!」と即答できる人はほとんどいません。
例えば、食べたことのない料理を「好きかどうか」判断できないのと同じように、知らない世界のことを好きになったり、向き不向きを判断したりするのは難しい んです。
だからこそ、まずは とにかく経験してみること が大切。
・少しでも興味のあることにチャレンジする
・面白そうなことに積極的に飛び込んでみる
・できるだけ多くの世界を見てみる
「やってみたら意外と楽しかった!」
「興味はあったけど、合わなかった…」
この繰り返しの中で、自分の適性や好きなことが見えてきます。
「やりたいことがない」と悩むより、まず動くこと! それが、自分の未来を切り開く第一歩になるのです。
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2. キャリア選択の軸を持とう
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仕事を選ぶとき、何を基準に考えていますか?
「なんとなく楽しそう」「給料が良さそう」「周りが勧めるから」… そんな理由で決めると、後から 「こんなはずじゃなかった」 と思うことも少なくありません。
そこで大切なのが 「キャリアの軸を持つこと」 です。
森岡さんは、キャリア選択についてこう語っています。
「キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている〝特徴〟を認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探して泳いでいく、その勝ち筋を考えるということ」
つまり、キャリアは 「どの仕事がいいか?」ではなく、「自分の特徴が活かせる仕事は何か?」を基準に考えるべき なのです。
・自分の得意なことは何か?
・どんな環境なら自分の強みが発揮できるか?
・ 「なんとなく」ではなく、戦略的に選択しているか?
これらを意識するだけで、仕事選びの視点が変わります。
キャリアを「運任せ」にせず、「自分の軸を持って選ぶ」ことが重要なのです。
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3. 「Tの人」「Cの人」「Lの人」—自分の強みを知る
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「自分に向いている仕事がわからない…」と悩んでいませんか? そんなときに役立つのが、森岡さんが提案する 「Tの人・Cの人・Lの人」 という考え方です。
人の強みは、大きく分けて以下の3タイプに分類されます。
① Tの人(Thinking)
→ 論理的思考・分析力が得意(例:研究者、マーケター、エンジニア)
②Cの人(Communication)
→ 人と協力し、伝えるのが得意(例:営業、接客、ファシリテーター)
③Lの人(Leadership)
→ 人をまとめ、引っ張るのが得意(例:経営者、プロジェクトリーダー)
この3つのうち、どれが一番優れているわけではありません。大切なのは、自分の特性を知り、それを活かせる環境を選ぶこと です。
自分の強みを理解し、それを活かせる仕事を選ぶことが、キャリア成功のカギになります。
あなたは T・C・Lのどのタイプ でしょうか?
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4. 苦しいときこそ、自分を見失わないことが大切
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人はいつ、最も苦しいと感じるのでしょうか?
仕事が忙しすぎるとき? 上司や周囲から厳しい評価を受けたとき?
もちろんそれらも辛い状況ですが、森岡さんは 「人が最も苦しいのは、自己評価が極端に低くなっているとき」 だと語ります。
つまり、自分自身で「自分の存在価値を疑う」状態に陥ったとき、人は本当の意味で苦しむ のです。
仕事で失敗したとき、周囲の評価が下がるのは避けられません。でも、それ以上に危険なのは、自分で自分を否定してしまうこと。
・「自分はダメだ…」と決めつけない
・周りの評価ではなく、自分の軸を持つ
・ 「何がダメだったか?」ではなく、「どう改善できるか?」を考える
仕事がうまくいかないときこそ、「自分の価値を見失わないこと」 が大切です。
どんな状況でも、自分の強みを活かし、前に進むことを忘れないでください。
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5. 「好きなこと」より「得意なこと」を武器にする
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「好きなことを仕事にしよう」とよく言われますが、森岡さんは 「好きなことよりも、得意なことを仕事にする方が成功しやすい」 と語ります。
なぜなら、好きなことだけでは競争に勝てないからです。
「君の宝物は何だろう?」
「最終的には同じような強みを持つ人たちと比較される中で、相対的に秀でていかねばならない」
つまり、仕事の世界では、どれだけ「好き」でも、他の人より優れていなければ価値になりにくい のです。
だからこそ、「好きなこと」よりも 「自分が自然とできること」「人より少しうまくできること」 に目を向けるべきなのです。
得意なことを伸ばすことで、自然と成果が出やすくなり、評価され、結果として「好き」になれることもあります。
「好きなこと」ではなく「得意なこと」を磨く ことが、成功への近道なのです。
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6. 会社と結婚するな、職能と結婚せよ!
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昔は「大企業に入れば安泰」と言われていましたが、今は時代が変わりました。
企業の寿命は短くなり、終身雇用も崩れつつあります。そんな中で、森岡さんは 「会社ではなく、自分のスキル(職能)を磨くことが大事」 だと強調しています。
「会社と結婚するな、職能と結婚せよ!」
つまり、特定の企業に依存するのではなく、どこでも通用するスキルを身につけることが重要 ということです。
・どんな業界でも活かせるスキルを持つ
・会社が変わっても生き残れる力をつける
・環境に依存せず、自分の力でキャリアを切り開く
仕事を選ぶとき、「この会社に入るのがゴール」ではなく、「自分が成長できる場所か?」 を考えることが大切です。
どんな企業にいても生きていける 「職能」 を武器にすることで、キャリアの選択肢は無限に広がるのです。
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7. 「大丈夫、不正解以外はすべて正解!」
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キャリア選択に「唯一の正解」は存在しません。
森岡さんは、こう語ります。
「君にとってのキャリアの正解はたくさんある」
では、「不正解」とは何でしょうか?
それは、自分に決定的に向いていない仕事を選んでしまうこと です。
例えば、コミュニケーションが苦手なのに営業職を選んだり、論理的思考が得意なのに単純作業ばかりの仕事を選んだりすると、成長しにくく、やりがいを感じにくくなります。
では、不正解を避けるにはどうすればいいのか?
そのために大切なのが 自己分析 です。
・自分の強みは何か?
・どんな環境なら力を発揮できるか?
・興味のある分野で挑戦できるか?
これらを考えながら進めば、キャリアの選択肢は無限に広がります。
「不正解を避ければ、それ以外はすべて正解」 なのです。
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おわりに:未来の自分のために
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「やりたいことがない…」と悩むのは、経験が足りないだけ。
まずは動いてみることが、未来の自分を助ける一歩になります。
「仕事って、こう考えればいいのか!」
この本を読むと、そんな気づきが得られるはずです。
進路に迷っている人、自分の強みを知りたい人、将来の不安を少しでも軽くしたい人。
ぜひ、一度この本を手に取ってみてください。
きっと、「働くこと」への見方が変わるはずです。