一歩踏み出す君に送る本/卒業・進級・進学・就職する君へ
こんにちは、絵本案内人の いとう です。
もうすぐ3月。
卒業や進級・進学・就職の時期ですね。
門出の時になにか気の利く言葉を贈りたい。でも、照れくさかったり、うまく言葉にならなかったり。そんな時に、本の贈り物はいかがですか。
今回紹介する本に対象年齢はありません。読む人の状況によって受け取るメッセージが違うと思うからです。中高生・大学生に絵本?とお思いでしょうか。でも、読み手の状況に合えばきっと思いは届くと思います。愛しいあの子の背中を押してくれる1冊を、ぜひ。
家から一歩、外の世界に出ていく君へ
コバンザメのぼうけん
『コバンザメのぼうけん』
文:灰谷健次郎
絵:村上康成
出版社:童心社
いつもクジラと一緒だったほんの子どものコバンザメが、「せけん」を知るためにクジラから初めて離れて「せけん」に出会うお話です。
まだ見ぬ新しい世界に飛び込もうとする時、期待と不安がせめぎ合います。この本では、今までの自分の常識の範疇を超える人達にたくさん出会います。でもその出会いをプラスにして前へ前へと進んでいきます。そうしたとき、一皮むけたちょっといい自分に進化している、そんな成長の過程を見届ける1冊です。
不安もあるだろうけど!大丈夫!新しい生活を楽しんで!そんなメッセージを贈りたいときにぜひ。
友達と離れて不安な君へ
ともだち
『ともだち』
文:谷川俊太郎
絵:和田 誠
出版社:玉川大学出版部
卒園、卒業、引越しなどで友達と離れてしまうことがあります。喧嘩して疎遠になることもあるかもしれません。そもそも私たち友達だったのかななんて悩む時期もあるかも。そんな、友達についてちょっと立ち止まって考えたいときにおすすめの1冊です。
大丈夫、友達ってこういうことだよ。君たちは離れても友達でいられるよ。そんなメッセージが届くといいな、と思います。
ちょっとお兄さんお姉さんになった君へ
おおきくなるっていうことは
『おおきくなるっていうことは』
文:中川ひろたか
絵:村上康成
出版社:童心社
「ぼくもうお兄さんだよ!」「わたしもうお姉さんだから一人でこんなにできるよ!」そんなことを自信たっぷりに話す3〜8歳くらいのお子さんにおすすめです。(冒頭で対象年齢はないと言いつつも)
彼らは進級したり小学生になったりすることが本当にとっても嬉しいみたいです。おおきくなったね!おめでとう!と拍手して次の年度に送り出したいです。
気負いすぎな君へ
あつかったら ぬげばいい
『あつかったら ぬげばいい』
作者:ヨシタケシンスケ
出版社:白泉社
notoを始める時に師匠(ライターの先生)に言われました。
「だめだと思ったらやめればいい。先行投資0円なんだから失うものはなにもないんだし!」
慎重派の私は、勝算がないことには挑戦しないで生きてきました。失敗したくないから。でも、32歳にして \\ 慎重派、やめました!//
正確には慎重派のままなんでしょうけど、noteを始めることはできました。ときに10♡くらいしかつかないこともあるけど、折れずにマイペースに続けられています。
ダメだったら別の方法を考えればいいし、暑かったら脱げばいいんですよね。そんな単純なことも思いつかないくらい、「こうしなきゃ!」と固まっていました。
ちなみに。4歳にはこの本は刺さらなかったみたいです。まだ固まってないからでしょうね。見習います。
新生活に向けて気合が入りすぎてガチガチになっている人に贈りたい1冊です。
闘う女たちへ
おんなのことば
『おんなのことば』
詩:茨木のり子
出版社:童話社
※「自分の感受性くらい」掲載
大学出たての頃。心身ともに奮闘していました。遅い日は24時すぎても職員室にいたし、土日もどちらかは学校にいました。慣れないことばかりで、なにもうまくいってないけど進むしかない。そんな中で、徐々に笑い方がわからなくなっていきました。
そんなときに、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩に出会いました。ポロポロと目から何かがこぼれ落ちてハッとしました。
状況に飲まれていたことに気がつきました。このままではダメだ、しっかりしろ自分!そんな風に奮い立たせられました。
自分と切磋琢磨して、時に叱り時に励ましながら前に進みたい人に贈りたい1冊です。
まとめ
いかがでしたか、一歩踏み出す君に送る本特集。本なら本棚に並べておいて、ふとした時に手に取れる。その人が必要とするタイミングで応援することができる。そういうさりげない応援の仕方があってもいいなと思い、ご紹介しました。
愛する誰かの背中を押す1冊が見つかりますように。(おしまい)
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