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絵本日記:「ちいさいじどうしゃ」

文・絵 / ロイス・レンスキー   訳 /  わたなべしげお   福音館書店

「スモールさんご自慢の、赤くてぴかぴかの自動車。お天気のいい日、ドライブに出発です。馬車を追い越し、町を抜け、軽快な調子で走ります。途中ガソリンスタンドでガソリンを20ℓ入れました。お店によって新聞を買った帰り道、雨に降られてほろを掛けます。思いがけずタイヤがパンクするトラブルに見舞われますが、そこはスモールさん、ちゃんと自分でスペアータイヤと交換します。車庫に戻り、洗って磨くと、また新車のようにぴかぴかになりました。」 というお話。

 ここで紹介する最初の一冊を何にしようかと本棚に向かっていると、懐かしそうにこの本をすすめたのは、とうに成人した長男です。

小さいころ車が好きで、散歩のたびに近所の駐車場の車をじっくり観察して歩くので、なかなか家へ帰れず困ったものでした。そのころ、繰り返し読んだのがこの絵本。スモールさんが自慢の自動車を丁寧に手入れする姿が、うっとりと車を見つめていた息子の姿と重なります。息子は今でも車好き。ドライブをするときには、スモールさんのようにゆったりと運転を楽しんでいるようです。そして今でも、当時聞いたこの絵本の言葉を、わたしが読んだ調子そのままに、そらで言えるのは驚きです。

息子の古い友人スモールさんが、また小さな子どもたちの新しい友達になって「人生は楽しいよ。雨が降る日もあるけれど、何とかなるよ。」と語りかけてくれる、、、。そんな気がします。

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