絵本のある風景:しあわせな記憶
子どもの頃、押入れに入って遊ぶのが好きでした。押入れの布団の隙間に潜り込み、内側から少し扉を開け、「お母さーん。もっちゃんはどこでしょう。」と隣の部屋で家事をしている母に呼びかけます。すると母は見当がついていても、「どこかなあ。こっちで声がしたんだけど。」と言いながらやってきて、机の下や棚の間を探し、「いないなあ。」と言いながら隣の部屋へ戻ります。何度かこれを繰り返し、ついに私がこらえきれずに出ていくか、母が「ここかな?」と押入れの扉を開けると、この遊びは終わるのでした。