「先生」以外で教育に関わる②
活動を通して子どもにどんな変化がありましたか?
篠田さん(TFJ、以下、篠)
子どもによるかな。
子どもたちにも変化の時期があるので。
特に変化が大きい子の例を挙げると、
ディスレクシアの子がいて、
文字と意味と音がくっつかず、
漢字が全然書けなかった。10文字ほど。
言語聴覚士や療育の方などと連携することで
100字以上書けるように。
先生が変わると子どもが変わる可能性がある。
米村さん(アフタースクール、以下、米)
自己肯定感をすごく意識していて、
子どもたちが自分を好きになれたか
やりたいことをどれだけやっているか、
参加している部活動がどれだけ増えたか
という面に、子どもの成長を実感できる
こともある。
ただ、成果の捉え方は難しいなと思う。
団体全体で議論していること。
原口さん(DxP、以下、原)
子どもたち一人ひとりに変化はあるけど、
社会的インパクトをどう見せるかは難しい。
LITALICOさんは研究所をもっていて、
アカデミックな部分もいいものを持ってる。
DxPでも研究チームのようなものは
やらないと、という話になっている。
篠:教育の成果はその子の20年後だと思う。
小学校の時にガミガミ言われていたことを
大人になってから思い出した。
提出物とか細かいことができなくて。
「先生、こんな風に言ってくれてたなぁ」
って。
教育っていつ(効果が)
出てくるかわからない。
モチベーションの源泉は何ですか?
米:子どもを通じて周りの大人も
笑顔になるのがモチベーション。
自分自身に子どもができたときに、
それがどのように変わるのか
気になっている。
(自分のモチベーションは、)
子どもが軸なのか、
周りの大人が軸なのか。
篠:大人が生き生きしていないのが
課題だと感じて。
子どものうちから好きや興味を
育てていければと先生に。
子どもも変わるけど、
子どもに関わった大人が
いい方向に変わるんですよね。
夏休みや冬休みの学習支援ボランティア
に参加した大人で
「子どもたちが頑張ってるから、
自分も頑張らなきゃ」
「子どもたちから学んだ」
という人もいて。
関わる人がみんな生き生きしていくのが
モチベーション。
原:納得できない仕事がない。
その先に高校生がいると思うと
全部頑張れる。
現場を信頼してるし納得してるから。
素晴らしいことをしているし、
絶対必要だと思う。
あと、誰とやるかは大事。
メンバーは学べる存在で、
課題解決を本気でやりたいと
思っている人たち。
過去に当事者だったり、
しんどかった経験をもっていたり
という人もいて、
過去の出来事をフラッシュバックしたり、
誰かの言葉に傷つくメンバーもいるけど、
それを一旦置いておいて
課題解決に向かえる状況にある。
別の仕事をしながら教育に関われますか?
参:コンポーザーのような活動をしたいけど、
自分の仕事が立て込んでいたりして
何年も経ってしまって同じような感じ。
「行きます」って言って、「すみません
行けなくなりました」は迷惑だし。
中途半端にはできないな。
できるのは寄付くらいかなってなっていて。
原:ありがたいですね。託す役割って。
そういう関わり方が生活の中に
溶け込んでいっていったらいいなと
思っていて。
仕事をしつつボランティアも行っては
難しいこともある。
「託す」部分に参画してもらえたら
とてもありがたいです。
篠:フルタイムで週5で働いているん
ですけど、細く長くじゃないですが、
細くても関わっていくスタンスですね。
TFJなら夏休み・冬休みに学習支援が
あったり、イベントのサポートスタッフ
という関わり方もある。
仕事以外にも責任をもつのは負担。
ただ、自分にとっていいエネルギーに
なっている。
興味があるとか、やりたいとか、
好きとか、やりたくてしょうがないことに
週1、週数時間とかでも関われるだけで
エネルギーをもらえる。
ボランティアでスポット(単発)で
関わるのはありだと思う。
米:負担に感じさせてしまうと、
というのはありますね。
放課後は、怪我とかを考えると
気軽には関われないよね
って声を聞いていて。
グラデーションをつけて関わり方を
増やしていかないといけないなと。
どこまで安全管理の責任を負うのか。
自分も子ども向けのイベントをやる中で
子どもの怪我にビビっていて、
足が遠のいてしまうのもわかる。
原:SNSのシェアしてくれるだけでも
一緒に協力してくれる仲間とみていて。
SNSチームも頑張っているので
そういうだけでもありがたい。
シェアだけでも自己実現だと思って
くれている人もいて。
自分の想いを発信できている、
ちょっとでも参加しているという
感じで。
思春期にあたる中学生との関わりについてどう考えていますか?
原:DxPは、義務教育までは行政の目が
届いていると捉えていて、
「あの子が何日学校に行っていない」
っていうことがわかっているんですね。
高校になると、そういうことが
わからなくなる。
なんで、15歳からかというと、
セーフティネットがないから。
LINE@などに相談があれば、
中学生でも対応しています。
米:子どもができたとき安心して預けられる
場所があるかという問題意識から始まって
いて、特別そこにフォーカスしている形。
中学校は盲点になっていると思う。
教員からの転職の方は、中学校の子どもたち
のよりよい成長のためには小学校のころから
の取り組みも大事だと考えている人が多い。
篠:TFJはむしろ主戦場。
中学校は進路選択があるので、
そこへの意義は大きい。
たとえば、エリア内で教育水準が低い
ところでその先生のクラスだけエリア
トップの成績を取ってたりとか、
社会人と連携してゲストティーチャー
として呼んだりとかができる。
発達段階的に中学生はとても大切だと思う
ので、TFJはそこも力を入れている。
それぞれフォーカスしているところが違うので、「託し合い」ですね。
原:中学校はTFJがあるからみたいな。
連携して日本の教育よくしていこうよ
って感じで。
一般的な会社だとライバル的な感じだけど、
NPOだとそういうのがなくて。
ノウハウを共有したり。
それぞれの強みと願いが複雑に
絡み合うことで、
しなやかで頼もしいセーフティネットが
編み上がってゆく。
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🍀気づきと、希望と、キッカケと。🍀
2年間、教師ののちテストを作る編集部
学童、パソコン教室を経て、
ゲーム関係のカスタマーサポート。
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