シェア
CS📩まだたまご
2019年11月29日 00:02
湯船は全てを抱きしめてくれる。頭の中を占領する確かな汚れを排水溝の奥底へ葬り、白い豊潤な香りに包まれて刹那、解き放たれる。夜風にさらされた心がじんわりとほどけ、束の間の休息が音もなく訪れる。それが、無防備な身体を奈落の患いに突き落とす所業と知っていながら。
2019年6月17日 08:05
「最初から勉強。じゃなくていいんです。 話し相手になってくださったら。」家庭教師として行ったご家庭からの言葉。受け持つ彼は不登校。僕はコミュニケーションが苦手だ。翌日から、授業を始めた。 「なんでかわからないんです。」どこかマイナスの気を帯びていた。けれども人間不信という感じでもない。きっと、彼はゆでガエル。ゆっくりと、しかし、着実に心を蝕ばまれていく。