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10年前と変わらない自分、変わった自分(ワーホリでの映画館の面接奮闘記)

今年は暖冬と言われていて、
11月に入っても暖かい日が多い東京ですが
さすがに朝晩は冬らしくなってきましたね。

そんな鼻の中がツンと冷えるような夕方の空気を吸い込んだら
不意に、カナダのワーホリ中に受けた
映画館スタッフの面接のことを思い出しました。

2013年。今から10年前の今くらいの季節。
カナダのトロントも本格的に寒くなり出した頃、
仕事探しに奮闘していました。

仕事探しに奮闘

カナダのワーホリビザの期限は1年。ビザの残りが半年を切ると
一気に雇ってくれるところが少なくなると聞きました。
この頃ビザの残りが7ヶ月くらいだったので、かなり焦っていました。

英語がほんっとにできないのに
「英語環境で働きたい!」
「どこかにこんな私でも雇ってくれる英語環境の職場があるんじゃないか!」
と希望を持ち続けて毎日レジュメ(履歴書)を配る日々。

なかなか仕事が決まらず(そりゃそうだ。の英語力だもの。)
それまで飲食系にしぼって探していたのですが、
ちょっと視点を変えて、好きなことから仕事探しをしてみることに。

古着屋さん、本屋さん、、、映画館!

映画館で働いてみたい

当時のわたしは、
映画館のスタッフの仕事って、
チケット切ったり、ポップコーンを提供したり、
そんなに難しいことはなさそうじゃない?と考えており
映画館のHPから求人に応募してみることにしました。

応募してから2週間ほど経っても
なんの連絡もこなく、
「ありゃ、ダメだったかな〜」と思いはじめていたけど、
このまま終わらないのが、カナダの仕事探し。

連絡来ないのはよくある事だから、ダメもとでも
こちらから連絡してみる価値アリ!なのが、ワーホリの仕事探し。


何度も言ってしつこいけど、ほんっとに英語ができなくて、
聞くのも、読むのも、話すのも
日常生活に支障あるくらいできなかったから
電話はすごく緊張した。

「求人に応募したんだけど、メール見てもらえました?」
と伝えたら、どんな返事が返ってきたか忘れちゃったけど、
何やら面接日時を言われてる?!ってなって、あわててメモメモ。


面接スタイルも言われていたのかもしれないけど、
全然聞き取れていなくて、とりあえず、その日に行ってみることに!

面接当日

エグリントンという駅の近くの
ショッピングモールにある映画館へ到着。

指定された場所へ行くと、担当の面接官が2人いた。
ひとりはアジア系の30代くらいの男性(おそらくチャイニーズ系)。
もうひとりはもう少しベテランそうな白人女性。

「面接にきました」というと、
パーティールームのような部屋に案内され、
「みんなが集まるまでもう少し待ってね!」と。

まさかの集団面接

(え、集団面接?!)とビビる。
きっと電話で説明があったのだろうけど、
いや、もしかしたらなかったかもしれないけど、
予想外の集団面接にドッキドキ。

その後、続々と人がやってきて
10名くらい集まってたかな。

私以外はみんなネイティブの若者。

長い机に5名ずつ向かい合って座って
まずは面接の流れの説明を聞く。


もちろん
ネイティブスピードでの説明。

理解が全然追いつかないけど

どうやら、
「面接官が出すお題に対して、
向かいの人と意見を言い合ってね」ということらしい。

最初のお題は「自己紹介」

私のペアは
ブロンドヘアで華奢な男の子。10代の学生(たしか高校生)だったかな。
「まず僕からいくね」と
「ペラペラペラ…ペラペラペラ…」

早すぎで名前すら聞き取れない。。汗

「はい、つぎは君」と振られ

「I'm Taeko, came from Japan for Workingholiday.
  I finished ESL brbrbr..... 」
あまり中身の無い自己紹介をしていたら、
あっという間にタイムアップ。

(ひょえ〜〜、全然話せてないけど、ひと安心。。。)
と思ったのもつかの間。


面接官「はい!それでは、ペアを組んだパートナーの事をみんなに紹介して!」


、、、、、な、な、なにーー?!?!

名前すら聞き取れなかったし
なんなら後半は早口すぎて聞き取ることをあきらめてしまったから
全然彼のことわからないんだけど。。

(どうしよう〜汗)
ってちょっと焦りながら
ペアの彼の顔を見ると

どうやら彼も焦っている。

私の自己紹介の情報量少なかったし
紹介できるような中身のあるハナシをしていないから。。
そらそうよね。

顔を合わせてお互い苦笑い(苦笑)

She is テコ

まず彼から私の紹介をしてくれた。

「彼女の名前はテコ。日本からワーキングホリデーで来たんだって。
 ホラー映画が好きらしい。うーん、、正直あまり深くは話せていないんだ。」

一瞬で終わった。

そう、わたしはテコ。
(Taekoって海外だとテコになりがち)

不意打ちの"テコ"。。。に
ニヤニヤしそうになったけど、
それどころじゃなくて、
名前すら聞き取れなかった彼の紹介をみんなにしなければいけないのだ。

「え〜っと。。彼の名前は、、、(アイコンタクトを送って彼に言わせる)」
「17才でね、たしか科学を学んでるんだっけ?興味があるんだっけ?」

…終了〜。


顔から火が吹き出そうなくらい恥ずかしかったし
吐きそうだった。

彼に「ごめんね(苦笑)」って言ったら
「全然だよ!仕方ないよ!次がんばって!」って励ましてくれた。

不甲斐なさに
涙が出てきそうだった。


けど、そんな余裕も無いくらい


面接官「はい、席替え!ペア変えて次のお題行くよ!」

次のお題は「好きな映画について会話する」

面接官「次は、自分の好きな映画について話して。
    今度は僕たち(面接官)が席を回るから、好きなように会話してね」


この時、"好きな映画"でパッと思い浮かんだのが
岩井俊二監督の「リリィシュシュのすべて」

だけど、
いやいや、英語で説明難しい。
英語タイトルもわかんない。


ジブリなら知名度高いし説明しやすいかも!
んーと、好きな映画、、
「耳をすませば」、、、

やーん、英語タイトルわかんな〜い(T_T)

頭をフル回転させてたら
次のペアの女の子が前の席にやってきた。

スラッとモデルさんみたいな可愛い子。
きっと10代。


席につくなり、
「私は〜〜って映画が好きなんだけど観たことある?」と聞いてきた。
英語タイトルと日本語タイトルって
全く違うものが多いから
全然ピンとこない。

楽しそうに説明してくれるけど、
理解できなくて
申し訳ないな〜
悔しいな〜
で苦しい時間だった。

そしたらその子が、
「あなたはホラーが好きなんだよね?何が好きなの?」と聞いてくれた。
(優しい。。)

(けど、「死霊館」ってなんて言うんだ?)

(あ、「呪怨」なら説明したらわかってくれるかも!)

「My favorite one is a Japanese Horror movie.
  But I don't know the English title...」

「物語の舞台は日本の家でね、白い顔のリトルボーイが出てくるの。
 ベッドの中にいたり、   あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛って言うの。知ってる?」
って聞いたら、
ちょうど面接官の人がやってきて、
「Oh, is the JUON? the Grudge?」

(え、いまジュオンって言ったよね。同じだったのか。。^^;)

「イエス、イエス〜!
 映画に出てくる家と、日本で住んでいる家が似ているから
 リアルに感じて怖いの」

と、通じてるかわからないけど英語で必死に説明した。

その後も続く、映画について語るお題

その後も、またペアを変えて
「影響を受けた映画」とか「印象に残った映画」について話した。
もはや、お題の意味を理解しているかも分かってなかったけど、

「ハングオーバー」が好き!
ブラッドリークーパーのビッグファンで、彼にクレイジーなの!
と開き直ったかのように喋ったな。

会話が続かないから、
できるだけ知ってる単語を並べて
思いを伝えるのに必死だった。

面接、終了

長かったような気もするし、
一生懸命で一瞬にも感じたような、
そんな集団面接の最後は
面接官からの挨拶でしめくくり。

「今日は寒い中来てくれてありがとう。
 みんなの映画への愛も伝わったし、今日は素敵なメンバーが集まったと思う。」

「これから一緒に働く仲間になっても、そうでなかったとしても、
 これからも映画を観にきてね!」


今回の面接は
自分の英語力の低さや、
コミュニケーションが取れないことを実感して
悔しかったけど、今できるベストは出しきったから悔いなし!

これから頑張るぞ!って清々しい気持ちで、
部屋を出て行く時に、面接官に
「今日はありがとう。私にとってはかなりハードだったけど、いい経験でした!」
って言ったら

アジア系の面接官が
「今日は来てくれてありがとう!すっごく頑張っているの伝わったよ。
 今は一緒に働くことは難しいと思うけど、応援してる。
 むかしの自分を思い出した感じがしたよ。言語を身につけるのは簡単じゃないよね」

って、目を見て熱く言ってくれた。

ジーーンと来た

こういうところ!
面接官も、一緒に面接を受けた若者たちもみんな優しかった。
トロントの人たちってみんな優しい。

だから
トロント好き。
もっと頑張りたい。

って、帰りのエスカレーターで降りながら
涙が溢れてきて視界がボヤけた。

映画館の入っているショッピングモールを出たら
外はすっかり暗くて、
冷たい空気を吸い込んだら、鼻がツンとした。

来るときは気づかなかったけど
駅まで続く道が
クリスマスのイルミネーションでキラキラ。

涙でボヤけて
よりキラキラして、綺麗。


安心したらお腹が空いてきて
向かいのピッツァピッツァ(ピザ屋さん)に立ち寄ることにした。

そしたら、後から、
面接で一緒だった黒人の男の子が
友だちと入ってきて

私に気づくなり、
「おつかれ!お互いグッドラック!」
と声かけてくれた。



そんな、
悔しくて、
恥ずかしくて、
でも新鮮で楽しくて、
優しさに触れて、
よし!頑張るぞ!
と決意した、
色んな感情が入り混じったあの日が

フラッシュバックしてきました。

当時と現在とで変わらないこと、変わったこと

10年経った今も
自分は何者でもなくて
変わったこともあるけど、
あの時の自分と同じように
頑張るっきゃない!
という状況。

失敗を恐れずに
今の自分をさらけ出して
がんばろうと思います。

あ、でも当時と
明確に変わったこともあります。

10年前
自分が「がんばる」のは
「自分のため」


自分が「がんばる」のは
「自分も含め、周りの人の心地良いや、笑顔のため」

以上です。
長くなりましたが最後まで
読んでいただき、ありがとうございます。

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