わたしを一番ダメにするふわふわ毛布な彼のこと
誕生日を迎えた抱負として、「これまでやってきたことも、これから挑戦していくことも、昔から応援してくれている人も、最近興味をもって来てくれた人も、これから知ってくれる人も、みんな大切にして進んでいきたい」と彼は話した。
そんな江田剛くんを見ながら、あぁ、そういえばずっと毛布みたいな人だったよな、と思った。
10月24日はずっと応援してきた彼の34歳の誕生日で、バースデーライブという名の本人主催の誕生日会に出席してきた。誕生日当日に、ソロコンサートをしてくれる日が来るなんてと、いろんな感情で気持ちが忙しすぎる一日を過ごした。
声が出せないコンサートなのに、冒頭の話を聞いて、思わず声が漏れてしまった。同じような話をしていた人を、わたしはもう一人知っていたから。
それは、剛くんが今年出演した舞台で主演を務めた作品『あやかし緋扇』の神山陵。彼自身が演じた主人公だ。
ストーリーのなかで、こんなセリフがあった。
大切な人はみんな僕が護り抜いてみせます!
好きな女の子(未来)を守るために自分の命をかけて生き、子孫たちには命を狙われて殺されかけながらも、みんなまとめて護ると言い切る。陵のその姿が、誕生日の抱負を語る剛くん本人と重なって見えてしまって、視界がゆがんだ。
陵のこのセリフは、江田剛のマインドそのものだと感じている。
「応援してくれるみんなが、怒ってくれるのもすごくありがたいと思っている」という話を、昨日の公演の最中にしていた。もう、なんて人間ができているんだろう。
大きな芸能事務所から独立してからこの4か月、彼は、これまでやりたかったのにできなかったことをものすごい速さと密度で実現させてきた。
さすが歴20年。パフォーマンスはどれもとびきり良かったけれど、初めて携わる事務的なことのいくつかをきれいに処理しきれなくて、そこを指摘しているファンもいる。ファンだった人の一部には、そういう納得できないことに「怒り」を感じて、ネガティブな情報を発信している人もいる。好きだったからこそ、その気持ちが「怒り」や「呪い」に変わることもある。環境が変わった自分、仕事のすべてがクリアだとは言い切れない状況を受け止めてつつ、今を100%肯定できていないファンのことも理解して。そういう人もふくめた全部に心を寄せて進もうとしている。
わたしは、人に怒られることが嫌いだ。ネガティブに反応しやすいタイプみたいで、防衛反応が働くのか怒られそうになると逃げるのが癖になっているところがある。正面から受け止めて、向き合って、なんて痛すぎてとてもできそうになさすぎる。
「怒ってくれる」と感謝できるって、一体どういうことなんだろう。すごすぎてわたしの理解は超えている。これを本心で言っているからさらに敬う気持ちが湧き出る。これ、わたしの文章力でちゃんと伝わっているでしょうか? 「よく分かんない」「ホントにホントなの?」って方は、次の現場に責任もってお連れするので、直接本人を前にしてご自身で体感してみてください、この包容力。
彼のこの包み込む力は、実は今に始まったことではない。思えばずっと、わたしは彼のこの力に惹かれて、癒されてきたんだ。
たとえば、前の事務所で所属していたグループ活動。6人でスタートしたはずが、一人は個人での活動を選び、次のひとりは他グループと掛け持ちになった数か月を経てもう一方のグループでデビューするために脱退、もう一人が契約解除となった末に、グループは解散となった。
ファンはそのたびに、傷ついたり、文句を言いたくなったり、誰かのせいにしたくなったりした。好きで応援しているものが形を変えていくのは、それくらい辛いし痛みを伴う。
そんな中でも剛くんは、メンバー、を責めることもせず、事態を受け止めて、変わっていく相手を受け止めた。ああだこうだ言うファンの気持ちもまるごと全部受け止めて、残されたメンバーでどうやって進んでいくかを丁寧に伝えてくれた。
落ち込んで文句を言っているようじゃいけない、出ていくメンバーにも愛をもって送り出そうと気持ちを切り替えさせてくれたのはいつも彼だった。おかげでダークサイドの縁から何度も戻ってきては、文句を言ってしまいそうになった自分を恥じた。何とか気持ちを立て直し、ここまでついてくることができたのは、全部剛くんがいたからだ。そうやってずっと、ふわふわの毛布みたいなあったかさで優しく包みこんでもらってきんだ。
彼の毛布の面積は、いったいどれくらい大きいのか、何年見ていても把握しきれない。「まだ包めるの?」と驚かされることばかりだ。わたしは他にこんな人を知らない。
これまでかなりたくさんのものを包み込んできた剛くんだけれど、彼にはまだまだたくさんの人を受け止めて、包み込んでいく覚悟と余裕がある。
少しでも気になったあなたは、一緒に包み込まれてみませんか。人をダメにするふわふわさ、最高なんです。