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わかりやすい箇条書きスキル-文章構造の3つのステップ-

「わかりやすい文章とは、文章そのものではない。文章の構造だ。」


さてさて、読者のみなさんは、

1日に何件のメールを受け取りますか??


僕でだいたい200件、多いと400件程度のメールを受け取ることがあります。
そんな大量のメールを読んでいると、


長い。。


って、思うことが良くあります。
情報化社会、情報過多社会の中で、メールを分かりやすく書く。

箇条書きのスキル

は、実はとてつもなく大事なスキルです。当然、わかりやすいメールを書ける人の方が、周りからの評価や信頼も高くなります。

ということで、本日は、杉野幹人氏の著作『超・箇条書き』から、

読みやすい、わかりやすい箇条書きメールの書き方

について考えてみたいと思います。


■わかりずらい、メール

「今のミーティングの議事録、メールで送っといてな。」

新入社員のコウスケは、上司のリョウに頼まれた。

「わかりました!」

元気よく返事をしたコウスケの気持ちは、少し上向きだ。

最近は上司がリョウに変わってから、仕事をまかせてもらえるようになり、

今回は会社を生まれ変えるために導入される新・評価制度に関する資料作成、ミーティングの段どりなど、リョウの右腕として働かせてもらうことになったのだ。

たった今のミーティングも各部署の部長陣が参加しており、コウスケは一番若い年齢での参加だ。

当然、議事録一つとっても評価が分かれる。
なんとかわかりやすい議事録を書きたいものだが、コウスケには一抹の不安があった。


箇条書きが、苦手。


ブログで溢れる思いを、きれいな文章で表現するのはお手のモノ、
一方で、それをまとめて、コンパクトにわかりやすく伝えるのは、大の苦手だった。

そこで、コウスケは上司のリョウに一度確認してから議事録を送ることにした。

「とはいえ、文章を書くこと自体が苦手なわけじゃない。きっと、大丈夫だろう。」

と、思いながらコウスケは以下のような議事録をリョウに送った。

リョウさん
お疲れ様です。
本日のミーティング議事録です、確認お願いします。
新評価制度導入に伴う本日の議題
・全部署長とMBO方式の評価KPIについてすり合わせを行う。
・結果を出した人が、正しく評価されていない。
・評価基準に透明性がなく、恣意的な評価がなされている。
・社員の仕事に対するモチベーションの低下がみられる。
・人事部が今後の新評価制度に関する研修を全社員向けに行う。
以上です。

メール送ってから、数秒でリョウから返信が飛んできた。


「2点だな。やりなおし。後で教えてやる。」

わかりやすいメールで大事なのは、文章ではない。

構造だ。


■構造化で文章を整える。

わかりやすいメール、わかりにくいメールの違いは簡単に言うと、

短く、要領がまとめられているか。
全体として何が大切か、伝わるか。
自分に、どんな関係があるのか。


という点になる。
コウスケのメールは、箇条書きで一つ一つの文の意味がわかるが、
全体として何が伝えたいのか見えづらい。

そこで、構造化の3つポイントによってメールを整えると同じ文でも、
わかりやすさが一気に変わる。

①自動詞と他動詞の使い分け
②直列と並列で時間軸を整える
③がバニング

この3つの視点でメール、またパワポの資料を確認するだけで、
わかりやすさが格段に引きあがる。

■構造化①:自動詞と他動詞を使いわける。

構造化の第1ステップは、自動詞と他動詞を分けること。

自動詞は、目的語のない動詞。
他動詞は、目的語のある動詞。

中学生のころ実は英語の文法で習った内容になる。
例えば、

自動詞:コウスケは、胸があつくなった。
他動詞:リョウの言葉が、コウスケの胸をあつくした。

といように、胸を熱くするという動詞が、

主語であるコウスケに対して係っているか、
目的語であるコウスケに対して係っているか、

英語の文法的には、S(主語)+V(動詞)構文か、S(主語)+V(動詞)
+O(目的語)かの違いで自動詞と他動詞を見分けることができる。


なぜ、自動詞と他動詞を分けた方が良いのかというと、

自動詞は、状態や現象を伝える文
他動詞は、行為を伝える文

というそれぞれ別の機能を持つからだ。

例えば、
チャーハンがある、餃子がある、スープを作る。

だと、自動詞と他動詞が混在しており、テーブルにおかれた料理の状態を指しているのか、
料理を作るという行為を差しているのかわかりづらい。

だからこそ、自動詞と他動詞の文は分けで書いた方が相手に伝わりやすくなる。
では、コウスケのメールを自動詞と他動詞で分けるとどうなるか。

新評価制度に伴う本日の議題
①自動詞グループ(状態)
・結果を出した人が、正しく評価されていない。
・評価基準に透明性がなく、恣意的な評価がなされている。
・社員の仕事に対するモチベーションの低下がみられる。
②他動詞グループ(行為)
・人事部が今後の新評価制度に関する研修を全社員向けに行う。
・人事部が、全部署長とMBO方式の評価KPIについてすり合わせを行う。


このようにグルーピングするだけでだいぶわかりやすくなる。

自動詞は課題、他動詞は対策。

この感覚はビジネスメールを整理する上で非常に大事な感覚なので、
特に気を付けてグールピングをすると、箇条書きがだいぶわかりやすくなる。

では、続いて②の時間軸で整える、を考えてみよう。

■構造化②:「直列と並列」で時間軸を整える。

構造化の第2にステップは、時間軸で整えること。

小学生の理科で習ったように並びには直列と並列があるが、それを時間軸で以下のように切り分ける。

①直列型:時間軸の流れがある。
②並列型:時間軸の流れがない。


直列型は、
問題発生→解決策の提案(現在→未来)
未来のビジョン→中期戦略→四半期のアクション(未来→現在)

並列型は、
問題解決のアクションリスト(現在のみ)
未来ビジョンのあるべき姿リスト(未来のみ)

というように使い分けることができる。

大切なのは、時間軸の違う文章を同じ並列内の箇条書きに入れ込まないこと。

課題が現在で、解決策が未来なら時制の異なる文章を同じ箇条書きの並列で並べてしまうと、
読み手は現在の話なのか、未来の話なのか混乱してしまう。

そのために、時間軸で箇条書きを明確に切り分けるのが重要だ。
コウスケのメールは、以下のようになる。

①いくつかの課題が議論された。(課題=現在)
・結果を出した人が、正しく評価されていない。
・評価基準に透明性がなく、恣意的な評価がなされている。
・社員の仕事に対するモチベーションの低下がみられる。
②いくつかの解決策が合意された。(解決策=未来)
・人事部が今後の新評価制度(MBO)に関する研修を全社員向けに行う。
・人事部が、全部署長とMBO方式の評価KPIについてすり合わせを行う。


このように時制で分け、強調すると読み手は、

「今回の会議では、現状の課題と今後の解決策が議論されたんだな。」

と、すっと頭に入る。
だいぶ最初の箇条書きよりもわかりやすくなった。

ではでは、ラスト。もうひと息。
ガバニングで最終の仕上げをしよう。

■構造化③:ガバニングで仕上げる。

ガバニングとは、統制する、頭だしを決める。
という意味になる。

読者の皆さんもお気づきだと思うが、コウスケの先ほどの文章で残る曖昧さは、

①いくつかの課題が議論された。
②いくつかの解決策が合意された。

という、いくつかの部分である。この部分を、

①3つの課題が議論された。
②2つの対応策が合意された

と、書き変えて仕上げることで、曖昧さがゼロになる。


なぜ、こうしたガバニングをした方が良いのか。

相手の関心を向かせるため。

というのが、答えだ。

例えば、
「今から3つのポイントを伝えます。」

と伝えれば、聞き手は1つめのポイントを話終えた後に、2つ目のポイントの興味がわく。しかし、

「今からいくつかのポイントを伝えます。」

と、伝えてしまうと、聞き手は2つ目が過ぎたあたりで、いったんいくつあるんだと話に飽きてしまう可能性がある。

それは、メールを含む文章でも同じことで、ガバニングによって相手の関心を惹き、構造によって語らせることが大切だ。


では、最後にコウスケの文章をガバニングで仕上げよう。

各位
本日のMYの議事録です。
主に、3点の課題と2点の対応策について議論がされました。
①現在の評価制度の3つの課題
・結果を出した人が、正しく評価されていない。
・評価基準に透明性がなく、恣意的な評価がなされている。
・社員の仕事に対するモチベーションの低下がみられる。
②2つ対応策を合意
・人事部が今後の新評価制度(MBO)に関する研修を全社員向けに行う。
・人事部が、全部署長とMBO方式の評価KPIについてすり合わせを行う。


どうだろう。
最初の箇条書きに比べて、かなりわかりやすくなってはないだろうか。

これが、箇条書きをわかりやすく伝える構造化の3つのステップ。

①自動詞と他動詞で切り分ける
②時間軸を整える
③ガバニング

意識すれば今日からできるはずなので、是非取り組んでみて欲しい。

■まとめ

さてさて本日は、

読みやすい、わかりやすい箇条書きメールの書き方

について考えてみました。もし、読者の皆さんが

シンプルで、わかりやすく、要点を捉えた文章を書けるようになりたい。

そう思うのであればれ、箇条書きの構造化は必須のスキルだ。

人を動かす文章を書こうと思うと、文章表現や言葉の選定のことばかり考えがちだが、

そもそも、わかりにくければ読者には響かない。

そのために、

文章に語らせるのではなく、文章の構造に語らせる。

ことは書き手として、絶対に見落とせないポイントになる。

そして何よりも、

わかりやすい文章、メールが書ける人は、仕事ができる。

という周りからの信頼を得ることができる。

noteでも、メールでも、プレゼン資料でもなんでも構わないので、
本日お伝えした、構造化の3つのスキルを実践してはいかがだろうか。

冒頭でも述べたように、

超・情報化社会の現代において、


超・箇条書きのスキルは、


超・必須スキルだ。


忙しい現代人にとって、わかりやすい文章を書けるというのは、それだけで価値がある。

読者の皆さんも、是非実践してみてはいかがだろうか。



ではでは、本日はここまです。
また、明日のnoteでお逢いしましょう。



P.S 最後にコウスケの文章のビフォアー・アフターを載せておきます。書き方のスキルは、誰でも身に付けられるので、早速来週の仕事メールから取り組んでみましょう!

リョウさん
お疲れ様です。
本日のミーティング議事録です、確認お願いします。
新評価制度に伴う本日の議題
・全部署長とMBO方式の評価KPIについてすり合わせを行う。
・結果を出した人が、正しく評価されていない。
・評価基準に透明性がなく、恣意的な評価がなされている。
・社員の仕事に対するモチベーションの低下がみられる。
・人事部が今後の新評価制度に関する研修を全社員向けに行う。
以上です。
各位
本日は、ご参加ありがとうございます。
会議の議事録になります。
主に、3点の課題と2点の解決策について議論がされました。
①現在の評価制度の3つの課題
・結果を出した人が、正しく評価されていない。
・評価基準に透明性がなく、恣意的な評価がなされている。
・社員の仕事に対するモチベーションの低下がみられる。
②2つ対応策を合意
・人事部が今後の新評価制度(MBO)に関する研修を全社員向けに行う。
・人事部が、全部署長とMBO方式の評価KPIについてすり合わせを行う。

以上です。

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