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未来の自分からのメッセージ

ある晴れた日の休日、
「そうだ、見晴らしのいいおしゃれなブックカフェに行こう」と思い立った。

今年どんな一年にしたいのか、
これからの人生どんなことを体験していきたいのかなど考える時間がほしかった。

去年の後半は心身共にしんどい状態で、未来を思い描く余裕もなかったから
ようやく少しずつ余裕が出てきたこのタイミングで、ちゃんと未来を思い描く時間を取りたかったのだ。

まぁ別に家でもいいんだけど、おしゃれなカフェでおしゃれなラテとか飲みながら考えた方が
ワクワクする未来を思い描けそうだなと思って。
形から入るのって大事。

そしたらもうめっちゃ思い描けたんですよねぇ。

将来住みたい家とかイメージ画像探して集めたり、
どんな人達と出会ってどんな体験がしたいのか等
ノートに書いて具体的に思い描いたり、
それはそれはワクワクしながらも集中して取り組めた。

家だとすぐ寝ちゃうから、こういうカフェで作業するのっていいな。
新たな発見。今後もっとカフェを活用していこうと思った。

気付けば4、5時間くらい経っていて、とても充実した時間を過ごせたので
外出ついでにずっと観たいと思っていた映画を観に行くことにした。

映画「ファーストキス」



心が温まる話だったなぁ。
死を避けようとすることや恐れることは本質的な生き方ではなくて、
生きている時間をどれだけ大切に過ごせるかが1番大事なんだと改めて思った。
まぁ、それでもやっぱり死は怖いけれど。
だけど今この瞬間を大切にし続けていたら、死を恐れる暇がなくなるのかもしれない。

こういうタイムスリップ系の話って、
「今生きている時間を大切にする」というのを伝えてくれることが多いので
これってもう命の真理なんだろうなぁ。

ちなみにこの映画は坂元裕二さんが脚本で、
彼の作品には心惹かれることが多い。
会話劇や言葉遊び、クスッと笑えるところ、人の感情の流れを丁寧に描いているところなどが良くて。

特に「大豆田とわ子と三人の元夫」というドラマが好きで、そのなかでも何度も見返してしまうほど、心の支えになっているシーンがある。

人生や時間の概念についての話をしているシーンで、ちょうど映画の中でも同じような話が出てきたので、その瞬間、真っ先にこのシーンを思い出したのだ。

松たか子さん演じる大豆田とわ子と、
朝のラジオ体操で出会ったオダギリジョーさん演じるタカナシとのシーン。
(以下、ドラマのネタバレ含みます)

大豆田とわ子は
幼馴染で親友の かごめ を亡くした。
昼は元気だったのに、なんの前触れもなく夜に急死。亡くなる直前、かごめから電話がかかってきていたけれど、人と会っていたので出られなかった。とわ子は一年経った今でも、そのことを後悔しているし
人知れず、ずっと孤独な気持ちを抱えていて
親友の死を乗り越えられずにいた。

そんな誰にも話せなかった気持ちを、
初対面のタカナシに打ち明けるシーン。

とわ子:みんな言うんですよね。
まだ若かったし、やり残したこともあったでしょうねって。悔やまれますよね、残念ですよねって。そっか、そうだったのかなぁ。だったら私たち、何もべつに大人にならなくてよかったな、
ずっとあのままでよかったなぁ、って思うんですよね…。

タカナシ:ないと思いますよ。

とわ子:え?

タカナシ:人間には、やり残したことなんてないと思います。
その人はあなたの幼馴染みだったんですよね?
じゃあ、10歳の時のかごめさんも、20歳の時のかごめさんも、30歳の時のかごめさんも知ってる?

とわ子:はい、知ってます。

タカナシ:過去とか未来とか現在とか、
そういうのってどっかの誰かが勝手に決めたことだと思うんです。
時間って別に ” 過ぎていくもの ” じゃなくて、
場所っていうか
別のところにあるもんだと思うんです。

人間は現在だけ生きてるんじゃない。
5歳、10歳、20歳、30、40…
その時その時を人は懸命に生きていて、
それは別に過ぎ去ってしまったものなんかじゃなくて。
だから、あなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら、彼女は今も笑ってるし
5歳のあなたと5歳の彼女は今も手を繋いでいて、今からだって、いつだって気持ちを伝えることができる。

人生って小説や映画じゃない。
幸せな結末も、悲しい結末も、やり残したことも、ない。
あるのは、”その人がどういう人だったか”っていうことだけです。

だから人生には2つルールがある。
・亡くなった人を不幸だと思ってはならない。
・生きてる人は幸せを目指さなければならない。

人は時々寂しくなるけど、人生を楽しめる。
楽しんでいいに決まってる。

この話を聞いたあと、とわ子は涙を流していた。ずっと胸につかえていたものが取れて、心が軽くなった瞬間だったんだと思う。

私はこの会話のシーンが本当に好きで、心が重くなった時などに見返すようにしている。

この、過去・現在・未来は同時に存在しているという話を、心のどこかでお守りにしているし、
なんとなく分かる感覚がある。

10歳の私、15歳の私、20歳、25歳、30歳…その時々の私が懸命に生きてくれたから今の私がいる。
そのことを思うと、これまでの全時代の私にありがとうと言いたくなる。

そして、過去の私に感謝するのと同じように
未来の私もきっと現在の私に感謝しているんだと思う。

そう考えたら、全時代の自分が味方なんだなぁ。

過去・現在・未来が同時に存在しているならば

現在の私から過去の私に感謝の気持ちを送ることができるし、
未来の私から感謝の気持ちを受け取ることもできる。

感謝だけじゃなくて、こうした方がいいよ〜とかそういうメッセージもあると思う。

そしてそれは直接伝えられないから、
ドラマのセリフだったり、人からの言葉であったり、ふと見た看板の言葉だったり、
直感であったり、
そういうものから受け取れるのかもしれない。

例えば、今住んでいる場所。
この場所に初めて来た時、なぜか懐かしいという感覚があった。
初めて来た場所なのに懐かしいと感じたのは、
この場所に住んでいる未来の自分からの感覚だったのかもしれないなぁと、振り返ってみて思う。

人生を変えてくれた人との出会いもそうだった。
初対面なのに、安心感があったり、懐かしいという感覚があったのだ。

懐かしいという感覚に限らず
自分がこうしたい!こんな未来がいい!と思い描くことも、
結局、未来の世界線のひとつに
叶ってる世界があるからなんじゃないかと思う。

4年ほど前、私はリモートワークできるところに転職したいと思いながらもなかなか見つからず、毎朝、満員電車に揺られていた。
でも現状は置いておいて、どんな未来なら最高なの?と自分に問いかけた時

iMac使いながらリモートワークしたい!という思いが出てきた。
その頃の私にとってiMacを使ってる人は、スキルが高くて仕事ができてお洒落で、まさに憧れの存在だった。
自分が使ってるなんてイメージできなかった。でも望みとして出てきたのだ。

不思議なんだけど、とても自然な流れで
今こうしてiMacでリモートワークしている。

あと、これは去年の話。
お友達と、今後こんなことしたいとか自分の願望を制限なく出していこうっていう話になって。

その時、私はなぜか「ミュージックビデオに出演したい」という望みが出てきた。
一般人の私が、なぜそんなことを望んだのか自分でも不思議だったんだけど、
なんとその半年後ぐらいに思わぬ形で叶った。

ダンス未経験の私が、ひょんなことからダンスコミニティに入ることになって
練習の成果をステージで発表する予定が中止になり、その代わりになぜかダンスのミュージックビデオを撮ることになったのだ。

プロのヘアメイクさんにやってもらって、スタジオを借りての本格的な撮影。

本当に貴重な経験をさせてもえて、宝物みたいな思い出になった。
あとミュージックビデオってこんな何回も踊ったりしないといけないんだと知って、
アイドルのミュージックビデオとか見たときに、この人達も何回も踊ってるってことか。大変だろうなぁとか、経験したからこそ分かる大変さがあって、ちょっとアイドルの気持ちが分かって嬉しかったりした。笑

本当に思わぬ形で叶ったのでびっくりしたけれど、結局望みとして出てくるってことは、叶ってる未来がどこかに存在してるからなんだろうなぁ。

望んだから叶ったという見方もできるけど、
すでに叶ってる未来があるから望みが出たっていう方がワクワクするので
個人的にはそっちの考えを採用したい。

懐かしい感覚や望みが出たり、何か心動かされるものがあれば、それは未来の自分からのメッセージなのかもしれない。

だけど、どうしても現状から考えられる未来を思い描きがちで、そういう制限を持ってしまうと、メッセージは受け取れないのかもしれない。
現状は置いといて、どうなったら最高なの?と
常に自分に問いかけてあげたい。

だからこの日ブックカフェで未来を思い描いた時間は、後から思い返したときに本当に大切な時間だったと思えるはずだと信じている。

あと、この日映画を観て
人と関係を築いていくのっていいなぁと思えたし、夫婦っていう関係も素敵だなぁと思った。
日常の出来事や感情を共有し合って、一緒に日々を紡いでいく。それが本当に尊いことだと思った。

そして自然と頭の中でこの言葉が出た。
「早く出会いたいなぁ」
これが出るってことは、もう未来にいるからだな、と思った。
未来の自分と繋がれた気がして嬉しくなった。


映画終わりに、たまたま後ろを歩いていたカップルがいて彼氏さんが話してるのが聞こえた。

「大豆田とわ子っていうドラマでさ、オダギリジョーが出てたシーン知ってる?」

「あぁー、なんか公園のシーンかな?」

「そうそう。そこでも今日の映画と同じようなこと話してて。
過去も現在も未来も同時に存在してるって話。
その話、なんかすごい素敵だなぁって思ったんだよねぇ。」

と話していて、
思わず後ろ振り返って「私もそのシーン好きです!!!!!めっちゃ素敵ですよねぇ!!!!」
って言いそうになった。


自分と同じ気持ちの人がいたんだ。いるんだ。

自分が想像してる以上に、この世界には
心通じ合える人がもっともっといるのかもしれない。そう思ったら、なんだかとても嬉しい気持ちになった。

しかもたまたま後ろを歩いて
まるで私に聞かせるかのように話してたのが不思議だし、偶然だとは思いがたい。

これはメッセージなんだろうな、
と思いながら未来にワクワクした休日だった。


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