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何者かになるためじゃなく、ただ味わうために生まれてきた

とにかく、あたたかいものが好き。
春とかホットコーヒーとか猫とかお風呂とか。

許されるならずっと日向ぼっこしてたいし、
はっぴいえんどの「風をあつめて」とか聴いてたい。

心があたたかくなる瞬間も好き。
誰かと心通じ合えた瞬間とか、思わずクスッと笑ってしまう時とか
お酒飲みながら語り合えた夜とか。

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「こんな素敵な季節に生まれてきてくれてありがとう」
友達がずっと前に言ってくれた言葉。

なんてあたたかい言葉なんだろう。
なんだか嬉しくて、誕生日のたびに思い出すし、ずっと心に残っている。

私も桜が咲き始めるこの季節が好き。

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ずっと自分にとっての幸せが何なのか分からなかった。でも本当はこうして分かってたんだ。
自分の好きなもの・瞬間をちゃんと分かっていて、それを味わえる。
幸せってこういうことだったんだな。

最近ある人の話を聞いて、幸せの本質が何なのかを改めて知った。

もし、物理的に満たされることや望んだ状況を
手に入れることが幸せそのものなんだとしたら、
人気もルックスも何もかも手に入れているような芸能人がどうして自殺したり薬物に手を出したりするのか。
それは” 幸せを感じられる心 ”がなければ何の意味もないからだよ。
すべてを手に入れている状況で幸せを感じられないというのは1番地獄だよ。
だってこれ以上どうしようもないんだもん。
だから一瞬で楽になれる薬物や死を選んでしまうんだよ。


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本当にそうだなと思った。感じる心がなければ
望んだ状況を手に入れたとしても、幸せだと感じられない。それだと本当に意味がない。だって、何かを望むのは、それを手に入れることで幸せな気分を味わいたいからだもんね。

他にも例えば、お金持ちの人や仕事で成功した人、結婚して可愛い子どもにも恵まれてタワマンに住んでるような人
こういう幸せそうに見える人達でも、どこか孤独を感じていたり、誰かを羨ましいと思っていたり、幸せだと思えていない人もいる。

状況自体が人を幸せにするのではない、ということはもう証明されてる。
ってことは「幸せは自分の心が決める」ってよく聞くけど、本当だったんだなぁ。
そう、この心が全ての鍵を握っている、、

例えば、子供の頃に聴いていた曲。
大人になってから聴くと感じ方が全然違うってことありません?

私の場合、ミスチルの「HANABI」という曲。
子供のころは、ドラマの主題歌だったのでそのイメージしかなかったし、「いい曲だなぁ〜」ぐらいにしか感じられなかった。

でも大人になってから聴いてみると
ただの夏ソングではなくて、人間の強さと儚さを花火に例えてて歳を重ねるほどすごく染みる曲だなぁと思ったり、ひとつひとつの歌詞に共感して泣きそうになる。

同じ曲なのに、自分の感じ方次第で曲の価値がこんなにも変わるんだ。

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あと映画とかも分かりやすい。

同じ作品でも観る人によって満足度や得られるものが全然違う。ってことはその映画自体がどうこうよりも、感じる私たちの心が価値を決めているってことだよなぁ。

その1番大事な「感じる心」を無視して目の前のことを味わいもせず、いつかの大きな幸せが別にあると思いがち。そして何者かになることや何かを手に入れることが1番の目的にすり替わってしまい、ゾンビみたいに一生幸せを求め続けて死んでいく。

……ホラー映画やん。

よくよく考えたら、幸せな気分を味わうことが1番の目的ですよね。

それならもっと、目の前のことを味わってみようと思った。
感じる心を取り戻す練習をしようと思った。

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例えば、一杯のあたたかいお茶を飲むにしても、まず湯気から香りを楽しんでゆっくり味を感じながら飲んでみたりした。

下着やルームウェアを肌触りのいいものに変えてみた。たったそれだけなのに優しさに包まれているような感覚になった。あとパーカーのフードを被って寝ると、さらに包まれてる感が味わえて心地よかったのでおすすめしたい。優しさに包まれるってこういう感覚なんだなぁ~と思った。

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SNSから少し離れてみた。
すると「誰とも比べない自分だけの世界」が広がって、ものすごく安心した。情報が入ってこない分、自分の心にしっかりと向き合えて、どんどん気分が明るくなった。もうずっとSNS見なくてもいいかな~と思ったぐらい。だってあまりにも心が軽くなったから。
日々、情報の海に晒されていると
置いていかれてる感や、何かに焦らされるような感覚になることがある。
そこから一度離れてみると、時間の流れがゆったりして、目の前のことを味わいやすくなった。
目の前のことを味わうには、結局SNSから離れるのが1番早いかもしれない。

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他にも細かいことはたくさんやってたけど、
こうして日頃から「目の前のことを味わう練習」をしていると、こんなことがあった。

ある日職場の人からの社内メールで、私のやった仕事に対して「いい感じにしてもらえて嬉しいです。ありがとうございます!」というような内容のメールをもらった。以前の私だったら「そんなふうに言ってもらえて嬉しいなぁ!これからも頑張ろう!」という喜び具合だったかもしれない。

でも味わう練習をしていた私は、

「うわぁ〜めっちゃ嬉しいなぁ、、心に染み渡るなぁ、、こういうことをわざわざ伝えてくれるってありがたいなぁ。優しい人だなぁ。自分のしたことがこうして誰かの役に立つってなんかいいなぁ」
という気持ちをじっくり味わっていたら、本当に心がじわーっとあたたかくなる感じがした。あえてやろうと思ったわけじゃなく、こういうことが自然とできるようになっていたのだ。

味わう心があれば、こんなふうにひとつひとつの出来事に対する幸福度がグレードアップするのだなぁと思った。

他にも、
お風呂に入ったとき、めっちゃ無意識に
「あぁ〜幸せやなぁ」と言った自分がいてびっくりした。

そう、
別に何者かにならなくても、幸せになれるんだ!ということが判明しました。

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いま人間に1番必要なのは
「今を味わう力」「感じられる心」らしい。

これは、今の現状に満足して何も望まないようにしようという話では全然なくて
味わう力を持っていると、いつか自分が望むような状況が手に入ったときに心からその状況を味わって幸せだと感じることができるし

日々、目の前の幸せを味わって心が満たされてくると、ほしいと思っていたものがどうでもよくなる。そして不思議なことに、どうでもよくなったときに、ほしかったものがすんなりと手に入ったりする。

もしかしたら、「幸せ」って何かを付け足すことじゃなくて、いらないものを取ることなのかもしれないなぁ。いらないものが取れたら、すんなりうまくいくようになってる。面白い世界。

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そして、味わいたいと思ってるのは
いい気分だけじゃないのかもしれない。
落ち込んだり悩んだり、そういう感情も含めて全部を味わうために人間として生まれてきたんじゃないかな。こんなに色んな感情を味わえるのは、人間だけの特権だから。



好きな言葉がある。

「人間は死ぬと分かってるのに、なぜ生きるのか」は「帰ると分かってるのに、なぜディズニーランドに行くのか」というのと同じ

何かを成し遂げなきゃとか、何者かになろうとして1番大事なことを見失いたくないな。
私たち人間はきっとディズニーランドに行く感覚で地球に遊びに来たんだから。

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ただこの日々を味わうためだけに生まれてきた。

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