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【三重県教育委員会】ルーブリック研修で教員の評価力向上! 三重県教育委員会が取り組む教育改革

2024年12月6日(金)エデュテクノロジーとダイワボウ情報システム(株)は、三重県教育委員会にて、文部科学省が推進する「ルーブリック」に関する研修を開催しました。

◾️研修概要
参加者:三重県内の県立高校の先生方
開催形式:対面

弊社の髙木俊輔が講師を担当し、「評価を使って学びを支援!ゼロから学ぶ評価理論と実践」をテーマに、教育現場における評価のあり方を再考する内容をお伝えさせていただきました。

本記事では、本研修の開催背景や意義について、三重県教育委員会の齋藤直樹先生へのインタビューとともに、ご紹介していきます!


開催背景

エデュテクノロジーとダイワボウ情報システム(株)は、三重県教育委員会の「マイスター・ハイスクール普及促進事業」連携体制強化型「とびだせ!はばたけ!みえふくっ子!~みえの次代を担う福祉系人材の育成~」事業の支援を行なっております。

今回、その支援の一環として「評価を使って学びを支援!ゼロから学ぶ評価理論と実践」研修をご提供をさせていただきました。

評価の本質を見つめ直し、
教育の質向上を目指す研修を実施!

文部科学省が推進する「ルーブリック」は、従来のペーパーテストによる偏った評価とは異なり、事前に設定した規準を基に学習者の達成度を評価する新しい手法のひとつ。この手法は、高い透明性と公平性を確保できるだけでなく、ペーパーテストでは測定できない個々の能力や努力を評価したり、評価を通じて学習者の学びをガイドすることができる点で注目されています。

しかし、教育現場ではこのルーブリックを効果的に導入するための課題が残っています。特に、評価規準の策定や実践例の不足が大きな壁となっているのが現状です。このような課題を解決するため、「評価理論の基礎から実践まで」を学ぶ研修が開催されました。

県内から集まった参加者の多くは高校教諭で、特に教務主任が中心となりました。生徒のモチベーション向上や学びの質を高めるための新たなアイデアを得る場となるよう、本研修では、教育評価の基礎理論からルーブリックの作成と実践的な活用方法までを学べる内容を展開しました。

教育現場で実際に使われるデジタルとアナログの双方を織り交ぜて行われる

明確な学習目標を示すルーブリックが
生徒の道しるべとなり、意欲と学力を高める

「評価を使って学びを支援!ゼロから学ぶ評価理論と実践」研修では、「評価とは何か」といった基礎理論、評価手法、さらに文部科学省が推進するルーブリックの概要や作成のポイントについて詳しく解説が行われます。また、座学だけでなく、参加者同士のディスカッションやグループワークを多く取り入れることで、受講した教諭たちが主体性を持って学べる環境が整えられているのも大きな特長です。教育現場で活躍する教諭ならではの視点から、これまでの評価に対する考え方や現場での実践例、今後の評価について熱い議論が交わされました。また、ルーブリックの評価規準作成に取り組んだり、例題を用いて実際に評価を行ったりと、実践的なトレーニングの実施により、充実した内容で参加者の学びをより深めました。

本研修の参加者からは、「従来の評価方法の長所と課題を理解する良い機会になった」、「具体的な事例やエビデンスに基づいた説明が分かりやすかった」などの声が寄せられ、研修は盛況のうちに終了しました。

県内の学校から集まった先生方が学校の垣根を越え、
学びの質を高めるため熱い議論を交わす場面も

教育現場におけるDX推進と
評価規準の革新が生徒の学びを変革する

三重県教育委員会指導主事の齋藤直樹先生は、県立高校教諭を対象とした本研修の狙いについて次のように語ります。「評価を単なる数値化にとどめるのではなく、評価を通じて学習者である生徒の学びそのものを変革したいという想いが込められています。」

情報の教科担当として教鞭をとっていた齋藤先生が本研修と出会ったのは、約2年前。経済産業省への出向で東京に赴任していた際、隣県で開催されていた同研修を受講したのが始まりでした。「従来は1から5といった単純な数値で評価を行っていました。しかし、評価を通じて先生方の指導を変革し、改善することで、生徒たちの学びをより深いものにしていきたいと考えていた折に、この研修に出会いました。評価の理論やルーブリックの概要とポイントを学び、さらに実践を交えた講義がとても印象的でした。デジタルとアナログ、教育現場で使われている双方を巧みに織り交ぜて行われる髙木先生の研修の進め方も素晴らしかったですね」と齋藤先生は当時を振り返ります。自身が感銘を受けた体験を三重県の教諭たちと共有し、それを通じて生徒の学びに結びつけたい。その強い想いが、本研修の開講へと繋がっています。

「生徒の学びを深めたい」という強い想いから本講座の開講に至ったという齋藤先生

外部の知見を取り込むことで
現場が抱える課題の克服や改善を図る

齋藤先生は、教育現場で「評価の変革」が重要視される一方で、依然として多くの課題が存在していると指摘します。例えば、学習指導要領で採用されている三観点評価の中でも、「主体的に学習に取り組む態度」の評価規準が曖昧で、具体的な指標を設定するのに苦労するケースが少なくないといいます。また、県教育委員会としてこれまで研修を実施してきたものの、理論の説明や学習指導要領の解説に終始することが多く、十分に現場に伝わらなかった部分があったのではないかと振り返ります。「一方で、髙木先生の研修は、理論をエビデンスに基づいて丁寧に説明するだけでなく、受講者が実際に手を動かしてルーブリックを作成するなど、理論と実践の両面をバランスよく取り入れている点が非常に優れています」と齋藤先生は語ります。また、本研修の受講者には、教育課程や評価について日々考えている教務主任も多く含まれています。彼らが学んだ内容を学校に持ち帰り、現場で実践してくれることは非常にありがたく、それが研修を開いた狙いのひとつでもあるといいます。「受講者が研修で学んだ内容を学校に広め、そこからさらなる波及効果が生まれることを期待しています」と、齋藤先生は研修を通じて得られる効果についても語りました。

また、評価方法の策定について齋藤先生はこう述べます。「多くの学校で自前主義的に行われることが一般的です。しかし、エデュテクノロジーのような専門的な知見を持つ企業や専門家、さらには大学と連携することで、学びをより革新的に変えていくことが可能だと考えます。教育現場で働く先生方は日々多忙を極めています。だからこそ、外部の専門家の力を借りて、共に教育を変革していきたいと思っています」と、外部との連携を通じた教育の未来への期待を込め締めくくりました。

講師のご紹介

髙木 俊輔(たかぎ しゅんすけ)

神奈川県の私立中高にて教員として13年間勤務した後、渡豪し、教育評価について専門的に学ぶ。メルボルン大学教育学大学院修士課程教育評価専攻修了。現在は私立中高一貫校で教諭として働くかたわら、アセスメント・デザイナーとして教育評価についての研修や、企業の教育プログラムに関わる評価制度の監修などを行なっている。Google for Education 認定トレーナーとしても活動中。共著書に『エンゲージメント×英語授業 「やる気」と「意欲」を引き出す授業のつくり方』(明治図書)。

〜講師より〜
 教員として勤務していた当時、生徒の学習に対する「評価」は常に私にとって悩みの種でした。その重要性を認識しつつも、如何に評価基準を設定するのか、また学習者の学習をどのように評価し、フィードバックすれば良いのかについて具体的な知識もなく、十分に活用することができていませんでした。
 本研修は、かつての私のように評価に頭を悩ませている先生方が、より自信を持って評価に取り組むことができるように、評価理論と実践をつなげていくことを目的としています。単に海外の教育評価理論を説明するのではなく、日本の学校現場でのニーズに基づいてデザインした研修を通じて、「評価を通じて学習者を支援する」方法をご紹介してまいります。

お申し込みについて

「評価を使って学びを支援!ゼロから学ぶ評価理論と実践」のお申し込みは、電話またはメールにてお気軽にお問い合わせください。
📞電話 : 03-5953-7820 📩メール:contact@edutechnology.co.jp

また、いつでもどこでも受講が可能なオンライン講座もご用意しています。

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