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先生方必見!文科省「生成AIガイドライン」を分かりやすく解説&活用法をご紹介!

文部科学省は、令和6年12月26日に「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドラインVer.2.0」を発表しました。このガイドラインは、生成AIが急速に普及する中で、教育現場におけるその適切な利用を促進することを目的としています。

生成AIって何?学校でどう使うの?と疑問に思っている先生も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、このガイドラインの重要ポイントを分かりやすく解説し、先生方の働き方改革や児童生徒の学びを深める具体的な活用方法をご紹介します。


ガイドライン策定の背景

生成AIは、教育分野でも多様な利活用が期待されていますが、一方で、差別、偏見、環境負荷などの倫理的・社会的な問題、セキュリティ確保などの技術的な問題、具体的な取扱いの問題など、様々な課題も指摘されています。

このガイドラインは、学校現場が混乱することなく、学習指導要領に示す資質・能力の育成に向けて適切に生成AIと向き合い、利活用できるようにするために策定されました。

ガイドラインのポイント

ガイドラインは、生成AIの概要と基本的な考え方を示し、教職員、児童生徒、教育委員会といった主体別に、生成AIの利活用における留意点を具体的に示しています。

1.  生成AIとは❓

生成AIは、文章、画像、プログラムなどを生成できるAIの総称です。
例えば、

  • 文章作成: メールやレポートの作成、文章の要約、翻訳など

  • 画像生成: 写真やイラストの作成、画像の編集など

  • 音楽生成: 作曲、編曲など

幅広い分野で活用が期待されています。教育現場でも、個別最適化された学習や、多角的な視点からの学びを深めるなどの利活用が期待されます。

2. 基本的な考え方💬

  • 人間中心の原則:AIは人間の能力を拡張し、多様な幸せの追求を可能とするために活用されるべきです。生成AIの出力はあくまで参考情報であり、最終的な判断は人間が行う必要があります。

  • 情報活用能力の育成:情報活用能力は、情報を主体的に捉え、活用するために必要な資質・能力です。生成AIの急速な進化を踏まえ、情報モラルを含めた情報活用能力の育成が重要です。

3. 学校現場において押さえておくべきポイント✅

ガイドラインでは、学校現場で生成AIを活用する際のポイントとして、以下の5つが挙げられています。

1️⃣ 安全性を考慮した適正利用:関係法令を遵守し、開発者や提供者の想定する範囲内で生成AIサービスを適正に利用する。

人間中心の原則に基づき生成 AI の利活用に関するリスクに対応するためには、関係法令を遵守した利用を前提とし、開発者や提供者の想定する範囲内での適正な利活用を行うことが重要である。具体的には、年齢制限や保護者の同意の必要性、生成物のライセンスの所在など、生成 AI サービスの提供者が定める最新の利用規約を確認し、遵守する必要がある。

2️⃣ 情報セキュリティの確保:学校の実態に即した教育情報セキュリティポリシーの策定・見直しを行い、教育情報セキュリティポリシーを遵守する。

学校で安全に生成 AI を利活用するためには、情報セキュリティの確保が重要である。文部科学省が策定する最新の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を参考にしながら、教育委員会は、学校の実態に即した教育情報セキュリティポリシー等の策定・必要に応じた見直しを行い、教育委員会・学校現場においてはそれらを遵守する必要がある。

3️⃣ 個人情報やプライバシー、著作権の保護:個人情報や著作権を侵害しないように気を付ける。

学校での適切な情報の取扱いの観点では、プライバシーを尊重し個人の権利利益を保護するため、個人情報保護法等の関係法令等を遵守する必要がある。また、生成 AI サービスの利活用時には、意図せず他人の著作権を侵害してしまわないように、生成 AI と著作権制度について正しく理解する必要がある。

4️⃣ 公平性の確保: 特定の個人や集団に対する差別や偏見が生じないように配慮する。

特定の個人ないし集団への人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教等の多様な背景を理由とした不当で有害な偏見及び差別が生じることを避けるため、生成 AI の学習データや入力するプロンプト、連携する外部サービス等によってバイアスが含まれ得ることに留意し、公平性を欠くことがないよう、人間の判断を介在させる必要がある。

5️⃣ 透明性の確保、関係者への説明責任: 生成AIサービスの利用目的やリスクについて、関係者に情報提供する。

生成 AI サービスの利用目的やその態様、リスク等の必要な情報を整理し、関係者に提供することが重要である。各地域や学校の実態を踏まえ、必要に応じて教職員や児童生徒、保護者等への説明の機会や問合せの窓口を設けることも考えられる。

4. 先生方の働き方改革に!校務での生成AI活用術👩‍💻

生成AIは、先生方の業務効率化にも役立ちます。授業準備、部活動、生徒指導、教務管理、情報発信、校内研修、外部対応などの場面で活用できます。
例えば、

  • 授業準備:

    • 授業計画の作成

    • 教材作成の補助

    • 評価問題の作成

    • 補助資料の作成

  • 校務:

    • 各種文書作成の補助

    • 学校だよりやお知らせの作成

    • アンケート集計

    • 翻訳

    • 情報収集

など、さまざまな業務を効率化することができます。ただし、生成AIの出力はあくまで参考情報として、教職員が最終的な判断を行うことが重要です。

5. 児童生徒の学びを深める!学習活動での生成AI活用術📚

生成AIは、児童生徒の学びを深めるツールとしても活用できます。生成AI自体を学ぶ、使い方を学ぶ、各教科等の学びで活用する場面があります。
例えば、

  • 情報モラル教育: 生成AIの仕組みやリスクを理解し、適切な使い方を学びます。

  • 外国語学習: 英会話の練習相手として活用したり、より自然な表現を学ぶことができます。

  • プログラミング学習: プログラム作成の補助として活用することができます。

  • 探求的な学習: 情報収集や分析、発表資料の作成などに活用することができます。

ただし、生成AIは、必ずしも正しい情報や適切な表現を生成するとは限りません。生成AIに頼りすぎると、自分で考える力が育たない可能性があります。発達の段階や情報活用能力に応じて、適切な指導の下で利用する必要があります。
そのため、生成AIを使う際は、以下の点に注意することが大切です。

  • 生成AIが出力した情報は、必ず確認し、必要があれば修正すること

  • 生成AIに頼りすぎず、自分の頭で考えること

  • 生成AIの使い方を学び、適切に活用すること

6. 教育委員会等が押さえておくべきポイント🏫

  • 教育委員会は、制度設計や利活用の方向性を示すなど、主導的な役割を果たすことが重要です。

  • 教職員の研修や、学校現場への情報提供などを通じて、生成AIの適切な利活用を推進する必要があります。

まとめ

生成AIは、教育現場に大きな変化をもたらす可能性を秘めた技術です。同時に様々なリスクも存在します。文部科学省のガイドラインを参考に、生成AIを適切に活用することで、先生方の働き方改革や児童生徒の学びを深めることができるでしょう。
教育現場における生成AIの利活用が、教育の質の向上と、児童生徒の資質・能力の育成に繋がるよう、期待が高まります!

参考資料:文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン」

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