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実習訪問

2024年9月24日(火)に実習訪問により中学校を訪れた。
授業実践コースの院生の副指導教員となっているためである。

今回は,授業を参観させていただいた。
中学校の道徳ということでこれまであまり参観する機会がなかったので楽しみにしていた。

院生はコールバーグの理論を基盤として,道徳科の授業に討論を組み込んだ実践を行っていた。
討論テーマに対する意見の近い生徒でグルーピングをし,意見交流を図ってから,他の意見のグループと質疑応答を繰り返しながら深めていくという流れだった。
さらに,教材はテーマ設定くらいの活用に留め,いわゆる「教材から出る」ことで自分事として考えられるようにしていたことも特徴的である。
全員参加を意図しているように感じた。

私からは次の2点を指摘させていただいた。

➀主題に迫れていたか
道徳授業において一番重要なのは「主題」である。
主題に迫るために中心発問や授業方法があるのである。
主題に迫っていたかどうかは,振り返りで判断できると考えている。
振り返りが書けているということは,子どもの中にある程度落ちていると考えられる。
よくあることだが,方法に着目するがあまり,道徳科授業本来の意図を見失うのである。
授業ができるのではなく,授業で子どもの学びが成長につながらないと意味がないわけである。

②学級づくりができていたか
これは中学校においてはなかなか難しいところであると分かった上で指摘させていただいた。
小学校のように学級担任制であれば,やりやすいのは当然である。
さらに小学校では,学級づくりが土台でないと授業ができない部分もある。私の場合は,授業で学級づくりをしていたところはあるが。
そもそも,道徳科授業ができるようにする土壌づくりがいるのである。
土壌を育てていきながら,道徳的場面や事象に引っかかる子どもにしていかないといけない。
その部分でまだ十分な土壌ができていなかったように感じられた。
院生としての勤務校での実習であり,十分に子どもと文脈を気付いていきにくいところはあることはわかっている。
ただ,それを踏まえた道徳科授業づくりが必要なのである。
「しょうがない」で済ませてはいけないのである。
中学校であれが,学級づくりだけでなく,学校づくりで土壌づくりができそうな気がしている。
(中学校の教員の現実を知っているのでなかなか難しいのはわかっているが)

会議の中では,実践を踏まえて,院生本人から
本当の意味での自分の課題やどのような道徳科の授業がしたいのかという思いが語られていた。
ここからさらに研究と実践を進めていってほしい。
次回の訪問が楽しみである。


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