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皆知らない「税」の役割①/お金の新常識#3
はじめに
これまでに、公教育をはじめ、公共事業というものは赤字でなければならないということを主張してきました。
それはそうだとしても、常識的に考えれば、その赤字を補うために「増税」が必要になるのでは?という次なる課題が頭をもたげます。
(「増税」で補填してしまうと、「赤字」ではなくなるのですが)
そこで今回からは、まだまだ一般的には理解されていない「税」の本当の役割について、お話ししたいと思います。
ここから、「お金」の本質的な理解への山場となってきます。公教育と我が国の未来を救うため、何とぞお付き合いください。
「常識」
「公教育に予算を使いたいならば、国民から税金を集めなければならない」
これは一般的な理解ですし、もはや疑う余地のない「摂理」のように思えます。
しかしここで、いつもの如く『評価主義エピステモロジー』の力を発揮し、
「そもそも本当にそうなのだろうか?」という問いを立ててみましょう。
「お金」の発行者
お金を発行するのは、その国の政府です。
(※厳密には、中央政府と中央銀行との間でのやり取りを挟みますが、そこまで踏み込んだ話は別の機会にいたします。)
それならば、
「税金を徴収して、支出に充てる」こと、
つまり、
『お金を発行する張本人である政府が、
国民のサイフから、自分が発行したお金を「税」として徴収しないと、支出がおこなえない』
というのは、矛盾がないでしょうか?
建国1日目の「税」
さらに具体的に考えてみましょう。
今日、ある国家が新たに成立したとします。通貨の単位は「ペスタ」ということにしましょう。
(教育者らしく、「隠者の夕暮れ」のヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチからインスパイアを得た、ということにしておいてください。)
さて建国1日目の政府が、国民のために道路や学校、その他のインフラを整備します。
そのため政府は、
「つきましては、みなさんのおサイフから、100ペスタずつ徴収いたします。」
と宣言しました。
そのとき国民は、
「ペスタって何!?そんなの持ってません!」
とならないでしょうか?
つまり、
まだ一度も発行されたことのない「お金」を徴収することはできないはずなのです。
ということは、「税」の在り方を、次のように考える必要があります。
政府は、
✕ まず国民から「税」を集めて、それを原資として「支出」を行う
のではなく、
◯ まず「支出」を行って、あとから「税」によって回収している
これは私たちの日常的な貨幣感覚と逆行する理屈ですが、そうでなくては説明がつきません。
そうだとすれば、「お金」や「税」とは一体、どんな仕組みになっているのでしょうか?
その中身は、次回に続きます。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。