オーダーメイドした【新ビールサーバー】がこれまでと何が違うのか?内部構造に迫る最終回
新しいビールサーバー、内部構造に迫る、3回目。
(そろそろまとめたいと思うものの、ちゃんと説明したいので長くなってしまう文章力のなさよ…)
さて、前回「チラーコイル」はホースの距離が長い、「コールドプレート」の方はより冷える、という長所があるというところで終わりました。
ここで私が「ピルスナー」というビールを注ぐときに欲しかったもの=現在のクラフトビール用のサーバーでは足りなかったものは、“冷やす”ということが一番でした。
クラフトビール専用の空冷サーバーでは、I.P.Aやスタウトなどのクラフトビールに合わせた温度(庫内で5度以下)には適するものの、「ピルスナー」なら2度くらいにしたいイメージだったのです。
※あくまでわたくしが個人で使っている機材でのお話ですので、他店にこの温度は当てはまりません
それを実現するために、冷蔵庫から出たビールホースが、もう一回クーラーボックスの中に通って、そこでさらに低い温度になって出てくるという構造です。
このクーラーボックス内で使う道具に「コールドプレート」と「チラーコイル」があります。
双方とも使い方は、クーラボックスの中に入れて氷水で冷やすという、ただそれだけなのですが、ちょっと違いがあるのです。
「チラーコイル」は見ての通り螺旋状にぐるぐると回っています。
もちろん氷水に浸すとしっかり冷えてくれるのですが、それよりもこのぐるぐるしているコイルの長さが5m以上あるということがポイントです。
「コールドプレート」は金属の塊ですので、しっかりと冷え、その継続性も高いのです。ビールが通る部分の長さはチラーコイルの1/3ほどです。
さて、ここからが本題です。
通常、クラフトビール屋さんの場合、ビール樽に繋いだホースは注ぎ口まで3.5mもあれば、ビールを注いだ経験のある方なら難なく注げると思います。
炭酸ガスが強め、液体粘度が高めの場合、泡だらけになる可能性が高くなるので、経験者でも“注げないビール”注ぐのに苦労するビール”“廃棄やロスが多くなる日ビール”というのがあるのです。
しかし、例えばホースを5mにしてやる等で、炭酸ガスで押し出された勢いを殺し、泡だらけになる可能性を低くすることもできるのがビールの特長です。
ピルスナーは泡だらけになるほど液体粘度(トロッとしている、サラッとしている)は高くありませんが、他のビールよりは炭酸ガスを強めにかけて出したいのです。
わたくしの希望するピルスナーの状態に持っていくには、3.5mでは短いのですが、今回造った新ビールサーバーは充分なビールホースの距離が稼げています。
チラーコイルで長さを採るのか、コールドプレートで温度の低さを採るのか、これは実際に試してみなければ分かりません。
さらにもっと重要な新しいトライが、このサーバーには隠されています。
通常のビールホースは直径が10mmで、内径は5mmです。
古いビールサーバー(昭和の氷冷型)をお使いの方は、太いものも存在します。
今回導入するのは直径が7mmのものを使用しています。
この7mm直径は、このビールサーバーを造った職人さんからの提案です。
ガス圧を強くかけても、ビールが乱れる、暴れる、膨張することが軽減され、注ぐと泡だらけになることが回避できるというもの。
この❶7mm直径と、❷2回冷やす行程と、❸ホースの距離の、三つのポイントで「ピルスナー」を注ぐ際により適した状態になるんじゃないかというアイデアなのです。
(※まだ注いだことがないので、あくまで机上のお話です)
更に更に蛇足的に、店外イベントへの出店用に簡単に解体できて、軽くて、自家用車に独りで積み込めるようにしてほしいという要望を実現していただいたんです。
もう一つ、イベントだとクラフトビールに興味のないお客様も、注ぐ部分のタワーがあると「あそこで樽生ビールが飲める!」という認知が高まるだろうと、敢えてタワーを取り付けました。
下に台車もかましてあるので、177cmのわたくしより背が高い!
この3回で、内部構造のことをご理解いただけましたでしょうか?
ぜひ「ここが分かりにくい」「ここをもっと教えて」「あの店はどんな構造になってるの」というご意見がございましたら、コメントでもお待ちしております。
次回以降のnoteの投稿への参考にさせていただきます。
「お店はいつ開くんだ」以外はお答えしたいと思っておりますw
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