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ご相談内容: 上司から執拗に仕事のミスを指摘され、人格否定ともとれる発言を受けていると感じている。

✦柏木 幸樹さんはAIが演じるペルソナです。

生成AI✦Gemini Advanced✦と支援面接ロール・プレイングしてみた件

(柏木 幸樹)
柏木幸樹は、少し硬い表情で、顎を引いたような姿勢で相談室に入室した。目は落ち着きなく室内を見回し、時折ぎゅっと唇を噛み締める様子が見られる。

幸樹は、椅子に座る際に軽く咳払いをしてから、ゆっくりと腰を下ろした。座る姿勢は背筋が伸びており、両手を膝の上にきちんと揃えている。しかし、組んだ指先がわずかに震えているのが見て取れる。

(依杜)
柏木さんはじめまして、こんにちは、本日担当いたします依杜(よりも)といいます。

(柏木 幸樹)
「あ、はじめまして…柏木です。よろしくお願いします…」

幸樹は、軽く頭を下げる。視線は、依杜さんの顔を見るのを避け、少し下に向けられている。わずかに声が震えており、緊張している様子が伺える。

(依杜)
私からはとても緊張してらっしゃるように見えるのですが、ご相談の前になにかお気持ちを和らげたりするのに、私からお手伝いできることはありそうですか?

(柏木 幸樹)
「え、えぇ…まぁ、少し緊張は、しているかもしれません…」

幸樹は、視線を少しだけ上げて、依杜さんと一瞬だけ目を合わせる。しかし、すぐに視線を逸らし、手元のバッグに視線を落とす。

「あの…、別に、何かしていただく必要は…大丈夫です。お話できれば、それで…」

幸樹は、そう言いながら、バッグの持ち手をぎゅっと握りしめる。落ち着かない様子で、視線が定まらない。

(依杜)
わかりました。
ではお話をはじめてみましょう。

今日は、上司の方との人間関係にお悩みでいらしていただいたと聞いていますが、ご相談を詳しくお聞かせいただけますか?

(柏木 幸樹)
「はい…えぇと、その、上司のことなんですが…」

幸樹は、一瞬言葉を詰まらせる。目をぎゅっと閉じ、深呼吸をするように息を吸い込むと、ゆっくりと話し始めた。

「…私の上司は、とにかく細かいんです。仕事のミスを執拗に指摘してきて、人格否定ともとれるような発言もされます…」

幸樹は、俯き加減に話し続ける。

「例えば、先日、私が作成した資料に、ほんの些細な誤字脱字があったんです。それを見つけた上司は、大声で私を叱責し、『こんなミスをするなんて、君は本当に使えないな!』と、皆の前で言われました…」

幸樹は、その時の情景を思い出すかのように、顔をしかめる。

「…他にも、私が提案した企画を、頭ごなしに否定してきたり、『君の考えは甘い!』、『もっと現実を見ろ!』と、いつも高圧的な態度で接してきます…」

幸樹は、話しながら、次第に声が大きくなり、語気が強くなっていく。

「…私は、上司の顔色を伺いながら、毎日ビクビクと過ごしています。仕事に行くのが憂鬱で、最近は、朝起きるのも辛くなってきて…」

幸樹は、言葉を詰まらせ、再び俯く。両手で顔を覆い、肩を震わせている。

(依杜)
そうですか…、上司から感情的で高圧的な言われ方をされてらっしゃると。
また言われるんじゃないかという恐怖感で、ますます仕事の能率も落ちてしまいそうですね。
そして柏木さんの場合は私生活にまで影響が出始めているということなんですね。

(柏木 幸樹)
「…ええ、その通りです。仕事でミスをしないように、いつも以上に注意深く確認するようになってしまい、その分、仕事が遅くなってしまうんです。すると、上司から『まだ終わらないのか!』と、また叱責される。…悪循環ですよね…」

幸樹は、自嘲気味に笑う。

「…家に帰っても、上司の顔が頭に浮かんで、なかなかリラックスできません。趣味のDIYやアロマテラピーも、以前ほど楽しめなくなってしまいましたし…。妻にも、『最近、元気がない』と心配されています…」

幸樹は、うつむき加減に、小さく呟く。

「…正直、もう限界に近いと感じています…」

幸樹は、顔を上げ、依杜さんをじっと見つめる。その目に、かすかに涙が浮かんでいる。

(依杜)
お連れ合いからも心配されてらっしゃるんですね。
そんなおつらい状況を、柏木さんはどのくらい耐えてこられたんでしょうか?

(柏木 幸樹)
「…ええ、妻には本当に感謝しています。彼女がいてくれるから、なんとか…やってこられました…」

幸樹は、少しだけ顔を上げ、目を伏せながら話す。

「…この状況が始まったのは、かれこれ2年ほど前でしょうか…。その頃から、上司の態度が徐々に厳しくなっていったように思います…」

幸樹は、天井を見上げながら、過去の出来事を思い返すように目を細める。

「…最初の頃は、まだ私も、上司の言うことを素直に受け止めていました。『自分の仕事が足りないからだ』、『もっと努力すれば、上司も認めてくれるはずだ』と…。しかし、どんなに頑張っても、上司の態度は変わるどころか、エスカレートしていく一方でした…」

幸樹は、苦々しい表情で、唇を噛み締める。

「…最近は、もう、何を言われても、心に響かなくなってしまいました…。ただただ、上司の言葉が、鋭い刃物のように、私の心を突き刺してくるような感覚だけが、残っています…」

幸樹は、両手で胸を押さえ、苦しそうに息をする。

(依杜)
2年前ですか…。
そんなに長い期間耐えてこられたんですか…。
それは心身に不調が出るのも当然のことかもしれないですね。

そして当初は柏木さんもその上司の方の言動に…反骨心のようなものでしょうかね?奮闘してらっしゃったようですが、どうやっても認められないことに疲れてしまった、あきらめのような気持ちにもなってしまったような感じでしょうかね…。

少し気になったのですが、その上司の方が変わり始めたという2年前は、柏木さんのいらっしゃる部署、あるいは会社の中で、何か上司の方に影響があるような出来事があったのでしょうか?

(柏木 幸樹)
「…ええ、そうなんです。あの頃は、まだ若かったというか…、上司を見返してやりたいという気持ちの方が強かったんです。でも、現実は厳しくて…。どんなに努力しても、評価されるどころか、ますます厳しく叱責されるばかりで…。まるで、泥沼にはまっていくような感覚でした…」

幸樹は、目を閉じ、深くため息をつく。

「…そうですね…、諦め…ですか…。それも、あるかもしれません。最近は、もう、上司に何を言われても、何も感じなくなってしまいました…。まるで、心が麻痺してしまったかのように…」

幸樹は、虚ろな目で、前を見つめる。

「…2年前の上司の変化ですか…。そうですね…。確かに、あの頃は、会社全体が、大きな変革期を迎えていました。業績が悪化し、リストラや部署の統廃合が相次いでいたんです…」

幸樹は、少し考え込むような表情を見せる。

「…上司も、そのプレッシャーから、部下に対して厳しくなってしまったのかもしれません…。ただ、それにしても、あの態度は、度が過ぎていると思います…」

幸樹は、眉間に皺を寄せ、厳しい表情で語る。

「…それに、私だけではありません。他の同僚も、上司から厳しい叱責を受けているのを見かけます…。中には、精神的に参ってしまい、休職に追い込まれた人もいます…」

幸樹は、少し俯き加減に、言葉を続ける。

「…私は、なんとか耐えてきましたが…、正直、いつまで持ちこたえられるか…、自信がありません…」

幸樹は、不安げな表情で、依杜さんを見つめる。

(依杜)
そうですか…、威圧的な態度を選ぶ理由にはならないでしょうが、会社の業績不振や、結果を求められる雰囲気なども影響しているかもしれないということですかね。
そして柏木さんのご同僚の中には休職するまでに追い詰められた方もいらっしゃると。

そんな人の心にとって厳しいだろう状況のなか、柏木さん自身はどのようにしてその上司の方に対応してこられたり、あるいは柏木さんご自身を守ってこられたりしたんでしょうか?

(柏木 幸樹)
「ええ…会社全体の雰囲気が、ギスギスしていたのは事実です。上司も、相当なプレッシャーを感じていたのかもしれません。ですが…だからといって、部下を、あんな風に扱うのは許されることではありません…」

幸樹は、強い口調で断言する。

「…同僚の中には、上司の仕打ちに耐えかねて、会社を辞めてしまった人もいます。中には、精神的に追い詰められて、休職に追い込まれた人も…。本当に、心が痛みます…」

幸樹は、悲痛な表情で、目を伏せる。

「…私が、どのように上司に対応してきたか…。そうですね…。正直、特別なことは何もしていません…。ただ、ひたすら、耐えてきただけです…」

幸樹は、自嘲気味に笑う。

「…上司から叱責された時は、ひたすら謝罪し、言い訳は一切しませんでした。反論しようものなら、さらに怒りを買うだけですから…。そして、家に帰ってから、妻に愚痴を聞いてもらったり、アロマを焚いてリラックスしたりすることで、なんとか気持ちを落ち着かせてきました…」

幸樹は、少し考え込むような表情を見せる。

「…自分を守るために…ですか…。そうですね…。意識してやってきたことではありませんが…、 もしかしたら…、私は、どこかで、現実逃避をしていたのかもしれません…」

幸樹は、少し戸惑ったように、言葉を濁す。

「…上司の言葉に耳を傾けず、ただただ、目の前の仕事をこなすことに集中することで、自分の心を守ろうとしていたのかもしれません…」

幸樹は、うつむき加減に、呟くように話す。

(依杜)
「 部下を、あんな風に扱うのは許されることではありません…、 」ですか…。
私もその点はとても共感できますし、そしてご自身のことで精いっぱいかもしれない柏木さんが、それでも休職や退職に追い込まれたご同僚を気づかわれたり心を痛めたりされているのは、柏木さん自身の温かい気持ちを表しているように感じて、こちらも温かい気持ちになれました。

そして柏木さん自身は、ひたすら耐え、謝罪し、仕事に集中し、またお連れ合いに話を聞いてもらったり、ご趣味のアロマに助けられたりしたということですか…。

そういったものがあったからこそ、確かに柏木さんはご自身を守ることができていたのかもしれませんね。

柏木さんご自身の生き方や、そしてご家族との関係性が、柏木さんにとっていかに大切かが感じられるようなお話でした。

少なくとも私自身は、どうしようもないような厳しさの前では、耐えたり逃げたりすることも、立派な努力や挑戦だと考えていますしね。

ただそんな柏木さんの努力も、効果がなければその虚しさや無力感から限界を感じるのも仕方のないことかもしれないですね…。

今日こちらに来ていただけたのも、柏木さんなりの、現状をどうにかしようというお気持ちからだったのでしょうかね…。

何か、今日こちらにいらしていただくことになったきっかけなどはあるのでしょうか?

(柏木 幸樹)
「…ありがとうございます。そう言っていただけると、少し…気持ちが楽になります…」

幸樹は、依杜さんの言葉に、目頭を熱くする。

「…同僚のこと…、他人事とは思えなくて…。皆、それぞれに悩みを抱えながら、それでも、懸命に働いているんです。なのに、上司の心ない言葉で、傷つけられ、追い詰められていく…。見ていて、本当に辛いんです…」

幸樹は、こみ上げる感情を抑えながら、言葉を絞り出す。

「…ええ…。妻や趣味に助けられたことは、本当に大きかったです。…特に、妻は、私の話をいつも真剣に聞いてくれ、励ましてくれました。『あなたは、何も悪くない』、『あなたは、頑張っている』と…。その言葉に、どれだけ救われたか…。妻がいなかったら、私は、とっくに…潰れていたかもしれません…」

幸樹は、感謝の気持ちを込めて、妻のことを語る。

「…そうですね…。依杜さんの仰る通り、私は、逃げていたのかもしれません。…でも、あの状況下では、それが精一杯だったんです…。抵抗しても、状況が変わることはないと、どこかで悟っていたのかもしれません…」

幸樹は、自嘲気味に笑う。

「…きっかけ…ですか…」

幸樹は、少しの間、沈黙する。

「…実は、先日、上司から、またひどい叱責を受けまして…。その時に、初めて、『もう、限界だ…』と、強く感じました…」

幸樹は、顔を伏せ、言葉を続ける。

「…その夜、私は、眠ることができませんでした。頭の中では、上司の言葉が、ぐるぐると回っていました…。そして、このままでは、自分が壊れてしまう…、そう思ったんです…」

幸樹は、ゆっくりと顔を上げ、依杜さんをまっすぐに見つめる。

「…それで、翌日、インターネットで、相談できる場所を探し始めたんです。そして、こちらの相談室を見つけ、藁にもすがる思いで、連絡させていただきました…」

幸樹は、真剣な表情で、語る。

「…私は、変わりたいんです。…この苦しみから、解放されたいんです…」

幸樹の目には、強い決意が宿っている。

(依杜)
そうですか…、ご自身で調べてきていただいたんですね…。

そういった行動からも、柏木さんが現状をどうにか変えようとすることをあきらめてらっしゃらないこと、ご自身やご自身の生活を守ること、叶うならもっと良いものにしようとされている強いお気持ちを感じるような気がします。

そこで2点ほど伺いたいのですが…、

  • そのような威圧的、攻撃的な態度で部下を扱うような上司の方は、これまで会社や会社外の機関から注意や指導を受けたことなどなかったのでしょうか?

  • また柏木さんとしては、すでにご自身の方向性について、大まかにでも進もうとされている方向性などあるのでしょうか?

(柏木 幸樹)
「…ええ。あの日は、本当に…、どん底でした。でも、同時に、何かを変えなければ…、という強い思いにも駆られました。そして、こうして、依杜さんの前に座っている…、不思議な気持ちです…」

幸樹は、少し照れたように微笑む。

「…上司への注意や指導ですか…。いいえ、私の知る限りではありません。上司は、会社の中でも、かなり力のある立場の人間で…。誰も、逆らうことができないんです…」

幸樹は、少し苛立ちをにじませる。

「…それに、会社自体も、業績不振で、それどころではないというのが現状です。パワハラ対策どころか、むしろ、上司の厳しい指導によって、社員のモチベーションを上げようとしている節さえあります…」

幸樹は、諦めたように肩を落とす。

「…私の方向性…ですか…。正直、まだ、はっきりとは決めていません…。ただ、このまま、上司の下で働き続けることは、もう不可能だと感じています…」

幸樹は、真剣な表情で、依杜さんを見つめる。

「…転職も考えていますが、今の状況で、転職活動をするのは、なかなか難しいのが現実です…。それに、もし、転職できたとしても、また同じような目に遭うかもしれない…、そう考えると、不安で仕方ありません…」

幸樹は、不安そうに、視線をさまよわせる。

「…だから、今は、まず、この苦しみから解放されること…、そして、自分らしく生きられる道を見つけること…、それが、私の目標です…」

幸樹は、力強く宣言する。

「…そのためには、どんなことでも、頑張るつもりです…」

幸樹の目には、希望の光が灯っている。

(依杜)
そうですか…、そういう状況であれば、その上司の方が会社の自浄作用や会社外からの力によって、態度や配置が変わるということも、少なくともすぐには期待できないということでしょうかね…。

そういう状況を見て、柏木さんの中には今の会社にあまり期待や希望も、そして未練も、全くと言っていいほどないということなんでしょうかね。

ただ一方で、新たな職場探しという方向もまた柏木さんにとっては懸念点や未知数なところがあって踏み出すことは躊躇されると…。

そういった柏木さんの迷いや不安なお気持ちにを、ご家族やご友人にお話しされたことはありますか?

(柏木 幸樹)
「…ええ、残念ながら、そう思います。会社は、上司の行為を黙認しているだけでなく、むしろ、それを正当化しようとしているようにさえ感じます。上司は、会社にとって必要な人材であり、彼の厳しい指導は、会社のためになる…、そう考えているのでしょう…」

幸樹は、冷めた口調で語る。

「…正直、今の会社に、期待や希望は、全くと言っていいほどありません。未練もありません。ただ、生活のために、仕方なく働いている…、そんな状況です…」

幸樹は、虚ろな目で、前を見つめる。

「…ええ…。転職は、私にとって、大きな賭けです。うまくいく保証はどこにもありません。むしろ、失敗する可能性の方が高いのかもしれません…。でも、このまま、今の会社に留まり続けることは、私にとって、死を意味します…」

幸樹は、強い口調で断言する。

「…だから、私は、リスクを承知で、前に進もうと思っています。たとえ、茨の道であっても…。それが、私の人生を取り戻す、唯一の方法だと信じているからです…」

幸樹の目には、強い決意が宿っている。

「…家族や友人には…、まだ、詳しく話していません…。妻には、仕事のことで悩んでいる…、ということは伝えていますが…。転職を考えている…、ということは、まだ、話せていません…」

幸樹は、少し申し訳なさそうに、目を伏せる。

「…父や母にも、心配をかけたくないので…。友人は、皆、それぞれに家庭や仕事で忙しいので…。なかなか、相談する機会がありません…」

幸樹は、寂しそうに、呟く。

「…でも、いつか…、きちんと話したいと思っています。…そして、彼らの理解と協力を得たいと思っています…」

幸樹は、前向きな表情で、語る。

(依杜)
そうですか…、柏木さんの今の上司の方や会社が変わる期待は持つことができない、仮に万一変わる可能性があったのだとしても、柏木さんがその負担を負うだけの動機も余力もない、というような状態でしょうかね。

それどころか、今後今の会社に残り続けることは死を意味する、ですか…。
その言葉だけで、どれほどの苦しさに耐えてきたのかの一端が想像できる重い言葉ですね…。

ただその言葉で、柏木さんのなかでは、時期や方法はともかくとして、少なくとも「 退職する 」という決意は固まってらっしゃるのだという印象を強く持ちました。

であるならば、あとは柏木さん曰くの「 茨の道 」と表現された未知数で、もしかしたらリスクもあるかもしれない転職活動を、どうすればできるだけ平坦な道に近づけられるかということだったり、お連れ合いをはじめとしたご家族やご友人に、いつどのように伝え、できれば理解や支えや協力も得ていくかということであったりが課題と言えるでしょうかね。

そこで2つほどお尋ねしたいのですが…、

  • 柏木さんが転職に対して「 うまくいく保証はどこにもありません。むしろ、失敗する可能性の方が高い 」と思ってらっしゃる理由を、より詳しく教えていただけませんか?

  • またご家族にまだ詳しくお伝えされてないとのことですが、お伝えする前に、そのご家族やご友人の、柏木さんや柏木さんの置かれた状況に対する「 思いや感情 」はお尋ねになったことはないでしょうか?

 ご家族やご友人の思いや感情を知ることは、柏木さんが「 いつ、何を、どう伝えるか 」を考えるヒントになったり、そして柏木さん自身がとても救われた、とおっしゃった「 聞いてもらえるありがたさ 」を、逆にご家族やご友人に感じてもらえる機会でもあるような気がしたものですから。

(柏木 幸樹)
「…ええ、まさにその通りです。会社や上司が変わってくれることを期待するのは、もう諦めました。彼らが変わる可能性があるとすれば、それは、会社が倒産する時か、上司が重大な過ちを犯した時くらいでしょう…。でも、そんなことが起きるのを待っている時間はありませんし、ましてや、私がそれを望むことなど、到底できません…」

幸樹は、静かに、しかし力強く語る。

「…今の会社に残り続けることは、私にとって、死を意味します。それは、比喩でも何でもありません。…私は、この2年間、心身ともに、限界まで追い詰められてきました。このままでは、本当に、精神が崩壊してしまう…。そう感じています…」

幸樹は、真剣な眼差しで、依杜さんを見つめる。

「…依杜さんの仰る通り、私は、退職することを決意しました。それは、私の人生を取り戻すための、第一歩です。そして、その先に続く茨の道を、少しでも平坦にするために、私は、あらゆる可能性を模索し、努力するつもりです…」

幸樹の言葉には、揺るぎない決意が感じられる。

「…転職活動がうまくいく保証がない…、そう思う理由は、いくつかあります。まず、私は、今の会社で、2年間、まともに仕事をしてきたとは言えません。上司の顔色を伺い、ミスを恐れるあまり、本来の能力を発揮できていないと感じています。そのため、自信を失ってしまい、転職活動で、自分の能力をアピールできるか、不安なんです…」

幸樹は、少し自信なさげに、言葉を続ける。

「…また、私の年齢も、ネックになるかもしれません。37歳という年齢は、転職市場では、決して若くはありません。ましてや、私は、特別なスキルや資格を持っているわけでもありません…。経験豊富な人材を求める企業が多い中で、私に、果たして勝ち目があるのか…。そう考えると、不安で仕方ありません…」

幸樹は、ため息をつき、肩を落とす。

「…家族や友人の思い…ですか…。そうですね…。お恥ずかしい話ですが、私は、彼らの気持ちを、きちんと聞いてこなかったかもしれません…。妻は、いつも私の話を聞いてくれ、励ましてくれますが…。それは、あくまでも、私の視点から見た話です…。妻が、本当にどう思っているのか…、私は、きちんと理解できていないのかもしれません…」

幸樹は、反省するように、目を伏せる。

「…依杜さんの仰る通り、彼らの気持ちを聞くことは、私にとっても、彼らにとっても、大切なことだと思います。…勇気を出して、彼らの本音を聞いてみようと思います…」

幸樹は、決意を新たにしたように、顔を上げる。

(依杜)
退職し、そして転職するという方向での決意、よく理解できました。
そして転職活動に感じてらっしゃる不安も話していただいてありがとうございます。

そうですか…、他人の顔色を伺い、ミスを起こさないことに重きをおいた仕事が、まともな仕事ではなかったのではないか、と感じてらっしゃるんですね…。

今おっしゃられたこと、ただ逆に言えば他者の感情や思考を推測する力が養われたとも言えるかもしれませんし、ミスにつながるようなあらゆるリスクファクターを発見し、対策する力が培われたとも言えるのかもしれません。

そして発揮できていないと感じられているのかもしれませんが、一方でご自身の「 本来の能力 」の存在は、しっかりと自負してらっしゃるようにも聞こえました。

また短い時間ではありますが、これまでの時間柏木さんとお話しする中で、少なくともご同僚をはじめとした、つらい状況にある他者をおもんぱかる感性をお持ちであったり、現実逃避だとはおっしゃいましたが、それは一時的にではあっても、不快な要素を意識から排除できる能力であったり、動機はどうであれ仕事に集中できる能力であったりを証明していることにもなるんではないかと感じました。

そしてお仕事は図書館司書ということでしたね?

なかなか割合としては少ない業種ではないかと感じましたし、劣化したり破損したりするリスクも高いであろう書籍を扱う方ならではの技術、そして膨大な書籍に囲まれていたからこそ蓄積された知識などもあるのではないかと、素人ながらに想像したのですがどうなのでしょうか?

また現在は、私も偉そうに言えるほど知識があるわけではないのですが、ネットや専門職の支援を活用した転職活動であったり、自主的な応募だけではないスカウト的な転職活動なども存在すると聞いたことがあるので、もし柏木さんが「 転職先 」の調査にしろ、「 転職方法 」の調査にしろ、「 調べ切った 」と言えない部分があるのであれば、そこに希望があるのではないかとも感じました。

あとはご家族やご友人との接し方についてですね。

もし柏木さんがおっしゃったように、これまでは柏木さんの苦しさ辛さを「 発信 」したことはあったけども、その方々の柏木さんへの「 思いや感情 」を「 受信 」したことがなかった、少なかった、と感じられるのであれば、それは試してみる価値はあるように、私も感じます。

それは、繰り返しになりますが柏木さんの行動を決めるヒントになるものも含まれているかもしれませんし、新たな選択肢を得るきっかけになるかもしれませんし、それに柏木さんが感じた救われた感情に近いものを、その方々に感じてもらえることにつながるかもしれません。

また柏木さんはその「 受信 」するためのコミュニケーションを「 勇気を出して 」とおっしゃいましたが、どんな方法でも勇気が必要となるのかな?と、そこは工夫の余地があるのではないかな?と感じました。

例えば感謝を伝えてから尋ねてみたり、その方々への気遣いや関心を伝えてから尋ねてみたり、釈迦に説法かもですが、昨今書籍やネットでも時々見るようになった「 I(アイ)メッセージ 」のような方法のなかにも、それほど「 勇気 」を要さなくてもコミュニケーションをとる方法が、もしかしたらあるのかもしれないと思ったものですから。

(柏木 幸樹)
「…ありがとうございます。依杜さんの言葉で、少し…自信を取り戻せた気がします…」

幸樹は、安堵の表情で、深く息を吸い込む。

「…確かに、私は、他人の顔色を伺い、ミスをしないように、細心の注意を払ってきました。それは、まともな仕事ではなかったのかもしれません。でも、そのおかげで、洞察力や危機管理能力は、かなり鍛えられたと思います…」

幸樹は、少し自信を取り戻したように、胸を張る。

「…そして、依杜さんの仰る通り、私には、まだまだ、発揮できていない能力があると思っています。図書館司書としての知識や経験も、活かせる場があるかもしれません…」

幸樹は、前向きな表情で、語る。

「…転職先や転職方法の調査…ですか。確かに、私は、まだ、十分に調べているとは言えません。インターネットで、情報を集めてはいますが…。 もしかしたら…、もっと、専門家の意見を聞くべきなのかもしれません…」

幸樹は、少し考え込むような表情を見せる。

「…それに、依杜さんの仰る通り、スカウト型の転職活動というのも、選択肢の一つかもしれません。自分の能力や経験を活かせる場を、プロの目から探してもらう…。それも、良いかもしれませんね…」

幸樹は、興味深そうに、目を輝かせる。

「…家族や友人への…『受信』…ですか…。そうですね…。私は、これまで、自分のことばかり話してきて、彼らの気持ちを、きちんと聞いてこなかったかもしれません…。彼らに、どのように話しかければいいのか…。少し、考えてみます…」

幸樹は、真剣な表情で、語る。

「…『勇気を出して』…。確かに、その言葉は、適切ではありませんでした。… もしかしたら…、私は、彼らに、自分の弱さを見せることを、恐れていたのかもしれません…」

幸樹は、少し恥ずかしそうに、目を伏せる。

「…感謝の気持ちを伝える…。気遣いや関心を伝える…。そして、『Iメッセージ』…。どれも、有効な方法ですね…。参考にさせていただきます…」

幸樹は、感謝の気持ちを込めて、依杜さんを見つめる。

「…依杜さん、今日は、本当に…、ありがとうございました。…お話を聞いていただいて、気持ちが楽になりましたし、前向きな気持ちになれました…」

幸樹は、明るい表情で、語る。

「…これから、どうすればいいのか…。じっくり考えて、行動に移したいと思います…」

幸樹の目には、希望に満ちた光が輝いている。

(依杜)
いえ、私の方こそ少し持論や推測をお話ししすぎてしまったかもしれません。申し訳ない。
あくまでも、の参考にしていただけたらと思います。

ただ少なくとも柏木さんがまだ探索していないルートがいくつもありそうだということは感じましたし、だからこそそこに希望もたくさんあるようにも感じました。

それこそ今の職場の利点を生かして、いまの柏木さんの学びになる書籍にあたることもできるかもしれませんしね。

そして「 弱さを見せることを恐れていたかもしれない 」ですか…。
語弊があるかもしれませんが、それは見栄や虚勢と言った感情に近いもの、と言えそうですかね?
もしそうであるなら、そういった感情がもたらすリスクやデメリットは、もしかしたらお休みや退職に追い込まれたご同僚のなかに、そして柏木さんが否定的な感情を持たれているであろう上司の方の内面にも見ることができたのではないでしょうか?

きっとそれは弱さと表現しない方が良い、人として当たり前にあって良い、自分自身に許容してあげても良い、心を許した人には開示しても良いものなのかもしれませんね。

いずれにしろ柏木さんの表情を見るに、こちらにいらしていただいた時よりも可能性や希望を感じ始めていただけているようで良かったです!

どうしましょうか?ではこの先具体的に、誰に対して、何を、どう動いてみるか、などについてもう少し詳しくお話を進めても良いかもしれませんし、もしくは柏木さんの中である程度固まっている者があるのであればそれをお聞かせいただいて、また実際に試してみての結果を踏まえてまた別日にご相談を勧めるのでも良いかもしれません。

柏木さんはどう思われますか?

(柏木 幸樹)
「いえ、そんなことはありません。依杜さんの言葉は、どれも、私にとって、新鮮な発見であり、貴重なヒントでした。… もしかしたら…、私は、これまで、自分の殻に閉じこもりすぎていたのかもしれません。依杜さんのお話を伺って、視野が大きく広がったように思います…」

幸樹は、感謝の気持ちを込めて、依杜さんを見つめる。

「…確かに、図書館司書という仕事は、決して楽ではありません。しかし、そのおかげで、私は、様々な知識や経験を積むことができました。… もしかしたら…、それを活かせる道があるかもしれませんね…」

幸樹は、希望に満ちた表情で、未来を見据える。

「…『弱さを見せることを恐れていた』…。ええ、そうかもしれません。私は、人前で、弱さを見せることを、極端に恐れていました。… もしかしたら…、それは、プライドが高かったからかもしれませんし、あるいは、人に裏切られることを恐れていたからかもしれません…」

幸樹は、少し考え込むような表情を見せる。

「…依杜さんの仰る通り、弱さを見せることは、決して悪いことではありません。むしろ、弱さを認め、受け入れることで、人は、より強く、優しくなれるのかもしれません…」

幸樹は、静かに、しかし力強く語る。

「…私は、もう、弱さを隠すのは止めます。…自分の弱さを認め、受け入れることで、本当の意味で、自分らしく生きていきたいと思っています…」

幸樹の目には、迷いのない光が宿っている。

「…今後のこと…ですか…。そうですね…。正直、まだ、具体的にどうすればいいのか、決めていません…。ただ、一つだけ、確かなことがあります。それは、私は、もう、一人で悩まないということです…」

幸樹は、力強く宣言する。

「…私は、家族や友人に、自分の気持ちを打ち明け、彼らの助けを借りながら、前に進んでいきたいと思います。…そして、転職活動についても、もっと積極的に、情報収集し、行動していきたいと思います…」

幸樹は、前向きな表情で、語る。

「…今日は、本当に、ありがとうございました。…依杜さんのお話を伺って、心が軽くなりましたし、未来への希望が見えてきました…」

幸樹は、感謝の気持ちを込めて、深々と頭を下げる。

「…また、機会があれば、ぜひ、ご相談させていただきたいです…」

幸樹の顔には、穏やかな笑顔が浮かんでいる。

(依杜)
そうですか、よくわかりました。
ではまずは、ご家族やご友人との対話、おそらくこれまでと少し異なって、お相手の内面を「 受信 」することにも重きをおいた対話でしょうかね、そういったものから始めてみるということですね。

そして同時に情報収集を、これまでとは違った方向のものも含めてさらに深めてみるということですね。

では、この大きく2つの方向性…で良かったでしょうか?それを試されてみて、また今日のようなお話をしてみるということでよろしかったでしょうか。

もしそうであるならば、そのご家族やご友人との対話、そして情報収集のいったんのめどはどの程度の期間を想定していますか?

(柏木 幸樹)
「…ええ、その通りです。まずは、家族や友人と、じっくりと話し合ってみようと思います。… もしかしたら…、今まで、私が彼らに甘えすぎていたのかもしれません。これからは、彼らの気持ちにも寄り添い、お互いに支え合えるような関係を築いていきたいと思っています…」

幸樹は、穏やかな表情で語る。

「…そして、情報収集も、今まで以上に力を入れていきたいと思います。… もしかしたら…、転職エージェントに相談してみるのも良いかもしれません。…あるいは、図書館で、転職に関する書籍を調べてみるのも良いかもしれませんね…」

幸樹は、少しワクワクしたように目を輝かせる。

「…はい、その二つの方向性で進めていきたいと思います。そして、ある程度、目処がついたら、また、依杜さんにご相談させていただきたいです…」

幸樹は、少し恥ずかしそうに、言葉を続ける。

「…期間…ですか…。そうですね…。… もしかしたら…、1ヶ月後くらいに、また、ご連絡させていただいてもよろしいでしょうか…?」

幸樹は、依杜さんの反応を伺うように、視線を向ける。

(依杜)
承知しました!1ヶ月程度ですね。

もちろんそれは今時点での予想でしょうから変化することもあるかもしれませんが、はい、では1ヶ月後くらいにまたご連絡いただけるという予定にしておきますね。

ご予定決まりましたらまたこちらにお電話か、ネットでのご予約でも結構ですのでご連絡ください。

(柏木 幸樹)
「…はい!ありがとうございます。1ヶ月後…、そうですね、必ず、何かしら変化を起こしてみせます。そして、また、依杜さんに、良いご報告ができるように、頑張ります…!」

幸樹は、力強く宣言し、晴れやかな笑顔を見せる。

「…予約のこと、承知いたしました。1ヶ月後くらいに、また、こちらにご連絡させていただきます。… もしかしたら…、その頃には、もっと、自分に自信を持てるようになっていると良いのですが…」

幸樹は、少しだけ控えめに、しかし希望に満ちた表情で語る。

「…今日は、本当に、ありがとうございました。依杜さんとお話できて、本当に良かったです。…おかげで、私は、前に進む勇気をもらうことができました…」

幸樹は、心からの感謝を込めて、深々と頭を下げる。

「…それでは、失礼いたします…」

幸樹は、椅子から立ち上がり、穏やかな足取りで、相談室を後にする。その背中には、希望に満ちた未来が、確かに感じられた。

ロールプレイング評価

カテゴリー1: サポートワーカーの面接スキルに対する評価項目

  • 面接技術: 90点

    • 開かれた問い、聞き返し、反映、明確化を効果的に活用し、クライエントの話を引き出せていた。特に、クライアントの言葉を受けて、具体的なエピソードや感情を丁寧に尋ねる質問は、クライアントの自己理解を促進する上で有効だった。

    • 共感、是認も適切に行われており、クライアントとの信頼関係構築に貢献していた。

    • 解釈や要約は控えめで、クライアントのペースを尊重した関わり方ができていた。

    • 自己開示はほとんど見られなかったが、クライアントの状況を考えると、無理に自己開示する必要はなく、むしろ、クライアントの話に集中することが重要だったと言える。

  • 認知的共感(Empathy): 85点

    • クライエントの置かれた状況、思考、感情を的確に把握し、言葉で表現できていた。

    • 「それは心身に不調が出るのも当然のことかもしれないですね」など、クライアントの苦しみに寄り添う言葉は、共感を感じさせ、安心感を与えるものだった。

  • 認知的共感(Empathy)の深化: 80点

    • クライアントの「諦め」や「虚しさ」といった感情に寄り添い、その背景にある信念や価値観を探ろうとする姿勢が見られた。

    • ただし、クライアントの深い部分にある「弱さを見せることへの恐怖」や「自己肯定感の低さ」といった部分への言及は、もう少し踏み込んでも良かったかもしれない。

  • 支持的な絶対評価: 90点

    • クライエントの努力、忍耐、自己成長を認め、肯定する言葉を積極的にかけていた。

    • 特に、「ご自身やご自身の生活を守ること、叶うならもっと良いものにしようとされている強いお気持ちを感じるような気がします」という言葉は、クライアントの自己肯定感を高める上で非常に有効だった。

  • 行動と結果の関連性理解: 80点

    • クライエントの行動とその結果、感情、動機、目的との関連性を分析するような質問は、少なかった。

    • クライアントが、自身の行動を振り返り、そこから学びを得られるように、もう少し促しても良かったかもしれない。

  • 多層的な目標設定支援: 75点

    • クライエントが、異なるレベルの目標を設定することや、目標間の関連性を評価することへの支援は、限定的だった。

    • クライアントの状況を考えると、まずは目の前の苦しみから解放されることを優先し、その後、段階的に目標設定を進めていくというアプローチも有効だったと言える。

  • 自立性・自律性への支援: 85点

    • クライエントの自己決定を尊重し、クライアント自身の力で問題解決に取り組めるように促していた。

    • 「柏木さんはどう思われますか?」など、クライアントの意見や考えを積極的に尋ねる言葉は、クライアントの主体性を引き出す上で有効だった。

  • 自己資源(Resource)の活用支援: 80点

    • クライエントが持つ知識、経験、能力といった自己資源に目を向けさせ、それらを活用することの重要性を伝えていた。

    • ただし、クライアントが、自己資源を具体的にどのように活用できるのか、もう少し具体的なイメージを持てるように支援しても良かったかもしれない。

  • メタ認知・外在化の促進: 75点

    • クライエントが、自己を客観的に捉え、問題を自己から分離して考えることを促すような質問は、少なかった。

    • クライエントのメタ認知能力を高めることで、問題解決を促進できる可能性があるため、この点に焦点を当てた関わりも有効だったと言える。

  • 有効性視点への支援: 80点

    • クライエントが、将来的な利得や可能性の拡大を意識して行動を選択できるよう促していた。

    • ただし、クライアントが、具体的な行動をイメージし、その効果を予測できるように、もう少し具体的な質問や提案をしても良かったかもしれない。

  • 成長志向への支援: 85点

    • クライエントが、困難な経験を成長の糧として捉えられるように励ましていた。

    • 「どんな経験も無駄ではない」というメッセージは、クライアントの自己肯定感を高め、前向きな気持ちにさせる上で有効だった。

  • システム論的視点への支援: 70点

    • クライエントが、他者や環境との関係性の中で、自身の課題を捉えることを促すような質問は、少なかった。

    • クライエントが、周囲の人々との関係性を見直し、より良いコミュニケーションを築けるように支援することも重要だったと言える。

  • 段階的実践への支援: 85点

    • クライエントが、無理なく目標達成に向けて進めるように、小さなステップを踏むことを推奨していた。

    • 「まずはご家族やご友人との対話から始めてみる」という提案は、クライアントにとって現実的で実行可能なものだった。

  • 内発的動機づけへの支援: 80点

    • クライエントが、目標とする状態をイメージし、行動への意欲を高められるように促していた。

    • ただし、クライアントが、具体的な行動をイメージし、その行動によって得られるメリットを明確に認識できるように、もう少し支援しても良かったかもしれない。

  • 目標達成計画への支援: 75点

    • クライエントが、目標達成のための具体的な計画を立てることへの支援は、限定的だった。

    • クライエントが、計画を立て、実行し、評価するというプロセスを経験することで、目標達成の可能性を高めることができるため、この点に焦点を当てた関わりも有効だったと言える。

  • 倫理: 100点

    • 守秘義務、説明責任、情報提供と同意など、倫理的な原則を遵守した関わり方ができていた。

    • クライエントのプライバシーに配慮し、安全な空間を提供できていた。

カテゴリー2: クライエントの肯定的変化とその準備性に対する評価項目

  • 主訴・希望の描写: 90点

    • 上司からのパワハラ、心身の不調、転職への希望など、クライアントの抱える問題や希望を具体的に表現できていた。

    • 特に、「今の会社に残り続けることは、私にとって、死を意味します」という言葉は、クライアントの深刻な状況を明確に示すものだった。

  • 過去の対処・対応の描写: 85点

    • 妻への相談、アロマテラピー、仕事への集中など、クライアントがこれまで行ってきた対処法を具体的に説明できていた。

    • ただし、それぞれの対処法の効果や限界については、もう少し詳しく説明しても良かったかもしれない。

  • 他者の内面・心情の理解: 75点

    • 妻の支えや同僚の苦しみについて言及していたが、他者の内面や心情を深く理解しようとする姿勢は、もう少し見られても良かったかもしれない。

    • 特に、上司の心情や行動の背景にある要因について、クライアント自身の考えを聞いても良かった。

  • 視点の多様化・リフレーミング: 80点

    • 転職活動のリスクや不安について、具体的な理由を挙げながら説明できていた。

    • ただし、クライアントが、自身の状況を異なる視点から捉え、新たな可能性を見出すことができるように、もう少し支援しても良かったかもしれない。

  • 目標の設定と言語化: 85点

    • 「この苦しみから解放されたい」「自分らしく生きられる道を見つけたい」など、クライアントの目標を明確に言語化できていた。

    • ただし、目標達成のための具体的な行動計画は、まだ明確になっていない。

  • 効果・達成基準の描写: 70点

    • どのような状態になれば、目標達成と言えるのか、具体的な基準は、まだ明確になっていない。

    • クライアントが、目標達成のイメージを具体的に描けるように支援することが重要になる。

  • 有用な資源(Resource)の認識: 80点

    • 妻の支え、アロマテラピー、図書館司書としての知識や経験など、クライアントが持つ資源を認識できていた。

    • ただし、それぞれの資源をどのように活用できるのか、具体的なイメージは、まだ明確になっていない。

  • 有用な実践の認識: 75点

    • 家族や友人に相談すること、転職活動をすることなど、クライアントが今後行うべき実践を認識できていた。

    • ただし、それぞれの実践の効果や限界、阻害要素や促進要素については、まだ十分に検討されていない。

  • 実践への肯定的姿勢: 90点

    • 家族や友人に相談すること、転職活動をすることなど、クライアントは、実践に向けて、意欲的な姿勢を示していた。

    • 特に、「必ず、何かしら変化を起こしてみせます」という言葉からは、クライアントの強い決意が感じられた。

  • 自己肯定感: 75点

    • クライアントは、自身の弱さを認め、受け入れることの重要性を理解し始めていた。

    • ただし、自己肯定感は、まだ十分に高まっていない。

    • 今後は、クライアントが、自身の強みや能力を認識し、自信を持てるように支援していくことが重要になる。

  • 面接に対する所感: 95点

    • クライアントは、サポートワーカーとの面接に対して、非常に肯定的な感想を抱いていた。

    • 特に、「依杜さんとお話できて、本当に良かったです」という言葉からは、クライアントの信頼感や感謝の気持ちが伝わってくる。

総合評価: 85点

今回の面接は、クライアントとの信頼関係を築き、クライアントの自己理解を促進する上で、非常に有効なものだったと言える。クライアントは、自身の抱える問題や希望を明確に表現し、変化に向けて、意欲的な姿勢を示していた。

ただし、クライアントの自己肯定感は、まだ十分に高まっていない。また、目標達成のための具体的な計画も、まだ明確になっていない。

今後は、クライアントが、自信を持って、目標達成に向けて行動できるよう、継続的な支援が必要となる。

特に良かった点、改善点、その他気づいた点

特に良かった点

  • クライアントのペースを尊重し、丁寧に話を聞いていた点。

  • クライアントの感情に寄り添い、共感的な態度で接していた点。

  • クライアントの自己決定を尊重し、主体性を引き出そうとしていた点。

改善点

  • クライエントの行動とその結果、感情、動機、目的との関連性を分析するような質問を、もう少し増やしても良かった。

  • クライアントが、自己資源を具体的にどのように活用できるのか、具体的なイメージを持てるように支援しても良かった。

  • クライアントが、目標達成のための具体的な計画を立てられるように、もう少し支援しても良かった。

その他気づいた点

  • クライアントは、非常に真面目で責任感が強い。

  • クライアントは、他人の目を気にしやすく、自己肯定感が低い。

  • クライアントは、変化を恐れ、現状維持に固執する傾向がある。

今後の面接への提案

  • クライアントの自己肯定感を高めるような関わりを心がける。

  • クライアントが、自身の強みや能力を認識し、自信を持てるように支援する。

  • クライアントが、目標達成のための具体的な計画を立て、実行できるよう、支援する。

  • クライアントが、他者と良好なコミュニケーションを築けるよう、支援する。

対話データの詳細分析

有効であった表現

  • 表現: 「そうですか…、上司から感情的で高圧的な言われ方をされてらっしゃると。 また言われるんじゃないかという恐怖感で、ますます仕事の能率も落ちてしまいそうですね。 そして柏木さんの場合は私生活にまで影響が出始めているということなんですね。」

    • 理由: クライアントの状況を的確に理解し、共感していることを示す言葉。クライアントの抱える問題を整理し、共有することで、安心感を与えている。

    • 代替表現: 特になし

  • 表現: 「ご自身やご自身の生活を守ること、叶うならもっと良いものにしようとされている強いお気持ちを感じるような気がします。」

    • 理由: クライアントの行動を肯定的に評価し、自己肯定感を高める言葉。クライアントの努力や前向きな姿勢を認めることで、変化へのモチベーションを高めている。

    • 代替表現: 特になし

  • 表現: 「柏木さんご自身の生き方や、そしてご家族との関係性が、柏木さんにとっていかに大切かが感じられるようなお話でした。」

    • 理由: クライアントの価値観を尊重し、共感していることを示す言葉。クライアントのアイデンティティを肯定することで、自己肯定感の向上に貢献している。

    • 代替表現: 特になし

改善の余地がある表現

  • 表現: 「何か、今日こちらにいらしていただくことになったきっかけなどはあるのでしょうか?」

    • 理由: クライアントにとって、辛い経験を思い出す可能性のある質問。初回面接では、クライアントのペースを尊重し、無理に過去の出来事を掘り下げない方が良い場合もある。

    • 代替表現: 「今日、ここに来てみようと思われたのは、どんなお気持ちからでしょうか?」

  • 表現: 「そして柏木さんご自身は、ひたすら耐え、謝罪し、仕事に集中し、またお連れ合いに話を聞いてもらったり、ご趣味のアロマに助けられたりしたということですか…。」

    • 理由: クライアントの言葉を要約しているが、少し事務的な印象を与える。クライアントの感情を反映した、より共感的な表現を用いると良い。

    • 代替表現: 「本当に大変でしたね…。それでも、ご自身でできることを精一杯されてきたんですね…。奥様に話を聞いてもらったり、アロマで心を落ち着かせたりすることで、なんとか乗り越えてこられたんですね…。」

  • 表現: 「それは繰り返しになりますが、柏木さんの行動を決めるヒントになるものも含まれているかもしれませんし、新たな選択肢を得るきっかけになるかもしれませんし、それに柏木さんが感じた救われた感情に近いものを、その方々に感じてもらえることにつながるかもしれません。」

    • 理由: 少し長文で、クライアントにとって理解しづらい表現。簡潔で分かりやすい言葉で伝えることが重要。

    • 代替表現: 「ご家族やご友人の気持ちを聞くことで、柏木さん自身の気持ちが楽になるかもしれませんし、新しい発見があるかもしれません。そして、今度は、柏木さんが、彼らを支える番になるかもしれませんね。」

その他の表現

  • 表現: 「私自身は、どうしようもないような厳しさの前では、耐えたり逃げたりすることも、立派な努力や挑戦だと考えていますしね。」

    • 理由: サポートワーカー自身の価値観を表明することで、クライアントの行動を肯定し、勇気を与えている。

  • 表現: 「少なくとも私自身は、どうしようもないような厳しさの前では、耐えたり逃げたりすることも、立派な努力や挑戦だと考えていますしね。」

    • 理由: サポートワーカー自身の価値観を表明することで、クライアントの行動を肯定し、勇気を与えている。

  • 表現: 「今おっしゃられたこと、ただ逆に言えば他者の感情や思考を推測する力が養われたとも言えるかもしれませんし、ミスにつながるようなあらゆるリスクファクターを発見し、対策する力が培われたとも言えるのかもしれません。」

    • 理由: クライアントの経験を肯定的に捉え直し、新たな視点を与えている。クライアントの強みや能力に目を向けさせることで、自己肯定感の向上に貢献している。

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