なぜ、お笑い番組は笑い声が入った方が面白いのか
Daigoビジネス心理学 社会的証明の原理 【影響力の武器】
みんなが同じように考えているときは、誰も深く考えていない時である 〜ウォルター・リップマン〜
お笑い番組は笑い声が入っていた方が面白いですよね!
これも社会的原理が影響していることなんです!
そこで今回、メンタリストDaigoが紹介していた、アリゾナ州立大学心理学部名誉教授のロバート・D・チャルディーニ著、【影響力の武器】から”社会的証明の原理”について説明します!
目次
1.社会的証明の原理
2.科学的研究
3.あなたが犠牲者にならないために
4.効果を強める”類似性”
5.死のサルまね 〜ウェルテル効果〜
6.防衛法
7.まとめ
1.社会的証明の原理
社会的証明の原理とは、
特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断することです
他のみんながやっているなら、”それは適切なことだ”と考えることは、大抵の場合うまくいきます!
一般的に社会的証拠に合致した行動をとる方が、それと反対の行動をとるよりも、間違いを犯す可能性が少ないはずです
しかし、こうした特徴はこの原理の強みであると共に、弱点でもあります
この原理のおかげで、私たちは手っ取り早く行動を決められるのですが、これを悪用して利益を得ようとする輩に引っかかりやすくもなっているのです
お笑い番組で笑い声がある方が面白く思える理由も”社会的証明の原理”を利用しており、私たちは知らず知らずのうちに”他人が笑うということは、面白いことが起こっているに違いない”と経験的に刷り込まれているため、笑顔になってしまうのです
これを利用し、テレビ番組制作者たちは視聴率を獲得するため意図的に笑い声を挿入しているのです
その他にも、あるバーテンダーはチップをたくさんもらうために、店の開店前、あらかじめチップ入れに何枚かの紙幣を折りたたんで入れています
(昨晩のお客さんが残していたチップに見せかける)そうするとチップの入りが良くなるのです!
”多くの人がしていることは正しいに違いない”と思ってしまう法則を利用していますね
また、この方法は募金箱への寄付でも利用されていることがあります
2.科学的研究
社会的証明の原理について、ニューヨークを拠点として活動している心理学者のビブ・ラタネとジョン・ダーリー、そして彼らの学生や同僚と行った研究では明確な知見を見出しました
研究内容はひとり、あるいは数人のグループの前で緊急事態を起こすというものでした
まず、ひとりの学生がてんかんの発作に見舞われたフリをします
そうすると、居合わせた人がひとりの場合では、助けてくれる確率は85%でしたが、5人が居合わせたときには31%にしかなりませんでした
また別の実験では、ドアの下から煙が漏れ出てくるのをひとりで見た場合には75%の人が通報をしました
しかし、3人のときには38%しか通報をしませんでした
これらの実験結果から私は”都会の人が冷たい”と思われてしまう理由がわかった気がします!
田舎と比べて都会には沢山の人がいるため、いざ何か起こったときに、”自分以外の誰かが何とかしてくれるだろう”とか”誰も行動しないということは、緊急事態ではない”と確信が持てず、周りの人を観察して、社会的証明の原理を発動させている可能性があります
では、このように、人がたくさんいる中で、あなた自身が緊急事態に見舞われたときに助けてくれる人は現れるのでしょうか?
そこで、このような状況でもたすある可能性を上げる方法を説明します!
3.あなたが犠牲者にならないために
あなたが緊急事態に見舞われたとき(例えば、てんかん等の発作)に助かる方法、それは…
あなた!そう、そこのブルーのジャケットを着ている方!助けてください、救急車を呼んでください!
と叫ぶことです
要は、群集の中からある特定の人を指名して助けを求めることなんです!
こうすることで、指名された相手は”援助をする責任は自分にあるのだ”と緊急事態を理解し、救助が遅れることを防ぐことができます
たったこれだけで、あなたが助かる確率は段違いに上がるので、もしもの時のために覚えておいてください!
4.効果を高める”類似性”
社会的証明の原理、その効果を高める方法として”類似性”を使う方法が有効的です!
私たちは、ある状況でどう振る舞えばいいのかを考えるとき、一番参考にするのが自分と類似した他者の行動です
したがって、私たちは自分と違う人よりも似ている人の行動に強く影響されます!
その証拠として、ある大学のキャンパスで行われた募金活動の取り組みについての研究では類似性の効果についてわかりやすい研究結果が得れれています
募金を呼びかける人が「私もここの学生です」と言って募金を募った場合とそうでない場合では、前者の方が2倍以上もの寄付金が集まったのです!
また、歯医者嫌いの子供に、子供が嫌がらずに歯医者に行っている場面が含まれる映画を見せた場合、登場する子供が同年齢であった場合では、その映画を見た子供は歯科検診に対する不安の兆候が減少したという結果もあります
これらのように、社会的証明の原理に”類似性”を取り入れることでポジティブな結果を得ることができます!
5.死のサルまね 〜ウェルテル効果〜
社会的証明は人の思考決定に大きな影響を及ぼしますが、時に思わぬ結果を引き起こしてしまいます…
例えば、ある自殺が広く報じられた直後には、商業用旅客機の墜落で死亡する人の数が10倍にも膨れ上がり、自動車事故による死亡者数も同様に急増することが明らかになっています
一体何が原因なのでしょう?
作者はこのように考察しています
例えば、自殺傾向の高い人々は、社会に緊張を引き起こす出来事(不況、犯罪の増加、国際的な緊張等)に、自殺という方法で反応するかもしれない
その他の人々は、怒ったり、イライラしたり、神経質になったりと、別な方法を取るかもしれない
こうした人々が、飛行機や車の運転(あるいは整備)をすることがあると、その乗り物は安全ではなくなり、この結果、事故が急増していくと考えられる
このような現象にはいくつかのパターンがあり、その説明として「ウェルテル効果」というものがありす
「ウェルテル効果」とは、カリフォウニア大学の社会学者デイヴィッド・フィリップスが確信している社会的な現象で、その内容は、背筋が寒くなるものです
ウェルテルの自殺
2世紀以上も前、ドイツの文豪ゲーテは、「若きウェルテルの悩み」という小説を出版しました
主人公ウェルテルの自殺を扱ったこの小説はゲーテを一躍有名にしたと同時に、ヨーロッパでウェルテルをまねた自殺者を急増させました
そこでいくつかの当局は、この小説の影響力を恐れ、発禁処分を下しました
フィリップの研究では、この「ウェルテル効果」を現代に当てはめたようなものです
彼の研究によって、新聞の一面で自殺が広く報じられた地域では、その直後に、自殺率が急増していることが明らかになりました
同じような問題を抱えた人々は他人の自殺記事を読んだ場合、そのうちの何人かはそれを模範して自殺する
それがフリップの主張です
フィリップの他の研究では、広く報道される暴力的な行為は、その行為をまねて殺人が行われる性質があると明らかにされています
アメリカにおいて、ボクシングのヘビー級タイトルマッチが取り上げられると、アメリカにおける殺人発生率はかなり上昇し、そして、その試合で負けた選手は黒人の選手でした
すると、その試合後の数日間、黒人男性が殺害される事件が急増していたのです
また、2007年4月に起こったバージニア工科大学での銃乱射事件があったその翌週には、他人を巻き込んだ自殺事件な発生件数は軒並み増加しているなど、暴力的な報道によって、それに感化された人たちがまた新たに事件を起こすような事例が多く存在しています
6.防衛法
この社会的証明の原理からの防衛法、それは…
自動的な行動に気をつけることです!
”飛んで火に入るブタの群れ”
ひとたび群れの心理が組み込まれてしまうと、大勢いるから大丈夫という考え方が、完全に誤りということになる
この言葉のように、 自動的な行動を取ることは、考えることを放棄し、脳を休めることができるので、多くの人がやりがちなことです
しかし、ときには立ち止まってよく考えてみてください!
このまま行けば、多くの人に巻き込まれて、自分も被害を被るかもしれません
防衛法は、あなたが”気づくこと”にかかっていますよ!
7.まとめ
社会的証明の原理とは、ある状況で自分の行動を決めるために、他者の行動を重視することです
他者を模範する強い作用は子供にも大人にもみられます
ひとに「多くの人が応じた、あるいは応じている」と告げるだけで、そのひとがあなたの要求に応じるよう促すこともできます(悪用禁止!)
社会的証明は2つの条件下で最も強い影響力を持ちます!
・ひとつ目は不確かさ
私たちは、自分の決定に確信が持てない場合、他の人の行動に注意を向け、それを正しいものとして受け入れようとします
・ふたつ目は類似性
私たちは、自分と似た他者のリードに従う傾向にあります
間違った社会的証明に影響されないためには以下のことを肝に命じてください!
・類似している他者が行っている行動の明らかな間違いに敏感であること
・自分の行動を決定るるときには、類似した他者の行動だけを決定の基礎にしない
以上【影響力の武器】から”社会的証明の原理”について説明しました
本書では他にも私たちの生活に関係している心理学的現象を紹介しています
今後も少しずつまとめて更新を行っていく予定ですが、もし、更新が待てない!早く知りたい!という方は
ブログに本書の購入ページとAudibleを載せています!ポケットブックもおすすめです!
また、以前にもいくつか本書の紹介をしているので、興味のある方は過去の記事をご覧んください!