
イシューから始めよ
自分の限りある時間を最大限に効率化して、相手の貴重な時間も無駄に奪わないための基本動作。
課題解決に向けた仮説を言語化し、PDCAサイクルを高速で回して結論を出す。
相手に対しては極限まで簡素化することが重要。
0.序章 この本の考え方ー脱「犬の道」
仕事=バリューを出すこと
がむしゃらに解を追い求めるのはNG
イシュー度の高い問題に絞って着手することが必要


1.イシュードリブン 「解く」前に「見極める」
■仮説を立てる(スタンスをとる)
・やってみないとわからない、はNG
・「市場規模はどうなっているのか?」という設問から、「市場規模は縮小傾向にあるのではないか?」という答えを出しうるイシューになる
・言葉にする(紙や電子ファイルに落とし込む)
┗イシューの見極めと仮説の立て方が甘いとできない)
┗人は言葉にしない限り概念をまとめることができない
■言葉で表現するときのポイント
・主語と動詞を入れる
・WhyよりWhere,What,How
┗Where:どちらに、どこを目指すべきか
┗What:何を行うべきか、何を避けるべきか
┗How:どう行うべきか、どう進めるべきか
※Whyには仮説がなく、答えを出すという視点での課題整理ができない
・比較表現を入れる

■情報収集
・一次情報に触れる
・自分の想いだけで決め打ちをせず広く浅く集める
・ここだけは押さえるべきというポイントを大局的に集める
・集めすぎない

2.仮説ドリブン① イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
課題の広がりを整理するためにイシューを分解する。
それにより、課題の全体像が見えやすくなり、取り組むべき優先度の高いものが見えてくる。
■解の質を高める
・プロジェクトの初週にストーリーライン(一次バージョン)を完成させておく
・イシューとそれにチスル仮説が正しいとすると、どんな論理と分析によって検証できるか、という最終的な姿から前倒しで考える

STEP1 イシューを分解する
■分解について
・MECE
・型を学ぶ(Where,Ehat,Howのような)
・型がなければ逆算する

■仮説
・サブイシューにも仮説を立てる(スタンスをとる)
・見立てが無くても強引にスタンスをとる(曖昧を排し、メッセージをすっきりさせるほど、必要な分析のイメージが明確になるから)
・ふたを開けてみないと分からない、とは決して言わない
■型(フレームワーク)
・型は万能ではないので、溺れるのは危険
・サブイシューを洗い出す際は、「何が分かればこの意思決定ができるか」を最優先に考える
STEP2 ストーリーラインを組み立てる
■組み立て
・分析したイシューに基づいてストーリーラインを組み立てる。
・流れを持った箇条書きの文章として統合
・分析も検証も完了していないが、「仮説がすべて正しいとすれば」という前提でストーリーを作る

■ストーリーラインの役割
・目的意識を揃える
・進捗把握、状況把握
・プレゼンの元資料(アジェンダ)
■言語化できない人
・漠然としたアイデアしか浮かばない人は、他人に伝えることができない
・主語と動詞を明確にして、「いったい自分は何を言おうとしているのか」を箇条書きで明確にする『イシューと仮説出し』を日々行う

3.仮説ドリブン② ストーリーを絵コンテにする
言葉だけのストーリーラインに、具体的なデータのイメージをビジュアル化する。
最終的に伝えるメッセージ(イシューの仮説が証明されたもの)を考えたとき、どういう分析結果があれば相手を納得させられるかを考える。

■絵コンテづくりとは
・イシューを分解して並べたストーリーラインに沿って、必要な分析のイメージを並べていったもの
・以下のようなフォーマットに沿って作ると便利
・大胆に思い切って描く
・「どんな分析結果が欲しいのか」を起点に分析イメージを作る
※どんなデータがあればストーリーラインの個々の仮説(サブイシュー)を検証できるのか、という視点で大胆にデザインする

STEP1 軸を整理する
・分析=比較
・軸=分析の縦と横の広がりを指す
・「〇〇について調べる」ではなく、「どのような軸で、どのような値を、どのように比較するか」ということを具体的に設計すること。

■定量分析の3つの型



STEP2 イメージを具現化する
数値は細かくとればいいというものではない。
最終的にどの程度の精度のデータが欲しいかをこの段階でイメージする。
比較による意味合いをはっきりさせておく。
・分析の本質=比較
・意味合い=比べた結果、違いがあるかどうか

STEP3 方法を明示する
どうやってそのデータを取るのかを明示する。
欲しい結果から考えることが大事。
手法は多岐にわたるので経験や相談できる相手が重要。
コラム~脳科学の視点で、相手に伝えるうえで大事なポイント~
・不連続な差しか認知できないため、明確な対比を意識する。同じような分析の方は2連続で使用しない。
・理解=既知の情報とつなぐこと なので、つなぎようのない情報を提供しても相手は理解できない。新しい情報を既知の情報につなげる工夫が必要。
・記憶=情報を積んがい続けること なので、覚えてほしいことは、相手が理解する経験をくりかえす。
4.アウトプットドリブン 実際の分析を進める
目指すべきもの=限られた時間でいかに本当にバリューのあるアウトプットを効率的に生み出すか
┗イシュー度の高い活動に絞る
┗アウトプットの質を高める
■いきなり分析や検証の活動を始めない
・最もバリューのあるサブイシューを見極めて最初に検証する(最終的な結論や話の骨格に大きな影響力を持つ部分でありストーリーラインの中で崩れてはいけない部分、あるいは崩れた瞬間にストーリーの組み換えが必要になる「前提」「洞察」に当たる部分)
・それが終わったら、早く終わるものから着手

■イシューから始める
自分たちに都合のいいデータで論じるのはNG
本当に正しいのか検証する必要がある

■構造化
欲しいデータが見つからない場合は構造化してみる(フェルミ推定)

■回転数
1回ごとの完成度よりも取り組む回数(回転数)を意識する。
求める完成度(受け手にとって十分なレベル)を把握する。

■最重要事項
・答えを出せるか
・早いスピードで答えを導けるか

5.メッセージドリブン 「伝えるもの」をまとめる
■着手前
・どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのか、という具体的なイメージを描く
■プレゼンテーションの目的
・聞き手と自分の知識ギャップを埋めるため
・聞き終わった時に受け手が語り手と同じように問題意識を持ち、同じように納得し、同じように興奮してくれているのが理想
■心構え
・聞き手は完全に鞭だと思え
・聞き手は高度の知性を持つと想定せよ
⇒聞き手は、的確な伝え方をすれば必ず理解してくれる「賢いが無知」な存在
■シンプル
・複雑さは一切いらない
・意識が散るようなもの、曖昧なものはすべて排除する
・無駄をそぎ落とし、流れも構造も明確にする
⇒受け手の問題意識は他kまり、理解度は大きく向上する
■ストーリーラインを磨き込む

■プロセス① 論理構造を確認する
・個別のサブイシューが想定外でもOK
・むしろ誰も想定しない結果のほうがインパクトあるのでラッキー
・仮説が崩れる=大発見
■プロセス② 流れを磨く
・優れたプレゼンテーション=一つのテーマから次々とカギになあるサブイシューが広がり、流れを見失うことなく志向が広がっていく
・紙芝居形式で粗めに磨く
・聞き手を置いて本番同様にリハーサル
■プロセス③ エレベーターテストに備える
・20~30秒ほどで概要をまとめる
・ピラミッド構造に組み上げたストーリーラインにはトップレベルに結論が並んでいる

■チャートの基本的な構造
・1チャート1メッセージ
・10秒~15秒で理解できなければNG
・本筋に関係ない所は切り捨てる

■コンプリートワーク
・プロフェッショナルの世界では「努力」は一切評価されない
・常に最初に来るのは「結果」であり、努力はその評価の補助手段
・全ての仕事は結果がすべて
・人から褒められることではなく、「生み出した結果」そのものだけが自分を支え、励ましてくれる