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不登校の娘から学んだ、新しい価値観で未来を見つめるということ。

インターネットを除くと世の中情報がたくさんあるけれど、その中から自分に合った情報はどれなのか、選ぶことは難しいことです。
けれど、情報を知ることで今までの悩みや気持ちを変えられ、明るい未来を創造できます。

わたしには2020年のコロナ一斉休校の影響で、完全に不登校になった娘がいいます。
その原因は、クラスの友達のちょっとした態度や、勉強の遅れや苦しさなどが重なって、次第に登校することが辛くなっていったのです。

学校が再開された1ヶ月間は友達と仲良く登校していたのですが、だんだんと遅刻ぎみになり、今では勉強にも意欲が持てず、家族の誰にも干渉されない夜中の時間帯にスマートフォンを観たりして過ごすようになったので、朝も起きることができない日々が続いています。

何もかもが伝わらなかった

最初はわたしはどうして学校へ行けないのか分からず、執拗に学校へ行くように促していました。

小学校の卒業とともに購入したスマートフォンですが、あまりにも使用時間が長いので、最初は携帯ショップで貰った冊子に書いてあった制限設定を使ったり、寝る前にはスマートフォンを預けるといったルールも作って紙にも書いて、守らせていました。

しかし数週間後にはすぐに破られ、強引にスマートフォンを引きはがして会社へ持っていくという日も。

授業が始まる時間になっても支度をしない娘。毎日学校に状況を伝えて、そのたびに職場にも遅刻するとの電話をして、担任の先生の授業が開いている時間を見計らって家まで来てもらうということもしていました。

授業を受けず、何もしないで先生と一緒にドライブして帰ってくる日もあり…

そんなことを続ける日々が2~3ヶ月。この時期は、会社にもまともに出勤できなくて、わたしにとっても娘を待つ時間、何やってるんだろうと思うように。

その頃はわたしと娘は実家に住んでおり、当然同居している両親も同じく娘のことについて悩んでいました。
特にわたしの母は夜も眠れないほど悩んでいたようで、毎日わたしや父をたたき起こして、娘がこうなったのは誰が悪かったのか、同じことを繰り返し話すようになったり、寝ている娘を無理矢理起こして車でどこか逃げようとすることもあり…

家族間の関係もギクシャクするようになり、このままじゃ母の体調も悪くなってしまうと感じ、わたしは、実家を出て近くのアパートに引っ越すことにしました。

心機一転、場所を変えて生活してみて

娘も初めは家を出て自分の部屋が持てることや、平日昼間に他の家族に気兼ねなく一人で過ごすことができることに喜んでいました。今までお下がりのものを使っていた学習机も、新しく買うことによって喜んでいました。

一緒に登校するお友達もいるのですが、一緒に学校へ行けたのは1度きり。
しんどくなったら途中で帰ってきてもいいよと話していたのですが、娘は途中で抜けることが恥ずかしいと感じているようで、無理してでも下校時間まですごしていたようで、それが辛くなったのか、自力で登校できたのはそれっきり。

それから1年以上、しばらく学校の授業は受けていませんが、健康診断や学校カウンセラーの先生との相談のために、週に1回は会社を早退し、学校へ連れて行っています。

一人で気持ちを調べ続けて

娘が平日家で過ごすようになって、最初はわたしはどうしたら元のように学校へ行ってくれるのか、朝早く起きることができるようになるのかばかりを考えていました。

なので調べて出てくるころはよく眠れるサプリや早く起きるように続けるコンサルなど、そのようなサービスばかり調べていました。

「数週間で効果が期待できます」と言われても、1度契約したら早起きが治るまで続けないといけないシステム。月々の支払いも高いので、なかなか利用出来ませんでした。

また、1次的に回復するだけで、またどこかで夜眠れなくなったり立ち直れなくなったりするのではという疑問もありました。

「となりの芝生は青い」ということわざがありますが、このころのわたしにとっては自分の周りだけが乾燥しきっていて、その先はとても真っ青なイメージしか持てませんでした。どうしてうちの子だけがこうなったの?という思いでいっぱいでした。

考え方を変え、娘のこれからの未来について目を向けるようになった

1年以上が過ぎ、今では、わたしはとても狭い範囲で物事を考えていたんだなと思っています。

そう思うようになったきっかけは、カウンセラーの先生の進めで通信制高校のオープンキャンパスへ行くようになってからのことです。

そこではわたしの娘と同じように、中学生時代に何もせずに家にこもっていた経験をもつ生徒さんの話や、その親御さんともお話しすることができました。

わたしたち親子と同じように、中学生のころは学校へ行けず苦しんだ子どもたちが多く、今所属している中学校の親子とは価値観が全然違うことを感じました。

親子の心の状態は、一見して違いが分かるわけではありません。元気そうに見えるようなお子さんでも、実は友達関係だったり、勉強に不安を感じていたり、他の子ができるのに自分は出来ない、という葛藤を持っているのです。

そのような悩みはうちの子だけじゃないということを知れただけでも心が晴れていく感覚を覚えました。

わたしたち親子の疎外感もうすれ、自分の庭にも生き生きとした植物が生えてきたという感覚を持てるようになりました。

緊急事態宣言が発令されたりそうでなかったりする中で、確かにニュースでも不登校の子供たちが増えていると聞きます。それと同時に、子供たちを援助する団体も増えているという報道もされます。

しかし、子供たち全員がそれをやれば?という状況にはならないことが現実です。

わたしと同じように、たくさんの親子が学校へ行けないという悩みを抱えていると聞きます。
しかしネットなどの情報で聞いていても、周りでは同じような悩みを持つ親子は多くなく、なかなか周りから理解してもらえない、言葉により敏感になり、じゃあどうすればいいんだと悩む人も多くいることでしょう。

情報がたくさんある時代、ただ一つ、学校に行けないという事柄でも原因はたくさんあるし、そこから何を聞き、どう動くかについてもたくさんの選択肢があります。

わたしの経験が、少しでも多くの人に勇気を持っていただければと思います。

#創作大賞2022

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