NGワード『肛門』
書評の依頼が来た。
掲載される媒体はちょっと特殊なもので
一般の世に出回るものではなく
かなり予定調和が求められる媒体である。
私は迷いなくダリの『天才の日記』を
書評することに決めた。
衝撃を受け人生観を
変えてしまった本であるから
やるからには嘘偽りなく
『天才の日記』を伝えなければならない。
私は思うことや事実をそのまま書いて
事務局に提出した。
しばらく経ってから
後日、事務局から連絡が来た。
「ヱビさん、一点文言を
変更をしてくれないでしょうか」と。
私は書評掲載を全力で却下する
連絡だと思ったので
掲載はするんだという驚きと
はて何を変更するのだと思った。
「肛門を違う言葉に変更出来ませんか?」
とのことだった。
「例えばおしりの穴とか」
「肛門哲学」の言及をしていたので
それに従うと
「おしりの穴哲学」になってしまい
それはそれで異次元のワードに
なってしまうのでうーんと唸った。
肛門哲学を英語に変換して
カタカナで記述する方法も
考えたがそれもまた異次元ワードであり笑
私は最終的に肛◯哲学でどうですか?と
伏せ字にするのはどうかと聞いてみた。
するとOKですとの回答であった。
入稿である。
いやしかし
放屁芸術の「放屁」はOKで
肛門哲学の「肛門」がNGだとは。
論理的な解が見つからない。
それこそが肛門哲学で掘り下げるべき
領域なのだろうか。
危険な執筆なのかもしれないが
時代はダリの感覚を求めている。
それは経営も例外なく!!!