バレンタインデーと日本女性の地位向上
日本のバレンタインが一般化したのは1975年のこと。中学生2年のときにハートチョコレートのコマーシャルが全国で流れてからだと思います。ピーナッツ入りの赤いパッケージに入ったハート型チョコレートは、女子から気持ちを言っていいんだという風潮を作り出してくれました。
♬バレンタインはハートでハートで選ぶの♬という山下達郎の甘い声の音楽と封筒にいれたチョコレートを女子高生が先輩に渡すシーンが日本のお茶の間に流れて、2月14日は告白していいが一気に加速したと思います。中学生や高校生が先輩やクラスメイトへ告白する日。チョコレートがラブレターになった日です。
バレンタインはチョコレートをあげる日ではなくて不二家ハートチョコレートをあげる日だったと記憶しています。50円でした。ハートチョコレートの存在は日本の高度成長からバブルをつなぐ価値転換イベント。女子からの告白の習慣は日本でははじめてのことだったと思います。
付き合うとか告白は男性からのを待っているという意識が強かった当時の女性にとって画期的な記念日。女性からの告白といっても、今みたいな肉食系なんてイメージは全くなくて、謙虚で健気でかつ臆病でした。チョコレートをあげるは振り向いてね、気づいてね的な必死な無言のサインでした。
スマホやメールもましてクラブハウスもティックトックもない時代に、女性からの告白なんて考えられない時代のことです。女子の地位向上と恋成就のためにバレンタインが一般化したのはとてもいいこと。続いてほしい習慣です。本当に日本の女性は自分から発信できるようになって喜ばしいし素晴らしいですよね。
私の場合は中二のバレンタインで、思い切りバスケ部のO君にふられ、翌年に、なぜか同じクラスのM君にハートチョコで告白されました。M君とはその後ホンワカと6人くらいのグループで高校一年の夏休みまで遊んだ思い出があります。子供でした。平和でした。
バレンタイン同様クリスマスケーキの普及にも不二家の功績は大きいです。子どもの頃は不二家のクリスマスケーキが一年で一番の贅沢。不二家とともに日本の新習慣ができてきたような気がします。ありがとう。ペコちゃん。ちなみにミルキーはママの味ですが何回も差し歯が取れてます。不二家レストランのハンバーグは今も大好き。銀座や池袋に行ったときは必ず寄ります。不二家が私ら世代に与えた影響は絶大です。
もうすぐバレンタイン。近所の有名チョコレート屋さんには1粒1500円とか2000円とかの、驚くほど高いチョコレートが並んでいます。毎年この季節は全国から女性が押し寄せていましたが、昨年からは人が減っているように感じます。私は昨日、通販で取り寄せた亀田製菓のチョコ柿の種を全員の机の上にそっと置きました。大好きな亀田さんの大好きなお菓子をこの季節ならではのお裾分け。
読んで頂きありがとうございました。皆様も素敵なバレンタインをお過ごしください。