広告からPRの転職。フィービジネスの時代を迎えて
人生の時間というのは歳をとるほど早くなるように設定されているそう。小学生の夏休みの40日はあんなに長いのに今はもういつのことやらわからないくらいになっています。そして今年はもう100日を切っています。ニューイヤーでオリンピックイヤーとはしゃいでいた時が夢のなかのことのようですね。
そして今年は私の周囲も「人生を見直しはじめています」。人生を見直す=仕事を考え、これからの生き方や働き方を見つめ直すということです。働き方を変えるということは仕事と収入と時間のバランスを見つめ直すこと。私のように途切れず40年間近く働いて来られたのは、節目節目に転職があり、それが自分で決めて自分に合っていたからかもしれませんね。
一番の転機は、広告代理店制作部からPR会社に転職した33歳のときです。前職のPR会社のオーナーに出会い「PR会社は、広告のように手数料でもなく、出来高でもなくヒトと時間にチャージされるフィービジネスなんだ」という契約形態を知りました。クライアントに正しいサービスをするために、長期的かつ深くクライアントと向き合える、クライアントの本業に割り添えると思いその場で転職を決めました。今も10年以上お付き合いしているクライアントが何社もあります。半分以上のお客様は5年越えです。これはとても驚かれることかつ私の考えていた働き方です。
広告代理店時代。日々出向しているくらい毎日一緒にいるクライアントと、日々コンペのための仕事をすることは倍ではなくて10倍くらい疲れるものでした。今来ている1億の仕事よりを誠意をもって成功させるよりも、次に来るか来ないかわからない400万の仕事のためにパワーが取られることのむなしさとジレンマをいつも感じていました。サービスマンとしてクライアントといい仕事をしたいのに、自社のために次の仕事をとらなければいけなかったのです。
馴れ合いにならないために業者を見直すコンペというものは否定しません。しかし、とても上手く行っているプロジェクトを止めてまでコンペをすることでクリエーターが疲弊してしまうこともあるのです。クライアントの課題は担当しかわからないこともあるので、他のプランナーとかをアサインできないこともあるのです。
加えて広告からPRに転職して劇的によかったのは、営業、プランナー、クリエーターという垣根がないことです。誰でもクリエーターで誰でもプランナーで誰でも営業マンです。大きな組織だとそれを無理に分けようとしがちですが、それがクライアントにあまりメリットをもたらさないこともあります。
営業が社内発注をしてプランと制作を依頼するシステムだとなかなか責任者が明快でないのです。クライアントは相談できるパートナーが欲しいのだと思います。この長く信頼できるパートナーであることが大切です。デジタルで解決できること、できないことがあります。このブランドをどうしていくかという問題はヒトでないと解決できないことだと思います。
読んで頂きありがとうございました。皆様がいい働き方と出会えることを期待しています。