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「東大に行け」と仕事場の愛の問題

私は医療ジャーナリストとして、国内外の世界のトップドクターの取材を続けています。取材をして思うのはスーパードクターは話が上手いだけでなく、納得させる力と患者様に寄り添うチカラがあるということです。

先日、小児の発達障害などでたくさんの著書もある高橋孝雄医師と、ご自身が教育虐待を受けられた経験をもつ社会派映画監督の古新舜さんお二人に教育虐待と親の期待の深い溝みたいなものをお話し頂きました。今後編集してYouTubeにあげます。

虐待とは親の問題ではなく子どもの感じ方の問題。「東大に行け」「医者になれ」「偏差値をあげろ」「1番になれ」と言いづけた結果、子供がどう感じるのかどうかだそう。暴力、監禁、育児放棄がない場合は言葉や態度だけでも子供側が虐待と思えば虐待だし、愛されている実感があれば虐待にならないそうです。

監督は4歳から東大に行け、そして一級建築士になれとご両親の言われ続けたことがストレスだったそう。目指していた東大受験に失敗して報告したときに、両親がスンとしたのでそれに傷ついたそうです。私からみたら早稲田の理工学部は十分な学歴なのに親の期待に応えられなかった葛藤と理解されない思いがずっと続いてしまったそうです。

子供の将来のために小学受験、中学受験、高校受験を勝たせることに懸命になってしまうのもわかります。そしてお母さんは子供が〇〇に通っているお母さんになることで自分が達成感を感じたいそうです。

私からみたら学歴は、仕事の能力や幸せに関係ないと思います。されど学歴。教育虐待というのは大人が作った造語。ただし不登校、摂食障害、リストカット、暴力、ひきこもり。それらの兆候が見られたら親に気づいてほしいサイン。学校の先生に相談に行くように気軽に病院に来てほしいそうです。子どもが出しているSOSのサインを見逃さないようにと語っています。

高橋先生曰く監督も含めて子供の問題は全てお母さんの問題。お母さんも苦しいのです。もし過剰に子供に意識が行き過ぎてしまうとかうちの子はおかしいのではとイライラしちゃうのは誰でもあるはずです。そんなときはまずはお母さんが寝る前に晩酌をしたりしてゆったりする。そしてゆっくり寝てみる。お父さんとは教育に関して意見を合わせ過ぎないがよいようです。気になるときはどんどん病院に来てほしいとのことです。そして普段のこどもへの言い方や接し方を大いに後悔してほしいとのことです。後悔は愛そのものだからだそうです。

子供がいない60代にできること。今回のように子育てや生き方に悩むお母さんが見てホッとできるコンテンツを作ることと、公園と街にいる可愛い子に話しかけたりして仲良くすること。子育てって人がやることだから正解はないけど、ただ一つの正解は子供にとってはお母さんの笑顔がすべてだということ。だからニコニコと「そうだね」「すごいね」と強要せずに肯定してあげてほしいなあと思います。

会社も社会も家庭も変わらないと思います。こうしなきゃダメ、こうしないとダメになるは言わずに会話したいですよね。高橋先生が面白いことを言っていました。目的や目標は具体的に明確にこどものときからあった方が成長できる。ただしそれは変わってもいいということです。だから親もこども幸せになるために生まれたので目標はあってもいいのです。ただしそれに執着しないことです。

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