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パンブームの仕掛け人とは

全国の美味しいパン屋さん、ユニークなパン屋さんを紹介しているパンめぐというサイト https://panmegu.com/ を運営しています。今回はパンめぐがなぜできたのかを書いてみたいと思いました。

2011年日本の朝食の主役がご飯からパンに変わりました。2013年人気パン屋さんがひしめく、代々木八幡の路地に、とても小さなパン屋さん「365日」がオープンしました。連日の行列。2坪くらいの店はいつも人が溢れています。翌年の2014年から15年にかけてトーストブームも起きました。銀座のセントルザベーカリーの行列が大きく報道された年です。そして私たちは、日本三大クラッシックホテルの一つ。箱根冨士やホテルのベーカリー部門が都内に仕掛けるトースト店のPRとマーケティングをお手伝いました。パン職人の方は食パンの耳だけでも大きなこだりがあって各店違うこと。パン屋さんのこだわりを聞くのはとても楽しい時間でした。ここもたくさんのテレビ番組で紹介されました。マスコミの方もパンが大好きだったのです。

この頃から近所のパン屋さんで、翌日の朝ご飯のパンを買うから「美味しいパン屋を探して出かける、旅をする」という時代に突入したのです。ぐるなびや食べログに代表されるグルメサイトは数多くあるのにパン屋さんの検索サイトは当時個人サイト以外ほとんどなかったのです。全国のパン好きが気軽に発信できて、それが検索できるパン屋さんサイトのニーズと可能性を感じたのは2014年のことです。

人気パン屋さんがひしめく代々木八幡に日本全国だけでなく中国や韓国からパンだけを楽しそうに買いに来るパン好きの皆さんの情熱と熱意に触れたのがパンめぐ誕生のきっかけでもあります。

スイーツ店でもレストランでもスーパーやコンビニではなくパン屋さんに行きたいいう人がたくさんいることが発見でした。人気パン屋さんでたくさんの人の話を聞きました。そしてそのパン屋さんを応援したいという気持ちに触れました。

四国から来たという30代の看護師さんの二人組。「夜行バスを使って週末に都内に来ます。一つのパン屋さんで平均4000円くらい買って冷凍して自宅に送って毎日食べるのがたのしみです。パンをたくさん買いたいから交通費は節約したいので飛行機ではなくて夜行バスで移動しています」

パン屋さんを探して道に迷っていた台湾からきた若い女性のグループ「もともと日本のアイドルが好きで最初はコンサートで東京に来ていましたが、来日しているうちに日本のパン屋さんが世界一美味しいことに気がつきました。そこからはネットで見てパン屋さん巡りにはまっています。地図だとなかなかわかりにくいのでたどり着けないこともあります」

広島から娘とこられた方「パンが好きで好きでたまらないから自分でも焼きます。自分で焼くと同じもんばかりになってしまうのでやはりパン屋さんに行って、トングをもってたくさんのパンに囲まれにいたいう気持ちになります。東京にはなかなか来られないのでパン好きの方のブログを見てここに行きたいとか娘と話しています」と。パン好きの方は情熱と愛が凄いのです。

一方パン屋さん自身は近所のパン屋さんのことをあまり知りませんでした。「あそこに行列ができているみたいですよね。うちにもついでに来てくれるからありがたいですよね」とか「昔からあそこの店のパンが好きでした」とかこのくらいのことしか知りません。パン屋さん自身は隣のパン屋さんのことはあまり知らないのですが互いを褒めあうのです。

全国のパン屋さんを巡っているパンオタクの皆様は隣のパン屋さんのことにも詳しくかつ親切に教えてくれます。「あそこのパン屋さんの〇〇パンは期間限定だとか」「あそこのシェフは〇〇の店出身だとか」「あそこのカレーパンの肉は鶏肉とか・・」。もっと驚いたのは「ひたすら堅いパンを探して堅くして食べている」とか「もともともっちりしているのに最大もっちりなベーグルを探している」とか話せば話すほどオタク情報満載で面白いのです。

またその頃AKBが人気でした。AKBのメンバーはそれぞれ別の事務所に所属していてマネージャーも別。たから隣で踊っている子のことをあまり知りません。ファンの皆さんは違います。グループの踊りやフォーメーション、個人の情報も本人よりも知っています。そこまで知らなくてもいいという細かいことまで調べてそして語り合いたいのです。これが「オタク」と言われている方たち。「AKBのことはメンバー自身よりもファンのほうが詳しい」「押しメン」という自分が応援するメンバーがいるという事実。この分析がヒントになりました。

そしてパンにもたくさんの「オタク」の皆さんがいました。出会ったパンオタクの皆さんは明るくてとても親切にパンとパン屋さんに関する情報をパン初心者の私に教えてくれます。そして純粋にパン屋さんを応援したいというファンの鑑みたいな方が多かったのです。「押しメン」ならぬ「押しパン」や「押し職人」がいたのです。この方たちが発信するする場所があったらと思ったのが「パンめぐ」の原点です。パン屋さんのことはパンめぐりストのほうが実際のパン屋さんよりも詳しかったのです。

そしてサイトをスタートさせるのにこだわったのはパンめぐの記事をあげてくださる「パンめぐりスト」の存在です。めぐりストはプロのライターできなくて本当にパン屋さんが好きな方が書くことが大切だったのです。純粋にパン屋さんを応援したい、自分の好きなパンを他のパン好きな方にぜひ試してほしいという優しくてアクティブな愛の深いめぐりストの方に出会って2016年にパンめぐをスタートすることができました。構想と準備に2年がかかりました。

https://panmegu.com/

サイトを立ち上げてから4年の間にたくさんの新店がオープン。パン屋さんを応援したいという思いで主婦の方やビジネスマンの方がめぐリストとして活躍されています。空いた時間にパン屋さんに行き好きなパンのことを書くのは楽しいと言ってくださいます。

私たちの食に関する自社サイトの運営はまだはじまったばかりですが、でも楽しく地道に続けていきます。今回も読んで頂きありがとうございました。アクセスが増えてきたのでサイトに関わるスタッフも募集中です。

外食ののブームというのはなかなか継続するのが難しいこともありますが長く続くパンブームを仕掛けていたのは実は全国のパン好きの一人一人の方だと確信しています。



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