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木下昌規編著『足利義政』を刊行します
4月の新刊、木下昌規編著『足利義政』(シリーズ・室町幕府の研究 第4巻。A5判・並製・411ページ。定価7,000円+税)が刷り上がってきました。
本書の目次は下記の通りです。
【目次】
総論 足利義政の権力と生涯 木下昌規
第1部 義政期の政務体制
Ⅰ 嘉吉の乱後の管領政治 鳥居和之
Ⅱ 室町幕府の訴状の受理方法――義教・義政期を中心に 鳥居和之
Ⅲ 管領制と大名制――その転換 五味文彦
Ⅳ 「三魔」――足利義政初期における将軍近臣の動向 家永遵嗣
第2部 将軍直臣と幕府政所
Ⅰ 室町将軍家の女房について――義政期を中心に 鈴木智子
Ⅱ 足利将軍が一門の「名字」を与えること
――将軍側近職制の展開と関連において 設楽 薫
Ⅲ 「政所内談記録」の研究
――室町幕府「政所沙汰」における評議体制の変化について 設楽 薫
Ⅳ 応仁の乱勃発前後における蜷川親元の動向 設楽 薫
Ⅴ 室町幕府政所の構成と機能――文明期を中心として 森 佳子
第3部 義政時代の文化と史料
Ⅰ 東山殿足利義政と被差別民――東山殿造営を中心に 家塚智子
Ⅱ 室町時代公武月次歌会の諸相――応仁・文明の乱を軸に 川上 一
足利義政は室町幕府第8代将軍として知名度が高く、銀閣をはじめとする「東山文化」を花開かせた人としてよく知られています。一方で、政治に関心が無く、応仁の乱勃発の原因を作ったなど、マイナスイメージが強い人物としても知られています。
しかし、近年では義政周辺の再検討が進み、実は意欲的に政務を行っていたことが判明しています。また、義政の執政期には応仁の乱が勃発したように、そもそもが時代の転換期であり、将軍権力や幕府体制の変容を考える上で外すことができません。
そこで本書では、近年再検討が進みつつある足利義政の政治、近臣、女房、政所、文化等に関する重要論文を11本を収録するとともに、戦国期将軍研究の第一人者である木下昌規先生に、研究史をたどりながら足利義政の生涯・権力についてまとめた総論「足利義政の権力と生涯」をご執筆いただきました。今後、足利義政研究をする上で必読の内容に仕上がっています。
本書の刊行を機に、足利義政ならびに戦国期将軍権力、室町幕府の研究がさらに進むことを願ってやみません。
文責:丸山