シンドラーのリストを観て
「シンドラーのリスト」を鑑賞しました
ウクライナ戦争が始まって以来、ウクライナやロシアの歴史、ヨーロッパの歴史や過去の戦争等々について勉強する機会を増やしています。そんな中第二次世界大戦中にドイツ人のシンドラーについて解説したCOTEN RADIOの回を聴いて、お勧めされていた「シンドラーのリスト」を鑑賞しました。
「シンドラーのリスト」
公開年:1994年
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:リーアム・ニーソンほか
賞:アカデミー作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞の7部門で受賞
上映時間;195分
本映画は原作の小説がありますが、小説自体が基本的に史実に基づく話になっています。物凄く端的に、まとめると、第二次世界大戦期のドイツ占領下のポーランドで、迫害を受けていたユダヤ人を安い労働力として工場経営を始めた主人公のシンドラーが、ナチスの迫害に直面するユダヤ人の実態を目の当たりにする中で、自らの私財を投げ打ちながらも多くのユダヤ人の救命を図ろうとしていく物語です。
立派な人なのかな、と思っていたが。。。
映画を観ていくと分かりますが、シンドラーはどちらかというとどうしようもないドイツ人浪費家として描かれています。実際、史実でもそうだったようです。スーパープレイボーイで、めちゃくちゃ贅沢な生活。自分の工場運営に賄賂は欠かさず行う。。
そんなシンドラーが何故、そして、そんなシンドラーだからこそユダヤ人を救えたのか、というところが物語の主軸です。
現代の私たちからすると、作中の世界はまさに狂気です。思えば、世界史で少しユダヤ人迫害について勉強をしても、それは戦時中のいっときであったかのように習いましたが、地獄の時代が数年にわたって続いていたことがよく分かります。ホロコーストもさることながらそこまでの時代もとてもまともな精神で生きていける時代ではないことがよく分かります。
シンドラーはヒーローではないが。。
終戦し、シンドラーは最終的に1000人余りの従業員を助けることに成功しました。しかし、彼にあるのは後悔。なぜあの時贅沢をしていたのか、もっとお金を積めば、助けられた命もあったのにと。。
恐らく、初めからシンドラーが真っ当に生きていたら、ユダヤ人の救出は成し遂げられなかったでしょう。この時代、恐らく、正義で立ち向かって簡単に潰された人が沢山いたでしょう。想像してあまりある恐怖の時代でした。
実業家でナチス党員で、諜報員でナチスに渡りがつけられてお金を沢山稼いでいたからこそ、手を回すことができました。
一方で、シンドラーも、少しでも収容所所長の機嫌を損ねたら、政治家への賄賂や政治力が崩れたら、いつでも命を失う可能性があるそんな状況でした。命が軽いあの時代に、その立場を気付いた一実業家が、従業員のため奔走することは並大抵のことではなかったでしょう。
終戦後に、シンドラーにも従業員にも歓声も喜びも達成感も描かれていません。ただ、ほうぼうの手を尽くして生き延びられた。それまでのあまりに酷い環境に、その事実だけがある、という状況でした。
シンドラーはヒーローではないし、あの時代にヒーローなど存在できなかったでしょう。ただただ、シンドラーは偉大な業績を残したのだとそう思いました。
アウシュビッツやホロコーストのことは同時代の世界の人は当初信じていなかったそうです。
時代は変わって、現代でも同じようなことが起きていないか、歴史に学ぶことは多いと思いました。
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