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読書感想:顔さえよければいい教室 2.竜姫ブレイクビーツ (ファンタジア文庫) 著 三河 ごーすと

【天賦の才能の名の下に、固定概念を壊して踊り明かせ】


【あらすじ】
妹の才能を轟かせよ! 次なる課題はヒップホップ!?



学園内で一大勢力を結成した楽斗と詩歌。次なる課題は踊ってみた配信の人気争奪戦!? 詩歌の致命的なダンスセンスを克服すべく、楽斗はダンス学科首席である竜姫のもとを訪れる――最先端の音楽エンタメ第二弾!!

Amazon引用


ダンスの才を持つ竜姫と共に特訓する物語。 


音楽とダンスは切っても切り離せぬ関係性がある。 それ故に、ダンスは音楽センスをかなり求められる。
あくまで、基本を踏襲しながらも、固定概念を壊す必要がある。
ダンスセンスの無さでお手上げ状態だった詩歌が挑むべき、配信争奪戦。
妹の事を憂慮しながら、藁にもすがる思いで、ダンス学科首席の竜姫に教えを請う。
彼女らの前に立ち塞がるは歴戦のダンサー達。
彼らを尊敬しつつも天賦の才で、障壁を打ち破る様は。
竜姫という新たな仲間を迎えダンスという物の根底に向き合う。

つまらぬ価値観の破壊、それは一つの世界だけではない。
既存の世界への破壊に挑み、新たなる世界を創造する試み。

結成された通称「渋谷軍団」。
運命共同体となった彼等に、新たな難題が突然舞い込む。
それは学園からの通達。
それはミュージシャン学科の期末考査にダンス動画の投稿が必須となったという物。
言うまでもなく引きこもりである詩歌を始めとして、ダンスは専門外である門外漢ばかり。
身内にダンスに得意なものがいないからこその絶体絶命、そこを乗り切るために早速、行動を開始する。

助力を仰いだ竜姫と明確に違うのは、彼等はダンス初心者であるのだから。
一つ一つ、こつこつと練習を重ねていく中で、楽斗は先輩である依桜に知恵を仰ぎ。
彼女とのスパーリングの中で、ファッション学科の有力者を味方につけろというアドバイスを貰う。

だが、ここからが波乱の始まりである。
ファッション学科の首席、亜寿紗に協力を仰ぎに行った所、他学科の生徒であり竜姫の過去を知ると思しき生徒、千石の陣営と諸被りしてしまい、亜寿紗に審査期間を設けられることになり。
審査の結果、彼女は千石の陣営に味方する事になってしまう。

天真爛漫に見えた竜姫が抱え持った後ろ暗い事情。
ダンスの外側からでは見えぬ問題、そこに只一人、勇猛果敢に立ち向かっていく彼女の抱えた物。
それに向き合う中で、王道のやり方ではなく、巨悪を塗り潰すインモラルな価値観で。

悪に対するは正義か。
否、そんなもの名乗れるほど清廉潔白な訳ではない。
悪を為して悪を討つ、巨悪を極悪で塗り潰す。
意表を突いた策であっさりと勝負を決め、詩歌の音で竜姫は舞い。
その裏で楽斗は協力を願った依桜と共に後始末を付ける。

依桜からヒントを得た学斗。
サマフェスへの鍵を握るファッション学科の原宿亜寿沙の存在。
今のダンスに一存がある竜姫とダンサー達の間にある確執を詩歌と協力して容赦なくぶち壊す反骨精神が、いっそ清々しい新しい風が吹きすさぶ。

革命はいつだって、既存の固定概念を破壊する事から始まる。
閉鎖的で、アンダーグラウンド且つ、退廃的な時代錯誤が横行していたダンス界に一石を投じる物となった。

既存を壊すように新たな音に身体を揺らし、刻む様は。

新しき革命で満ち溢れたのだ。



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