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タンレン2

「身体を鍛えているのではない。精神を鍛えているのだ。」


某有名アスリートの言葉ー。
ではない。

半年前、生命の危機を感じてジム通いを始めた貧弱で根性無しだった女の言葉だ。

パーソナルトレーナーを付けてジム通いを始めて7か月。
パーソナルトレーニングを始めた話~①生命の危機を感じて~

安井友梨並のムキムキマッチョになって、上司に対し「おまえなぞ指一本で倒せるわ」と吐き捨てる予定だったが人生そう簡単にはいかない。
しかしいくつか得たものがあった。


快☆KAN

有酸素運動がストレス解消に効力を発揮することは周知の事実。
そんなこと知っている、分かっちゃいるけどやれないだけ。時間も無いし、仕事でクタクタ。そんな余力は残ってないし、お腹空いたし、帰宅が遅くなるし、翌朝も早いし…。

やれない理由を探すことは実に容易い。
タバコや夜更かし、無駄な間食、携帯ゲームなど、必要ないことを辞められないのも人間の性だ。

以前の私はストレスが溜まるとまず思うことは「酒飲みたい」だった。
特段お酒が好きなわけでもない。ストレス解消の方法を他に知らなかったのだ。
それが今は「エアロバイク漕ぎたい」に取って代わった。

「クララが立った!!」並みの変化である。

出典:アニメ名場面集「クララが立った」

クララが立てなかったのはビタミンD不足や幼少期のトラウマ、心疾患など諸説あるが、きっと「私は歩けない」の思い込みの部分が激しいと思う。

「疲れてる時の運動は疲れるだけ」そう思い込んでいたらきっと一生疲れは取れないし、疲れを取るに適した身体づくりは出来ないだろう。

汗をかく爽快感と運動後の気持ちの変化を知ってしまったら、疲れてるとき、塞ぎ込みがちな時ほど運動をした方がいい。

ジムの月会費が勿体ないから、30分だけでも行ける時は行く。
その渋ちん根性が、粘り強くものごとを継続する根性に繋がっていく。

脱力問題

マシンジムエリアを使用する際に困ったことが幾つかある。

・使用後に滴った汗を拭かない
・携帯をいじったまま運動はせず、マシンから離れない
・おしゃべりに興じてトレーニングベンチがただのベンチになっている
・ウエイトをガッチャンガッチャンして煩い
・誤ったフォームでトレーニングしている人を見ると気になってしょうがない

細かいことを挙げればキリが無いが、一番はそこではない。


フンッ ウァァァァア゛ア゛アアアアーーーーーーーア!!!!!!!!!!!


ヤメテwww

重いものを持ち上げるときや、力を要する行為の発声は、潜在能力を覚醒させ、運動能力の制御リミッターを外す効果があるあらしい。(シャウト効果)

ジムエリアの各所から聞こえてくるこの呻き声に、私は反応してしまう。

昔から笑ってはいけないところで笑ってしまう謎の性質があった。
笑いのツボが変なのか「え?そこで?」と周囲に不気味な思いをさせることもしばしば。

忘れもしない今から25年程前の小学校での出来事。

ある日担任の先生が授業とは別の時間に、神妙な面持ちでみんなを着席させ、黒板に文字を書き出した。
私の隣の席の松原くんがシクシク泣いていた。

カッカッカッカッ。

教室に響き渡る、黒板に打ち付けるように書くチョークの音。
いつもは優しい先生が怒っているのは明らかで、得も言われぬ緊張感で教室内は満たされていた。

カッカッカッカッカッ、、、、カッカ


タレ目人民共和国



ブーーーーーッッッッっっ!!! ゲホゲホッ アハッ、ッフゥッッブフォ🐼www

堪えられなかった。
笑い声を咳き込んだかのように必死に見せかけた。
松原くんは「ああああ!!!」と声を上げて泣き出してしまった。

子供は習ったばかりの言葉をすぐに使いたがる。恐らく中華人民共和国を社会科の授業で習ったばかりだったのか。

悲しみのさなかに居る当事者を尻目に笑うなんてどんな性悪だ、鬼畜だ、そこに愛はあるんか?と批判されるだろう。
しかも私も負けず劣らずの垂れ目。明日は我が身である。

しかし、わざわざ黒板に松原くんのあだ名(というか悪口)をでかでかと写生し、知らなかったクラスメイトにもご丁寧に共有し、「彼はタレ目人民共和国ではありません。松原くんです!!!」など念押しするトリッキーな言動と空気感に完全にツボに入ってしまった。

ガキ使の「笑ってはいけない」シリーズなら即アウト👮🚨
アカン警察にハリセンでしばかれまくる。


腹斜筋を鍛えるマシン使用時に笑いそうになると、ふとこの出来事を思い出す。

普段は耳にイヤホンを入れて音楽を聴いているが、たまに敢えてこの呻き声を聞くようにしている。
笑いとの相乗効果で腹筋が八つに割れたらしめたものだ。
(ハッハッハで八つね)

タンレンとは

がむしゃらに筋トレを続けていれば自然とムキムキになれるものではないことが分かった。

人にはそれぞれ適した体型があり、無理せず心地良い程度の運動がベストだということも。

ジム通いをしてからは長年続けてきたヨガには行かなくなった。
離れてみたおかげで「やっぱり私はヨガが好き」と改めて知ることも出来た。

「自分が自分らしく居られる」そう感じる機会や場所を今後も増やし続けたい。

来月から近所の水泳教室でビート板とバタ足から始める「大人の水泳教室」に通う。

泳げないことはコンプレックスの一つでもあり、ダイビングをして美しい珊瑚礁を見たい夢があるからだ。


「タンレン」に終わりはない。刀鍛冶が熱した鉄を金槌でカンカンと打つことを鍛錬という。

人間はある程度、ストレスや試練が無いと成長しない。

出来ないことをひとつひとつクリアしていく為に、能力や技術、心身を鍛えていく。
その過程を楽しんで打たれ強くなっていくうちに、真っすぐで折れない、美しい刀のようになれたらいい。

錆びないよう、切れ味を保つためのメンテナンス(学び)は欠かさないようにしていきたい。


<次回>
はじめての水泳教室。この歳でどんな水着を何処で買えばいいですか問題。
「沈みながら後退する」ある意味凄いゴイゴイスイマーが4泳法の基礎を身に着けるまでの軌跡を辿る。

全く以って余談だが、前回記事の最後に話題にした多田さんとの「SNS問題」はInstagramのアカウントを2つ持つことで無事解決した。

やはり色んな場所に色んな機会を持つことは大事なのだとこじつけてみる。

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