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チガサキ⊿ライフ010 : 節分 (鬼)
1. 豆まき
雪が降り注ぎ、窓からの景色はうっすら雪化粧され、立春のイメージからは程遠い朝であった。早朝から娘はテンションが高く、豆まきの事で頭がいっぱいであった。お腹が痛く調子が悪いのに、何時に豆まきをするのか、誰が鬼をするのか、質問攻めであった。昨年から愛用している鬼の面(息子着用)と、幼稚園で娘自作のお面を朝からかぶり、さながら予行演習をしているようだった。鬼の役を順番にする為、娘が主導で家族のじゃんけんをさせられた。勝った者から鬼の役をする事ができると言う、娘が勝手に作ったルールで行われ、最終的には娘、息子、私、妻の順番に決定された。
2. 買い物
娘の体調がすぐれなく毛布に包まれて横になっていたので、雪の降る中、息子と二人で歩いて恵方巻と豆を買いに行った。溶けきらずに残ったアスファルトの雪を踏みつけながら、二人ではしゃぎながらの買い物であった。病気で来られない姉の分のおやつを選び、豆と巻き寿司も購入して大満足の息子は、終始上機嫌であった。
3. 鬼は外
待ち切れない娘の督促で、夕方から恵方巻を食べる事にした。南南東を向いて食べ始めたが、お腹の痛い娘は一口だけしか食べられず、好き嫌いのうるさい息子は巻き寿司をわざわざばらして具をよっていた。その様子を見かねて、父親の私も言葉を発してしまい、黙って食べる決まりは無残にも破られた。鬼の役も今朝のじゃんけんの決まりは全く関係無く、娘が最初に鬼をやり、次は私がやって終わった。やたらと力の篭った豆が、感情の入った「鬼は、そと」との熱唱と共に妻から投げられていた。かなりお腹が痛い娘であったが、待望の豆はどうしても我慢できずに、力投する妻の横で何個か豆を食べていた。娘は大事を取ってお風呂に入らず寝かせる事にし、息子と二人でお風呂に入ったのだが、湯船で息子のが、口を尖がらせて不平を訴えていた。「皆がね、鬼は弟って言ってたよ。何度も言ってたよ。」確かにそうとも聞こえるが…、節分行事は、大きな勘違いをしている息子の綺麗なオチで終わった。