【動画とレシピ】7月:夏に向け、丈夫な消化力を備えるレシピの作り方〜食事編
暑い時には辛いものを食べようと刺激の強い火鍋を食べたり、かと思えば冷たいアイスクリームやスープでお腹を冷やしたり、夏のお腹事情はジェットコースターのように忙しいです。
アーユルヴェーダでは消化の火「アグニ」を神様のように大事にすることが健康を司るとして、食事は神様に捧げ物をするように行いなさい、としているので、こんな忙しない食事をしていては神様がびっくりしてしまいます。
消化の火=アグニに捧げ物をするように食事をしよう
毎日の食事を消化し、身体へと変換する消化の力は、主に十二指腸に存在する消化の火「アグニ」が丈夫かどうかによって左右されます。
健康で艶のある髪の毛や、貧血にならない十分な血液を生成するには、アグニがしっかり燃えて代謝されることが大事なので、アーユルヴェーダの健康法は「1にアグニ、2にアグニ、3と4も含めて5にアグニ」という感じです。
ドーシャ(体質)チェックにばかり目がいきがちですが、eatreat.の個人の健康相談「食と暮らしのレシピを作る、アーユルヴェーダ・セッション」でもその人の消化力、つまりアグニの強さがどれくらいかということに焦点をあてて、生活習慣や食事についてお聞きしています。
このように重要な役割を担っているアグニですが、この火の強さ、安定具合というのは人によって違いがあります。そして、ろうそくの火に息をかけると細くなり、水をかければ簡単に消えてしまうように、ささいなことで調子を崩しやすい火でもあるのです。
そのため、アーユルヴェーダの食事法ではこのアグニは「神さまのように大切な存在」だから「神様に捧げ物をするように食事をしよう」と伝えています。神さまに氷水をかけたり、腐敗した果物をお供えしたりしないように、自分の体内に入れるものは新鮮で、優しく、手がかけられたものであるべきなのです。
夏は安定した火と新鮮な食材が、健康を司る
消化力は季節によっても強弱があり、アーユルヴェーダでは気温と消化力は反比例するため、気温が一番高い夏が最も消化力が弱い時ということを「生活編」でお伝えしました。
夏は最も消化力が繊細な状態になり、ただでさえ火が弱くなっているので、消化に重い食事を消化することにエネルギーを要します。
例えば、揚げ物やジビエなどの肉類など想像するだけで胸焼けする料理は消化に重いと想像がつくと思うのですが、実はアイスクリームや生野菜、冷たい飲み物なども、消化に重いものに分類されます。
消化活動は、キャンプの飯ごう炊さんをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。飯ごうにお米と水、少々の空間を開けて蓋をして、火を燃やします。この火がアグニです。薪をくべして、風を送ると、安定した火を燃やすことができ、美味しいご飯が仕上がりますね。
ところが、水が極端に冷たいものであれば沸騰して炊き始めるまでに時間がかかり、お米が古く腐敗したものであれば美味しいご飯は炊けない。
このように、安定した火を燃やすことはもちろんのこと、新鮮な食材と適切な温度の水はとっても大切です。
夏に向けて暑くなればなるほど「今日は何を食べようかな」と考える時に、できるだけ美味しいご飯が炊けるような新鮮な食材を選び、体温と大きく差がある冷たいもの、熱いものは避けて、消化に軽く身体に優しい食事を選ぶことが勧められます。
こうして、消化不良を起こさないことで毎日の食事が無事に自分の身体と心の栄養になり、健康を保つことができるのです。それでは、具体的にどんなスパイス使いで、どんなレシピが「丈夫な消化力を整える」のに良いか、チェックしていきましょう。
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【レシピの作り方】身体と心を整えるアーユルヴェーダ料理
eatreat.で月に1度開催する料理教室のオンライン版。「胃腸を休めるレシピの作り方」などテーマに沿って生活と食事のレシピを動画付きでお…
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