6月:真夏に備えて消化力をバランスするレシピの作り方〜暮らし編
湿度と気温はぐんぐん上昇しお店に入ってくるお客様が一様に「暑い暑い」と汗を拭いています。日差しを浴びた後に室内に入ると「気温差が辛い」「急に頭痛がする」「夜眠れなくなる」などの症状が現れる方が多いです。
これは太陽の光を通じて体内のアーユルヴェーダにおけるpitta(火)のエネルギーが憎悪し、現れる不調の一つ。夏の間は物理的に陽の光を避けるため、サングラスや日傘を使うことも良い対処法になりますが、そもそもpittaが増えやすくなっても上記のような症状が現れないようにするには「消化力」が鍵。
気温差や湿気などに負けない元気な身体を作るには、アーユルヴェーダで体力や免疫力と同等の「消化力」を普段の調子で維持することが大事です。暑くなる前からバテて、食欲がなくなりやすい人は要注意。今月は、そんな”pitta”コントロールのための生活法をお伝えします。
さらさらツルツル麺類の食べ過ぎはpittaの流動性が増加
アーユルヴェーダの生理機能(人の身体を動かす重要なエネルギー)の3つのうち、火を象徴とし消化・変換を担当するpitta。
pittaが優勢な体質だと、
(体格)
・中肉中背
・体重の増減はあっても3,4kg
・皮膚が弱い
・炎症(口内炎、皮膚炎、充血など)を起こしやすい
・日焼けしやすい
(性格)
・正義感が強い
・自分の信じる道を突き進む
・熱意があり、議論が好き
・怒りっぽい
などの傾向が見られます。
※pittaが優勢でも、他のエネルギーも同じくらい優勢の場合、上記が全て当てはまらないこともあります。
ご自身の体質があまりよくわからない、という方はこちらを参考にしてください。
●Pittaの性質は油性・温性・軽性・鋭性・流動性
アーユルヴェーダではpittaやvata,kaphaといった生命エネルギーに「性質」があるとしていて、その性質を通じて身体に現れた不調を観察し、治療や予防するにはその性質と「逆のことをする」というのが定説です。
Pittaは「(ちょっと)油性・温性・軽性・鋭性・流動性」など。ちょっと油分を含んでいて、温かく、軽くて、鋭い(目線や喋り方、お通じなど)傾向にあり、さらに流動的。変化に富んでいるというのがこのドーシャのポイント。Pittaが優勢な体質の方は、自分の肌質や体温などを観察して、なるほどなと感じるでしょうか?
「流動性」についてはちょっとはてな?かもしれないですが、夏はこれがポイントで、もともとPittaが優勢だと前へ、前へ、と変化していく様がとても滑らかです。vataの移ろいやすさとは異なり、どんどんと前進していきます。動きの良いタイヤの自転車で坂道をスイスイ進んでいくと、最初は気持ちがいいですが、止まらなくなった時、足がすくんだことはないでしょうか?
流動性が過度になると、ブレーキの効かないスピードになり、身体の安定感が失われます。食事に関しても、流動的なもの、たとえば素麺やパスタなどツルツルすすれて止まることのない食事ばかり摂っていると、pittaの流動性が高まります。
「夏は食欲が落ちるから素麺でいいか」という日が多すぎると、膝に力が入らなくなってしまうのはこうしたことからです。
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【レシピの作り方】身体と心を整えるアーユルヴェーダ料理
eatreat.で月に1度開催する料理教室のオンライン版。「胃腸を休めるレシピの作り方」などテーマに沿って生活と食事のレシピを動画付きでお…
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