これがわかれば食いぱっぐれることはないと言われる簿記会計。その超入門にして核心のシステム『フワッと、ふらっと、簿記会計超入門Ⅱ(損益計算書と仕訳の原理編)』
フワッと、ふらっと、簿記会計超入門Ⅱ(損益計算書と仕訳の原理編)
簿記会計の超入門講座です。既修者の振り返り用としても最適かと思います。
以下の続編で、前編が前提知識となっていますので、前編(現在無料)をまだご覧になっていない方はまずは以下をご覧ください。
13歳の方でもわかるようにできる限りやさしく丁寧に、ビジネスリテラシーの基本である、複式簿記原理の基礎である、損益計算書システムと日常語を簿記会計語に翻訳する仕訳の基礎を説明させて頂きました。
簿記会計の知識・技術があれば、食いぱっぐれることがないとよく言われます。
実際、簿記検定資格などを持っていたため就転職が上手くいったという話もよく聞きます。
しかし苦手な方はトコトン苦手なのが簿記会計です。
簿記検定用のテキストなど見ても、例えば損益計算書などの様式を示すだけで、その原理の説明がないものもあり、よく意味がわからないまま先に進まないといけないので嫌になるという人もいるのかもしれません。
そこで、貸借対照表の原理と並び、簿記会計で最も重要な損益計算書と仕訳の原理を丁寧に概観していきたいと思います。
1. 損益計算書の原理
損益計算書(Profit and Loss Statement;略称P/L. Income Statementと呼ばれる場合もあります)とは、一定期間の経営活動においていかほどの損益が生じたのかを表示する、営利企業の経営成績に関する資料です。
損益(費用・収益)とは、
儲け(収益)と、
儲けを得るために犠牲となった経済価値(費用)のことです。
損益計算書は企業会計において、貸借対照表と並んで決算書の中心になるものです。
貸借対照表が、財産(財政)状態を示すのに対して、損益計算書は経営成績を示す書類です。
いわば、企業の通信簿と言ってもよいものです。
今期どれぐらい儲かって、儲けるためにどれぐらい経費(会計用語では『費用』)がかかったのか、その結果いくらの利益がでたのかを計算する書類が損益計算書です。
ここで簡単な例を使って考えてみます。
例えば、宝くじで100万円当たったとします。
手放しで喜ぶ前に少し考えてみましょう。
この100万円は、そのまま利益といえるでしょうか?
宝くじは、くじ券を買わなければ当たりません。
つまり賞金を当てようと思えば、その前にくじ券を買う必要があります。
仮に最初にくじ券を99万円分買っていたとします。
そうすると本当の意味での儲けは1万円だけということになり、そんなに大喜びするほどの儲けではないことになります。
それよりもはずれて掛け金分のお金を損しなくて良かったと喜ぶべきでしょう。
では以上の話を算式で表してみます。
複式簿記や会計学では、
上記の例の宝くじの賞金ような儲けを収益といい、
また宝くじの掛け金のように儲けるためにはどうしてもかかる経費のことを費用といいます。
そして収益から費用を差し引いてプラスの場合を純利益、マイナスの場合を純損失といいます。
上記の例をビジネスに置き換えて考えてみましょう。
99万円で買ってきた商品を100万円で売ったとします。
(99万円で売ると利益も出ないし損もしません。
99万円以下で売ると損しますので〈これをいわゆる赤字といいます。〉
普通は99万円を超える金額で売らないとビジネスになりません。)
1万円上乗せして売っているので、当然1万円が利益となります。
このような関係を表にまとめたものが損益計算書です。
だたし、貸借対照表のときと同じように計算ミスを避け、計算しやすくするために減算をしない形で表にまとめます。
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