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まだ間に合う読書感想文、ブッカー賞受賞作家・マーガレット アトウッド 著「侍女の物語」を読んだ感想。【ネタバレ】

今回紹介するのは、マーガレット アトウッド の「侍女の物語」です。
マーガレット アトウッドはカナダを代表する作家です。
同作は1985年出版され世界各国でベストセラーとなりました。
それまで地味で優秀な私小説作家というアトウッドの印象を、一気にくつがえすきっかけとなった作品です。
この小説はカナダ総督文学賞を受賞しています。
なおアトウッドは2回ブッカー賞(2000年『昏き目の暗殺者』2019年『The Testaments』)を受賞しています。

侍女の物語はディストピア小説

どっかで聞いたような話だなと思ったら「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でした。
映画の中では、女性は「産む機械」と化しています。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、2015年公開の映画です。
監督・脚本を担当したジョージ・ミラーは、かなりフェミニズムを意識しています。
主人公も女性のフュリオサとなっています。
ディストピアというのは、ユートピアとは逆の世界です。
ユートピアは理想郷ですが、ディストピアは暗黒郷という意味で使われます。

現代から見た感想

「侍女の物語」が出版されたのは1985年です。
1985年といえば、まだベルリンの壁が存在していた時代です。
ベルリンの壁が崩壊したのは1989年です。
出版当時、資本主義・自由主義陣営からみた壁の向こうはおどろおどろしい世界でした。
情報統制がなされ全く情報が伝わって来なかったからです。
「侍女の物語」でも「壁」や「全体主義」という概念が、色濃く作品に反映されています。
1989年にベルリンの壁は崩壊しソビエト連邦も1991年に消滅しました。
現在では、旧共産圏的な暗黒世界がイメージしにくいです。
アトウッドにすれば、「侍女の物語」が出版された1985年より現在のほうがディストピアなのかもしれません。


まとめ


アトウッドはブッカー賞を2回受賞しておりノーベル文学賞の有力候補です。
ノーベル賞は、どんなに業績がすばらしくても存命の人物にしか授与されません。
アトウッドは80歳と高齢です。
今後のノーベル文学賞はアトウッドに注目したいですね。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。


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