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【虐待】難病の僕が父親に殴られ続けていた時の話
ニュースを見ると
ニュースやYouTubeを観ると、難病を抱えた子供が自身の病に立ち向かい、その子供を献身的に支える家族のドキュメンタリーをよく見かける。
そのドキュメンタリーを観た多くの人たちの感想は、
「頑張って!」
「可哀想」
「感動した」
といった感じだと思う。
しかし、僕がこのようなドキュメンタリーを観て思う感想は違う。
僕はいつも難病の子供達をみて、「ずるい」と思う。
病気を抱えているはずの子供を、羨ましいとか恵まれているとかどうしても思ってしまう自分がいる。
その理由が、僕も子供の時にペルテス病という足の難病を抱えていたからだ。
でも、ドキュメンタリーに出てくるような、献身的で病気の子供を支えてくれる優しい家族は、僕にはいなかった。
だから僕は、ドキュメンタリーの子供を可哀想だとは思えない。
足を引きずりながら歩いていた小学生時代
僕は6歳の時に、ペルテス病という股関節が壊死する病気になった。
股関節に激しい痛みを抱き、また歩く際に無意識に足を引きずってしまうようになった。
病気の前までやっていた、サッカーや空手をやめなければいけなくなった。
そして、基本的には家で安静、外出する際は車椅子か松葉杖を使わなければいけなくなった。
学校の昼休みは友達と外で遊べなくなり、教室で一人過ごした。
父はこんな僕を休日に外に連れ回した。
別に、友達と遊べなくなって家でじっとしている僕を気分転換に外に連れ出してくれたわけではない。
父が行きたいところに、母と僕とお供として連れてきたかっただけだ。
僕は、色々なところに連れて行かれた。
・フリーマーケット
・ショッピングモール
・大型スーパー
・家電量販店
どれも、子供の僕にとっては退屈でしかない場所だった。
そして、どこもとても歩き回る場所。
さらに、父は知っていた。
僕は別に歩けないわけでないと。
父は僕が足の病気という事実を受け入れられなかった。
自分の息子がそんな面倒な病気にかかるわけがないと。
だから、外出時、僕は松葉杖も車椅子も持たせてはもらえなかった。
「意識すれば、治る!」
「足! 引きずるな!」
声が響きわたるショッピングモールで父はそう怒鳴り散らかした。
当然周囲の視線が痛かった。
でも、それ以上に痛かったのが、怒声とともに降ってくる父の拳だった。
たまに、車椅子で出かけることを許可してくれる日があった。
なぜだろうと思いながらも、父についていくと目的地はゲームセンターだった。
当時、父がハマっていたドラゴンボールのゲーム機の前まで来ると、父が急に、
「おい、立て!」
と言って、僕を車椅子から立たせた。
すると、父は、僕の車椅子に座り出し、そのままゲームを始めた。
父は座ってゲームをするために、僕に車椅子を使わせたのだ。
僕は父がゲームに飽きるまで、長時間ゲームセンターに立たされた。
僕が泣いて、車椅子を返してというと、やっぱり殴られた。
いつも休日家に帰る時には、頭にたんこぶが何個もできていた。
長時間歩いたせいで足もめちゃくちゃ痛かった。
それが週末には土曜、日曜と二連続でやってきた。
僕は週末になるのがとても嫌だった。
でも、ある日を境に、怒鳴られることも殴られることも慣れてしまって傷付かなくなっていた。
足は当然痛かったけれど。
でも、怒鳴られるよりも、殴られるよりももっと辛いことがあった。
それは、家族で近所のスーパーに行った帰り道。
僕たちの前に足に障がいがある男性が特徴的な歩き方をしていた。
僕よりも深刻な病気だったのだと思う。
父はその障がいの男性を指さして大声で、
「おい! よく見てみろ! お前はあんなみっともない歩き方をしているんだぞ! 恥ずかしいと思わないのか!」
と言った。
当然、障がいのある方にも聞こえたと思う。
僕の父のせいで、僕と似た境遇の人を傷つけてしまったと思った。
そのことが、自分が殴られること以上に辛かった。
病気になってから、一年位経ち、医者から松葉杖も車椅子ももう必要ないと言われた。
足の痛みもなくなり、僕の生活はだいぶ楽になった。
しかし、足を引きずる癖はまだ治っていなかった。
病気のせいで、両脚の長さが不均等になってしまったことと、足を動かさない生活をしていたせいで、筋肉が凝り固まってしまったことが原因だった。
これが意味することは、松葉杖が取れても父の虐待は続いたということだ。
父と出かけるたびに殴られる。
医者から許可が出たことでサッカーを再開した。
しかし、サッカーの練習が土日にあることが原因で、僕を休日に連れ回せなくなり、父の機嫌がどんどん悪くなった。
その結果、
「足が悪いんだから、どうせ、サッカー選手にもスポーツマンにもなれないんだから、さっさとサッカーやめろ!」
「誰がお前のサッカーの費用を出してると思ってんだ! お前がサッカーをやっていなかったら、あのテレビを買えたんだぞ!」
などの、嫌味を毎日言われるようになった。
僕はいつの間にか、大好きだったサッカーが嫌いになっていた。
これらの暴力は、僕が足を引きずらないで歩けるようになった12歳まで続いた。
でも、こんな父親なので、これで虐待が終わるわけでもなく……
別の理由で殴られる日々が続く。
また、父方の祖父母にも、別の虐待を受ける。
あと、足の病気のせいで学校ではいじめに遭う。
そんな甲斐あって、当然のごとく鬱病になり、引きこもり生活が始まる。
僕の人生辛いことばっか。
ここらへんの話はまた今度。
とりあげず、今日はここまで。