言葉も枯れて ただ愛だけ残ればいいね
あんまり、人に本をオススメしないたちだ。
私の好みと、他人の好みの差なんて全然わからないし、私は小心者なのだ。
拒まれたら、傷つく。
一度、むちゃくちゃ私に色んな本を勧めてきて、私の好みじゃない本もちゃんと読んで感想を言う相手がいて、その人なら、と思い、貸したマンガがある。
返して貰ったとき、その一言
「なぎさんて、つまらない本読むんですね」
それは鋭く心をえぐり、私は今もあの一瞬を忘れられない。
だから、こうやってnoteに書き殴るのは本当に自分の備忘録だし、誰かにオススメしようとは思ってない。
北にすらめったに読んでみて?とさえ聞けない。
相当悩んで、ろびこの隣の怪物くんと、逃げるは恥だが役に立つ、を勧めたらハマってくれた。嬉しかった。
ちなみに、その時貸した本は、一度処分した。
数年前、Kindleで上がってきて、再度購入。
やはり、私は、この世界観が好きだ。
萩尾望都は、母のコレクションにあり、私も中学生の頃から愛読している。
トーマの心臓、ポーの一族、この娘売ります!銀の三角、たくさんありすぎてなにが1番好き?と言われると困る。
好きな作品なら、アロイスかなあ。
でも、1番胸を打ったのは海のアリアだった。
私は、子供の頃、何故か慣例のようにクラスメート全員が行くと決められていた音楽教室にも行かせてもらえず(へんな慣例だな)、マーチングバンドもどうしてもトランペットが吹けずついていけず、中学の吹奏楽部でクラリネットに触れるまで、授業以外は音楽を習ったことがなかった。
また、うちはへんな家で、どういうわけだか、音学番組絶対禁止の家だったので、流行りの歌もアイドルも全然わからないまま育った。
でも、子供の頃から歌う事が好きだった。
勉強は国語と社会以外は壊滅的、譜面も読めない、劣等生の私は、耳から入る音だけが全てで、唱歌、アニメソング、祖母のよく歌う演歌、耳に入るものは全て歌った。
(未だに私は夢芝居がおはこなのだよ)
息遣い、ため、ビブラート、コピーする事が楽しかった。
だから、音楽を題材にした作品はたいてい好きだ。
でも、のだめカンタービレとか、理屈が出てくると難しい(と言っても、のだめ自身は理屈じゃないけど。あいつは不潔すぎて嫌いだ)、感性だけで音楽を楽しむ、そんな時にこの作品はぴったりだ。
また、SFだから色々設定はぶっ飛んでいるが、優等生の裏の顔、友人たちの本音、苦しい過去を上手く組み込んで、さすが大御所、というステキな作品だ。
…ま、つまんないらしいっすけどね。
お前が押し付けた宮原みゆきのレベル7はなんだよ!意味わかんないし!なんかしょぼいし、私の好みじゃないよ!お陰で宮部みゆきしばらく嫌いになったじゃん、もったいない!
面白くなかったからって、田口ランディのコンセント押し付けるなよ!結構読ませたけど!
ぼっけえ、きょうてい、貧乏怖いって話ですね、で済ますなよ!浅い感想だな!
梨木香歩勧めんなら、からくさからくさからにすんなよ!りかさん買ったし、西の魔女が死んだも結局買ったじゃん!
…悲しくて、怒っていたんだなあ、あの時。
大人の対応で全て飲み込んだふりをしていたけれど。
だから、私は誰かのおすすめを決して否定しない。
興味を惹かれたらすぐ読むし、聴く。
あの時の悲しくて丸まって自分を守りたかった私と同じ体験を、誰かにさせることはないじゃない。
まあ、海のアリア、最後は打ち切りか?ってな半端な終わり方をしてはいるのだけれどね。
死の星で、あの人の為にレクイエムを歌い奏で、力尽き、それでも残ったものはなんだろう。
ああ。
怒りって、今の自分を傷つけ蔑ろにする感情だけど、素直に発散すると、過去の私が少し楽そうに見える。
怒鳴り散らした今日は、ゆっくりも出来ないな、病院はしご、リアル買い物マラソンの日だ。
北とまた語り尽くして、この話もしてみよう。
悲しくて怒ってたんだよ。
声が枯れるまで伝えるから、そのとき、2人に訪れるものを待とう。