『イタリアの食べられる世界遺産?』
年間を通じてイースター、夏休み、クリスマス前に職場の人、友だちと集まって食事をする機会がいつも以上のイタリアですが、ホームパーティを除き、お店選びは至難の業、グールプチャットで日を決め、店を決め、時間、誰が予約するか、個性豊かな(自己主張強め、笑)イタリア人たちと何かを決めるのは大変なのです。
日本に比べてベジタリアン率、ベジタリアンでなくても肉は食べない人率も年々高くなっている気がします。
そこで食べ物の嗜好が合わない場合でも何となく満場一致なのがピッツァの選択肢です。
2013年、ユネスコ無形文化遺産に『和食』が登録されましたが、同時にイタリアを含む地中海沿岸諸国の『地中海料理』が登録され、さらに2017年は『ピッツァの職人業』が登録されました。
イタリアでは『ピッツァ』と言っても各州で異なり、日本人をはじめ、外国人が想像するピッツァはおそらく『ナポリ・ピッツァ』でしょう。
そして、イタリアで人気ナンバーワンのピッツァは、王道の『マルゲリータ』、トマト、モッツアレラチーズ、バジルのシンプルなピッツア、何かにつけて王道を好むイタリア人らしい選択でしょうか。
ただし、水牛のモッツアレラチーズを選びたい場合は、メニューに表記されている材料覧に『Buffala ブッファラ』の文字を探してみてください。
ワイン王国のイタリアですが、ピッツアのおともは圧倒的にビールが支持され、飲めない人や子どもも炭酸系飲料を選びます。
また、『ピッツァ』あるあるなのが、食べたあとにやたら喉が渇くのは、生地の十分な発酵、熟成がされていない証とも言われています。
筆者もあのもっちりした生地、薪窯で焼いた焦げ目、美味しいピッツァには目がないです。
ちなみにあのピッツァの淵部分は『コルニーチョーネCornicione』と呼ばれています。建築用語では軒や壁に帯状に突出する装飾のことを指しますが、ピッツァを飾る額縁のような役目を果たしているあたり、イタリア人の味わいへのこだわりだけではなく、言葉の選択のうまさが感じられますね。