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改善か悪化か?それが問題だ!; 治癒の法則

治るってどういうことだろう?

不調があった時、薬を飲んだり治療を行なっている時、皆さんはどうやってその治療法が効いていると判断しますか?

例えば、
痛いところが痛くなくなった時ですか?
不快な症状が一時的であっても気にならなくなったからですか?
悪いところを切り取ったり取り除いたりしたからですか?

"To be or not to be, that is the question." 「生きるかべき、死ぬべきか、それが問題だ」シェイクスピアのハムレットの名台詞です。
「生きるか否か」と訳すべきだとか、訳し方や解釈については何百年も議論されていますが、そこはここでは気になさらず、、、(笑)
これを文字って英語の表現では究極の選択の場面やユーモアとして色々なことに使われます。
私たちホメオパスにとっては、まさに、"To be cured or not to be cured, that is the question." 「治るか治らないか、それが問題なのです!」

時々、悪化しているのに気がつかず、好転反応だから我慢しなきゃと言ってレメディの摂取を続けて取り返しのつかないことになった方を目にしたり、お話を聞いたりします。
何か心身の不具合に対応しようとする時に、西洋医学であっても、東洋医学であっても、ホメオパシーであっても、どんな療法を選んだとしても使える知識だと思いますので、今回は”健康になってるか?”もしくは、”悪化してるか?”の確認ができる方法、ホメオパシーで言う所の”治癒の法則”について説明します。

真の健康を手に入れるために、ホメオパシーの哲学の一つ「治癒の法則」を覚えておいてください!
UnsplashのNatalie Graingerが撮影した写真

治癒の3つの法則

では、どうやってホメオパスが改善か悪化かをを判断しているのしょうか?
治癒には大きく分けて3つの方向性があると言われています。

  1. 内側から外側へ

  2. 上から下へ

  3. 今から昔へ

それが一体何をするのか一つずつ説明していきます。
まずは1つ目と2つ目を一緒に説明するところから始めます。

もしも体全体、心全体が病に侵されていたとしたら、命を守るために、あなただったらどこを最初に守るべきだと思いますか?

大抵の人は「心臓」とか「呼吸」とか「脳」と答えるのではないでしょうか?
命を動かしている機能が止まってしまったら人間は死んでしまうので、大切なところを正常に近い状態に保つことが重要です。

改善:内側→外側、上→下

まずは体の中と外で見ていきましょう。
先ほどあげた血液を体に送る心臓や、呼吸をするのに欠かせない肺などの臓器は全て内側に配置され、肋骨で衝撃から守れるようになっています。それはやはり、命を守る上で重要な臓器だからに違いありません。

上と下ではどうでしょう?
脳は頭のてっぺんにありますが、命を守るために周りに危険がないか見たり、音を聞いたりする器官も頭部に集中しています。
その下には先ほどお話しした心臓、肺、など大切な臓器があり、さらに下に行くと命の危険が少ない臓器になっていきます。
例えば、腸の一部を切り取ったり、腎臓を一つとったり、子宮や睾丸をとったり、足を切断したとしても命は保つことが可能です。

要するに、重要な臓器から、より重要度の低い臓器に向かって治癒をしていくとも言い換えることができます。

治癒の法則の①上から下へ(紫の矢印)と②中から外へ(白い矢印)

中から外でもう一つ加えたいことがあります。
それは感情です。悲しみ、怒り、恨みなどの感情や、涙や鼻水をはじめとした排泄を押し込めて、なかったことにしてしまうことは体への負担となっていきます。
治癒をするためには外に出すことが大切です。

悪化:外→中、下→上

病が悪化するときはその逆になのです。
要するに、安全なところで、気づいてもらいやすいところから症状は始まります。
「今のあなたはこんな感じだから、何かに気づいて今対応することでもっと深いところに症状が行かないようにしてくださいね」というメッセージでもあることを覚えておいてください。
ストレスがあったとき、蕁麻疹が起きたりして、かゆいとか痛いとか、赤くなってるなど、分かりやすい皮膚に最初に現れることが多いのもうなづけるのではないでしょうか?
そこで誤った抑圧的な治療をしたり、なかったことにして目を瞑ったりして無視していると、胃潰瘍になったり副腎や肝臓などの不調が起こったりするかもしれません。

年輪はどんな生き方をしてきたかを知る大切なサイン
UnsplashのMarcus Urbenzが撮影した写真

今から昔へ

3つ目の今から昔へについて説明をしましょう。
私たちが木だと想像してみてください。今ある症状は見えるところ、すなわち、一番外側の木の皮の部分です。
その症状を読み解き、それと似たような症状像を持つレメディを摂取すると、その外側の皮がむけて、1年前の私が姿を現します。
同じように、そこに合わせたレメディを選ぶとまた一枚皮が剥がれて行くというようなイメージです。それを繰り返して行くと、一番コアな部分にたどり着き、本来の自分を取り戻すことにつながるのです。

どんな人でも十二単のように自分を守るために何枚も鎧を纏っていることがあると思います。それは、今につながる性格だと思っている部分であったりすることも多くあります。
重たいものを着ていたら身動きもできません。
一枚ずつ脱ぎ捨て、身軽で、自分らしく生きられることを目指してホメオパシーのコンサルテーションを行なっています。

先ほど中から外へ感情を出すというお話をしましたが、今ある症状が何年も前に経験した抑圧した感情だということもよくあります。
皮むきをしているうちに気がつくことがあるのです。
気が付いた時が治癒のスイッチです。

あの頃のなんでもできると信じて疑わず、瞬間ごとを精一杯楽しんでいた私に戻ろう!
UnsplashのSenjuti Kunduが撮影した写真

治癒の法則を健康の基準に

どこに今症状が出ているかでご自身の健康度合いを知る指標になることがお分かりになったかと思います。
私たちホメオパスは、心も体も健康になっていただくために、または健康かどうかを図るために、この3つの方向性がきちんと取れているかをみながら判断していきます。
もしも逆行していることがわかったら、そのときはレメディを変えたり、アプローチを変えたりするのが私たちホメオパスの経験や知識のなせる技です。

もし、お願いしている医師や療法家やホメオパスがこの方向性を無視して「好転反応だから我慢してください」とおっしゃる場合は、その理由や我慢すべき期間をきちんと聞いて、ご自身で信頼できるかどうかを判断してください。

私のホメオパシー体験

私が受けたホメオパシーに感動したことをシェアして終わりにしたいと思います。
ホメオパシーとの出会いは以前書いた通りなのですが、その後の話です。

ホメオパシーに出会う前、私はすごく真面目で、言われたことを素早くきちんとこなし、誰もが頼る優秀な秘書のような仕事をしていました。小さな頃から「まどかちゃんに任せておけば安心だ」と言われていたほどです。
ホメオパシーに行き始めた時、レメディのIgnatiaイグネイシアやStaphysagriaスタフィサグリアなどのレメディをもらってとても気持ちや症状が軽くなっていました。

一枚ずつ今に近いところを剥がしていった先にあったものは!?

ある日、9.11の話をした時に私が泣き始め「どうしたの?」と言われて「その時に亡くなった人や遺族の人の気持ちになってしまった」という私に、Phosphorusフォスフォラスというレメディをくれました。

それを摂ってからというもの、困ったことにちゃんとすることができなくなってしまったのです。
潔癖のように綺麗にしてた家が乱れ、時間もルーズになり、できることが減りました。
でも、同時に人前で話をしたり、自信が持てたり、主体性が出てきて物事を自分の意思で判断することができるようになり(辛い結婚生活にもピリオドを打ちました!)、たくさん新しくできることが増え、楽しい日々に変化していきました。
病気がちでか弱かったあの頃よりも、健康でより楽にいきられるようになったのです!

しかし、日本に帰ってきてから両親に「こんな子に育てたつもりはない」と何度も言われることがありました。
そこで気が付いたのは、「私って、あんな子に育てられたんだ!」ということでした。
どこに出ても恥ずかしくない、いわば完璧とも言える私に仕立て上げてくれたことは感謝しますが、同時に自分ではない「私」になってたから、いつも調子が悪くて、病気がちだったんだとわかったのです。

日本は家庭でも、学校でも教育や道徳を押し付けられて苦しい思いをしてしまうことや、それを私のように素直に受け入れる体質の人の場合は、苦しいことすら気づかないで生きていることも多いかと思います。
ホメオパシーに出会うことで、始めは身体的な症状からかもしれないけれど、今から昔へアプローチすることで気づくことは多いはず。
私のクライアントさんたちもどんどん変わっていくのを毎回見るのが楽しみです。

とは言いつつ、私自身、最近また生きづらさを実感するようになって来ました。
ホメオパシーの治癒はスパイラルで、自分らしさを取り戻すというゴールである山の頂上に行き着くまでには同じところ(角度・方位といえばわかりやすいでしょうか?)を通ることがあるのです。でも、少し前よりも良い状態で。
またホメオパシーの大きな助けが必要だなと感じているところです。
私の人生のターニングポイントには、ホメオパシーがいつも力になってくれています。

今回は「好転反応」という言葉を何度か使ったので、次回は好転反応についてお話ししたいと思います。

毎月第3火曜日に更新予定です。
お楽しみに!

Madoka Fujita SDSHom