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「採用に強い会社は何をしているか」から学ぶ採用設計

本を読んで自分なりのアウトプットをnoteに残しています。
本日は採用に関わる方にお勧めしたい書籍「採用に強い会社は何をしているか ~52の事例から読み解く採用の原理原則」からの学びを残していきます。

採用に関わっている方はすでにご存知の方も多いはず。青田さんの書籍です。noteも大変参考になります。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

「出会う」「見立てる」「結ばれる」という流れに沿って、採用プロセスの説明とともに各社の事例が紹介されているこちらの書籍。

「採用に強い会社」は、この「出会う」「見立てる」「結ばれる」というプロセスをしっかりと自社ならではの施策に落とし込んでいることがわかります。

事例をそのまま真似るのではなく、自社に置き換えるとどのような施策ができるのか?を考える際にとても役に立つ本です。
採用活動に何かしらの課題感をお持ちの方は、ぜひ一度お読みいただき、自社の課題に落とし込んでいただきたいです。

出会う-「いい人」と出会うためには

まずは見つけてもらうこと、そして自社に興味を持ってもらうことが必要です。
出会うためのおもな手法としてはメディア・エージェント・リファラル・スカウトがあり、それぞれの活用や取り組み、重要なポイントが書かれています。

特に印象的だったのはメディアの活用法で、届けたい方に合わせて屋外広告やCM、自社HPの魅せ方など企業によって施策は様々です。
ただ面白いことをやるのではなく、「届けるべき人に届ける」ためにチャネルの選定を行い、そこから「自分のことだ」と感じてもらうことが必要。
わかりやすいのは「営業経験をお持ちの方」のような経験ですが、欲求や悩み・共感で振り向かせるという方法もあります。

例えば、「決められたことを正確にこなせる方」をターゲット人材にしているキムラユニティー社の求人広告。

「言われたことを言われたとおりやるのが得意です」って、どうして言い出せなかったんだろう。

「やりたいことが明確にないけど、言われたことをコツコツとこなしていくのは得意。ただ、そういうことを面接でいうと不合格にされてしまいそう」というターゲット人材の気持ちに寄り添った広告で、心の距離を縮めています。

採用したいポジションが、どのような方が活躍していてどのような気持ちに響くのか?ということを想定してメディアに反映させることが大事であるととても学びになります。

その他メディアで出会う大事なポイントとして「人に伝えたくなる仕組みがあるか」「他社にはない差別化要素があるか」「不安を想定し、先回りして対応できているか」等9つのポイントが書かれています。
これらのポイントをいかに活用できるかで採用力に差が出るのではないかと感じます。

見立てる-ミスマッチを防ぐためには

出会えたことはスタートライン。そこから自社にフィットするかどうかを「見立てる」ことが必要です。
※「見抜く」「見極める」といった姿勢はミスマッチの元になりかねないという想いから「見立てる」という表現をされています。
採用担当は謙虚な姿勢が大事・・!

何を見立てるか(人材要件の設計)、どう見立てるか(選考方法)、誰が見立てるか(選考担当者)について順を追って解説されています。
ここでは「何を見立てるか」について一部をご紹介させていただきます。

採用活動は「人材要件」の設計からスタートします。要件が粗い状態だと、ミスマッチを招くことはもちろん、採用活動が非効率になってしまいます。
なぜなら「コミュニケーション」という言葉一つでも、人によって思い浮かべることが異なるためです。

ではどのように設計したら良いかというと、業務・カルチャーから選考設計まで一貫性を持たせることが大事です。

まずは、採用ポジションの業務内容・特徴や自社のカルチャーなど「fact(事実)」の列挙をしていきます。
例としては、電話問い合わせ対応(困っている、急いでいる、怒っている)、取扱い品目が増えるため対応内容も増える、意見が通りやすい、顧客満足度を重視している、等。

次に、列挙した「業務・カルチャー」に対して「人材要件」「期待行動」をつなげていきます。
「期待行動」まで明文化・言語化されていると採用に関わる社内関係者同士で精微に目線合わせができ、応募者も自身がマッチしているかどうかがセルフスクリーニングされやすくなります。
例えば「電話問い合わせ対応(困っている、急いでいる、怒っている)」に対しての人材要件は「コミュニケーション力(意図の察し、スピード調整、不快の少なさ)」期待行動は「電話の問い合わせに、正確に、相手のテンポに合わせて、気持ちよく答えられる。テンパらず、落ち着いたコミュニケーションができる。不理屈なことを言われてもキレない。」といった具合です。

これを最初に列挙した「業務・カルチャー」ごとに作っていきます。
採用担当社一人ひとりが解像度高く理解するため、ビックワードで終わらせないよう、なるべく具体的で誰もが同じ姿を想像しやすいレベルまで落とし込む必要があります。

ここで設計した人材要件に対して、「どう見立てるか」「誰が見立てるか」という点についても本書に詳しく書かれており、とても参考になります。

結ばれる-内定自体を防ぐためには

良い方と出会い、自社に合う方を見立て、最後に「結ばれる」までも大事なポイントがあります。
「売り手市場」になっている今、内定辞退が増えており、エン・ジャパンが2018年に発表した「中途採用における選考辞退」のアンケートでは、50%の企業が「辞退が増えた」と回答しており、反対に「辞退が減った」という企業はわずか4%だそうです。

エン・ジャパンの2022年9月のアンケートを見てみたところ、内定後辞退は39%となっています。
魅力的な人材ほど採用競合も強力となるため、内定辞退を防ぐためにも施策が必要となります。

内定辞退「7つの失敗+1」

1.口説き始めるタイミングが遅い
2.口説きに必要な情報を入手していない
3.採用担当者の技術が不足している
4.オファーにありがたみが感じられない
5.自社の魅力に向き合えていない
6.場当たり的で戦略がない
7.役割分担ができていない
+1.内定応諾後のフォローが不足している

内定後にもしっかりと施策の設計が必要だということがわかります。
出会う・見立てるの設計まではしっかりやっていても、内定後の施策を徹底している企業の方は少ないのではないでしょうか。
良い人が来てくれるのに、なかなか採用に繋がらないという方はぜひ本書を参考に内定辞退のための設計をして見ることをお勧めします。

本書では様々な企業の採用施策事例が載っていますが、青田さんご自身でも書かれている通り、自社の採用に活用する際に「同じようにやれば良い」ということではありません。
事例をもとに自社であればどうやったら良いか?の枠組みが学べますのでぜひに。

私がこのnote内で書いた内容は一部ではありますが、採用に強くなるためにやることって本当にたくさんありますよね。

ネームバリューだけでなく、採用力が強いと言われる企業はいかに自社を理解し徹底した施策をされているということがわかります。

色々やりたい施策があるけど、やる時間も人もいないというお悩みをお持ちの方がいましたらご連絡ください。
あなたの会社に合う採用のプロと一緒にプロジェクトを組んで支援します。

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