芥川龍之介「西方の人」「続西方の人」
久しぶりに芥川龍之介を読もうと思い、どの作品にするか迷いました。
面白かった作品の再読も考えたのですが、初めて読む作品を選びました。
しかもその作品は遺稿となった作品です。
今までもキリスト教を題材とした芥川の作品は読んでいましたが、まさか最後の作品がイエスにかかわる作品とは知りませんでした。
芥川の作品は好きで読んではいましたが、全作品を読みたいと思ったことはありませんでしたので不勉強だったかもしれません。
この作品を読んで、芥川がイエス(作中クリストと表現)にいかに傾倒していたかが伺えます。
本書から芥川の心情が伺える箇所を引用します。
以下ー芥川 竜之介. 西方の人 . 青空文庫. Kindle 版
以下ー芥川 竜之介. 続西方の人 . 青空文庫. Kindle 版
芥川龍之介は、昭和2年7月24日に自殺しています。
「西方の人」は末尾に(昭和2年7月10日)、「続西方の人」は末尾に(昭和2年7月23日遺稿)と記載があります。
死の直前の本書は、どのような思いで書かれたのでしょうか。
わたしには、芥川龍之介の心情が分かりようもありません。
ただ、クリスチャンではないわたしにも、というよりクリスチャンではないからこそ、なにかイエスという人に対する芥川の思いに沿える心持がします。
信仰に縋ろうとしても縋りきれない苦しみを抱えながら、死を選んだのでしょうか。
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