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実話怪談「びっくりばあちゃん」
もう三十年以上前の話ですが、今でも忘れられない出来事を書きます。
当時、私は家からすぐ近くのお寺にある幼稚園に通っていました。周囲にも大小さまざまなお寺や墓地、さらに昔ながらの商店街もある町の一角にあった、小さいながらもとても明るく楽しい幼稚園でした。
普段は夕方になると母親がお迎えに来てくれるのですが、パートで勤め始めてからは時々おばあちゃんが徒歩で迎えに来てくれることがあって。
幼稚
実話怪談「瑠璃色の蝶」
近在では豪傑として知られたウチのバア様ことノリコさんは霊感というハッキリしたモノこそ無かったが、妙な勘の鋭さだとか、物事を見抜く力みたいなものは人一倍あった。
そんな気風の良さと恰幅の良さを併せ持つ豪傑ノリコさんの心霊体験っぽいものを幾つか、生前に聞かせてもらっていた。
たとえば晩年に差し掛かるころ、長年の不摂生がたたっての糖尿病も脳梗塞も心筋梗塞もなんのそので食いたい放題食っていたので合
短編怪談「仮眠する幽霊」
とある地方都市のごみ焼却施設で働いていたNさんという方の話。
数年前。そこに勤めていた武藤さんという方が急病で亡くなられた。武藤さんはNさんとほぼ同期入社のベテランで、亡くなられた当時は五十代前半。まだまだ働き盛りだったうえ、仕事も出来たし人当たりもよく、同僚や若手、施設の事務方からも慕われていた。
小柄で華奢な体型に角刈り、銀縁の眼鏡。真面目なおじさんを絵に描いたような人だった。
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