![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152749060/rectangle_large_type_2_01be64c69878e7fa66b0efff1e433b72.jpeg?width=1200)
100-大建中湯より愛をこめて-山椒編②
しびれる
孤独のグルメファンの皆さまこんにちは。皆様は孤独のグルメの第何話が一番お好きですか?ファンにとって悩むところですが、私はSeason1のEp3が一番好きです。
原作者の久住さんがEp後お話する場面で、「麻…しびれる」ってやり取りがあります。この麻を体験せねばと、先日、楊2号店に行ってきました。ドラマの中でもおすすめの汁なし担々麺を食べるはずが、いざ行くと、麻なら麻婆豆腐でしょうとなぜか気が変わってしまって、麻婆豆腐を注文してしまいました。めちゃくちゃどでかい皿でサーブされます。まずそこにびっくり。どんぶり飯がほしい、と思う瞬間です。
本気でしびれるおいしさでした。
goo辞書には「しびれる:①からだの一部または全体の感覚が失われ、自由がきかなくなる。②電気などを感じてびりびり震える。③心を奪われてうっとりする。強烈な刺激を受けて陶酔する。」って書いてあります。うっとり、まさにそれです。ふるえはしませんでしたけど。
麻
大建中湯の味はまさに麻を感じます。大建中湯の字には湯が含まれていますので、お湯に溶いて内服するのが良いといわれており、お湯でも少し溶けにくいですが、お湯に無理やり溶いて少しずつスプーンにすくって飲んでみると、生姜と山椒の味がします。食べた後は舌のビリビリが続きます。正直、私はオタネニンジンだけを食べたことがないのでオタネニンジンの味は分かりませんでした。
陽を鼓舞・発散させる生薬
山椒:
主な作用部位:胃・大腸・腎
特徴:冷えて動きが悪くなった腸管を動かす作用に優れる
大建中湯は腹部手術後などおなかが冷えて動きが悪くなっていそうなときによく処方されているかと思います。
麻ってやつは漢方の中ではよく出てくるので、ほんとややこしいです。麻黄附子細辛湯、麻黄湯、麻杏甘石湯、麻杏薏甘湯の麻は麻黄の麻ですし、麻子仁丸の麻は麻子仁の麻です。麻黄や麻子仁がどんな味がするのか、残念ながら私は単独で食べたことがなく、わかりません。麻黄はエフェドリンっていうイメージが私の中に住み着いているので、あまり食べたいとも思わないです。麻子仁丸は丸薬なので、味を確かめる前に飲み込んじゃっていますのでこれも味がわからない。麻子仁と似ている名の杏仁から想像するに、なんか麻子仁は仁ですので渋そうなイメージがありますが、どうでしょうか。
ヤンさんの麻婆豆腐を食べて以来、旅をすれば、各地のおいしい麻婆豆腐がないか探してしまいます。しかし、私の中ではヤンさんの麻婆豆腐が忘れられない。
各地の麻を求めて
私好みの麻婆豆腐のお店をいくつか挙げると、王道ですが、大阪のルクアイーレに入っている陳麻婆豆腐と長崎の老季です。
陳麻婆豆腐は言わずもがなでしょう。ルクア店以外にも名古屋ラシックもおいしいです。アクセスがいいのもgoodです。
老季の麻婆豆腐は味が安定しないので、運試しをしたくないって方にはちょっと残念に感じることもあるかもしれません。おいしいんですが。
コロナ前は辛さプラスにすると唐辛子が少なくとも3本ぐらい丸ごと入っており、これでもかというくらい、ジャリジャリと香辛料が入っていたような気がするのですが、最近、それがないんです。たまたまでしょうか、悲しいです。味は総本店が一番安定しています。かもめ市場に入っている老季は観光客向けなのか、量が少ないような気がします。駅前店は豆腐の大きさが日によって違います。それも愛嬌があって良し。まさに運試しです。東京日本橋にも店舗があるようですが、行ったことがないのでわかりません。
ジャリジャリ香辛料が効いた麻婆豆腐が食べたい。旅に出なくては。
山椒の旅はまだつづく。