【リーダー論】目指すは指揮者かもしれないって話
巷では「ゼネラリスト」がいいだの「スペシャリスト」がいいだのって、答えのない議論が過熱する時がありますよね。
僕のいる業界(臨床検査技師ワールド)でも、よくそんなことが議論になります。これはプレイヤー(現場)での議論ですが、リーダー(管理職)にとっても同じことが言えます。
この議論は決して悪いことではなく、自分たちの仕事がどの方向に進んでいくかっていうことを本気で議論するのは、とても素晴らしいことだと思います。
ただ、議論の選択肢が最初から2択なのがいつも不思議に思っていました。
本当に【ゼネラリスト】と【スペシャリスト】しか選択肢がないのか?
いやいや、他にもなんかあるだろ…(わかんないけど)
っていつもいつも感じてたんです。
で、ある日の朝。
シャワー浴びてたらこんな考えが降臨しました。
ゼネラリストもスペシャリストも動かせる人が最強じゃね?
つまり、チームの監督というか、いろんなタイプのメンバーで構成されるチームを思い通りに動かせる人を目指すのが、これから必要なんじゃないかってことです。
今日はそんなお話をしていきます。
✅スペシャリスト
専門分野に特化しているので「ある特定のことにはめっぽう強い」という特徴があります。チームの武器にもなり得る存在で、リーダーとしては心強い存在であるのと同時に、自身の緊張感が高まる存在でもあります。
どんなチームにもスペシャリストは存在していると思います。
そして取り扱いにも困るのもこのタイプ。
能力が特化しているからこそ輝けるのですが、それ以外のこととなると途端に能力ガタ落ちするのも特徴です。だからこそ使い方、使われ方がキーになってきます。
✅ゼネラリスト
オールマイティで、どの分野にもある程度対応できるのがこのタイプ。
チームとして武器になるというよりは、土台になってくれる存在。
リーダーとしては便利屋さんといえば聞こえは悪いですが、何事も安心して任せておける存在です。
ただこのタイプは全ての能力が平均的すぎて、ある一つの分野に関しては平凡だったりします。総合力で勝負するのがゼネラリストの強みでもあり、弱みでもあるんですね。
じゃあどの能力も高いゼネラリストが最強じゃね?ってことになるんですが、これまたそうは問屋が卸さない。チームには個性が必要なんです。
✅スペシャリストとゼネラリストの共演
目指すはこれなんですが、問題点があって。
スペシャリストはある分野に強すぎて、ついてこれない人間を置き去りにしてしまうこともあります。そこにストレスを感じてしまうんですね。
反対にゼネラリストは「なんで平均的にできないんだよ!」っていう思いと、スペシャリストが開けた分の仕事をカバーしないといけなくなるので、次第に不満が溜まっていきます。
本来は相性が抜群のはずなんですが、その間を取り持つバランサーがいないと共演が難しいんです。
✅指揮者が必要
このバランサーになれる存在がチームの指揮者(コンダクター)です。
リーダーとして目指すはスペシャリストでもなく、ゼネラリストでもなく、コンダクター。ここが重要だと思っています。
大事なのは全員が能力をフルに発揮して、チームに恩恵をもたらすこと。
そのためにはそれぞれの立ち位置や組み合わせも考慮しないといけません。
最前線で戦っているプレイヤーに対して、そのような配慮をさせるのは非常に非効率。そういうコントロール役は別にいた方がいいんです。
✅人たらしであること
チームの全てをコントロールするためには、今日のような社会の価値観では独裁的に振る舞うのはNG。100%反感を買っておしまいです。
目指すは『人たらしであること』
善人になれって言っているわけでもなく、
ゴマ擦って気にいられようってことでもなく、
仲良くなれってことでもないです。
「なんとなく、あの人の言っていることは間違ってないから、ついていってみるかー」程度でいいんだと思っています。強烈なカリスマ性はハマれば強いですが、そんな特殊な能力を発揮できる人なんて果たしてどのくらいいるんでしょうか?
そんな簡単なお話ではないですが、少なくても目指す方向が分からないよりはいいのではないのかなと思います。あ、そっち方向に進んでいけばいいのね、的な。
✅偏ったチームは脆い
多様性っていろんなところで叫ばれていますけど、多様性の何がいいって、「いろんな考え方がある=いろんな選択肢がある」ことだと思います。
道を選ぶときに選択肢は多い方がいいです。
少ないとどこかで妥協点を探すことになるか、本当はダメなルートを選ばなければいけなくなるので。
偏っているっていうのは極端なこと言えば、サッカーだと右サイドばっかりプロ選手がいて、左サイドが小学生みたいなものです。
そりゃもう、左サイド攻めまくりますよね。
でもバランスよく配置されていたら、カバーもできるし、簡単には突破されないフォーメーションになります。
これは極端な例ですけど、つまりはそういうことなんです。
偏りというのは、ことチーム運営においては負の側面が強く出てしまうのです。
✅リーダー自らがゼネラリストでもいいんじゃない?
ここまで読んでくださった方は「いや、それならリーダー自身が平均的にこなせるゼネラリストになるのもいいんじゃね?」っていう発想もよぎったかと思うんです。
実はこれ、僕も最初は思ったんです。
でもこれはこれで危ない側面がありまして。
なんでもできるっていうのはカバーリングもござれ、日々のルーティンもそつなくこなし、どこでもやれちゃう強みがあるんです。
弱点は何かに特化していないことだけで、チームの長としては超絶向いているようにも思うんですが、リーダーは動いちゃいけないんですよ。
これはこちらのnoteに書いてあるので、詳しくは別途読んでいただきたいんですが、リーダーが動きすぎるとよくないことばっか起きるんです。
「頼りになる=何でもやる」っていう構図を作ってはいけない。
リーダーはあくまでチームの司令塔でいるべきで、他のメンバーの動きを把握していないと務まりません。
それに上記の記事でも書いていますが、動きすぎると働いた気になってしまうんです。リーダーとしての仕事はしてなくても、プレイヤーとして動いたことで働いた気になっている。
またまたサッカーで例えますが、ディフェンダーが1点決めても、5失点に絡んだら、仕事したとは言えないですよね。だって守るのが仕事なんだから。
そしてリーダーが動くことで周りは安心して任せてしまいます。
するとどうなるか?
働かなくなるんです。もしくは成長しなくなります。
(もちろんそうじゃないメンバーもいますが、大体20%でしょうか、ちゃんと働いたり成長したりする人って。)
こうなってはチーム崩壊、待ったなしです。
だから動いちゃいけない。
すると、リーダーは「コンダクターに徹するべき」という結論になるんです。
✅とは言っても動かないといけないじゃん?
それは理想論だ!現実舐めんじゃねー!!!
っていうのもわかります。
僕も完全なるコンダクターかと言われたらそうではないし、そこを目指してはいるけど、チーム事情ってもんがあります。そう簡単にはいかないですよね。
いわゆるプレイングマネジャーになってしまうのは、人数の限られたチームでは仕方ないことでもあります。
と同時に、その環境や役割に甘んじてはいけないってことでもあります。
プレイングマネジャーになってしまっている要因が、人的な問題以外にきっとどこかにあるはずなんです。
いらない雑務が多いとか
何でもかんでもリーダーが決めているとか
メンバーの能力が低すぎるとか
そもそも仕事量が多くすぎるとか
何かあるはずです。これは探せば1つは絶対に見つかるものです。
先ほど選択肢は多く持った方がいいって書きましたけど、実際にチームを運営する場面になったら選択肢は少ない方がいい。言い換えるとルールは少ない方がいいです。
仕事を高度化させようとしたり、効率的にしようとしたりすると、なぜか人々はルールを増やします。
そして訳がわからなくなって、結局は混乱する。
頭くるくるしている人間にいい仕事ができますか?できないですよね。
チームの多様性は必要だけど、動き方はシンプルな方がいいっていうこと。
これは混同しがちですけど、リーダー自身がちゃんと考えておかないといけないことのひとつ。
↓ルールの作り方に関してはこちらのnoteにまとめてあります↓
動きがシンプルになれば、その分考える時間も確保できるし、視野を広げて周りを見ることもできます。
するとプレイングマネジャーからの脱却も見えてくるものです。
✅動いてないと気が済まない…って人は
残念ながらリーダー向きではないですね。
もうリーダーになってしまっているなら諦めるしかないですけど、こういう思考になれないとリーダーは辛いだけですし、何より周りも疲弊していきます。
10年前のリーダー像と、現在のリーダー像では全く違います。
10年前はやれると思っていても、今は通用しなかったりします。
ということは今やれると思っていても、10年後は通用しなくなっているかもしれないということ。
ここで言いたいのは【常に自分をアップデートする必要がある】ということです。これができないとリーダーは絶対務まらない。断言します。
考えというものは時代と共に変化するものですし、
そこに対応できない人間は、残念ながらコースアウトしていくだけというのは歴史が証明しています。
そもそも情報社会で、価値観や考え方が変わらないっていう方が無理がありますし、それはそれで健全な思考じゃないとも思います。思考停止しちゃってるってことなので。
働いていればいずれはリーダーと呼ばれるポジションで働くことも多いと思います。
そんな時には自分で動くんじゃなくて、周りを動かして目標達成したり、うまく連携していくといったように、「自身の動きを減らして脳をフル回転させて仕事する」術を身につけていくしかありません。
今日書きたかったことはそんなところです。(これに4000文字も使っちまいました…)
どこかの、どなたかのリーダーライフの参考になれば嬉しいです。
僕のnoteでは毎日こんなことを長々と書いています。
全て現場で感じたことや、文献などから学んだことがベースになっています。
感じてないことは書けないですし、書きたくもないので、もしご質問等があればご遠慮なくコメントもしくはTwitterでお待ちしております!
だぴてぃでした。
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