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「定量調査」と「定性調査」とは?使い分ける方法とは?

マーケティングリサーチの手法は、大きく分けると量的データを使うもの(定量調査)と質的データを使うもの(定性調査)とに分けられます。この記事では、それぞれの調査の特徴と代表的な手法、そしてそれぞれをどう組み合わせたらよいかをご紹介します。

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定量調査

定量調査とは

定量調査とは、ひと言で言うと「数字で市場を把握する調査」です。通常アンケート形式でおこなわれ、調査結果は「●●と回答した人は80%」などと数字で表現されます。

定量調査は、仮説検証や効果測定に利用されます。

仮説検証とは、たとえば新製品を30代女性向けに企画したコンセプトがあって、それが本当に30代女性に受容されるか把握する、などです。 効果測定とは、たとえばサービス内容を変更したがそれがお客様にきちんと理解され、ご満足いただけているかどうか把握する、などです。

定量調査の代表的な手法

インターネット調査

インターネットの普及が進んだ現在、インターネット調査は定量調査の中で最も多く使われている手法です。それは早くて安いから。迅速な判断をしなくてはならないときや、予算があまりないときでも、比較的利用しやすい手法です。 また、主要調査会社は大規模なインターネット調査モニタを抱えているので、ニッチなターゲットにリーチして調査することが可能です。

会場テスト(CLT)

お客様に指定の会場にご来場いただき、試作品をお試しいただいてアンケートに回答していただく手法です。 飲料や食品などを試飲または試食していただくことが多いです。アンケートは紙で配布される場合も、お客様がお持ちのスマホでご回答いただく場合もあります。

ホームユーステスト(HUT)

お客様のご自宅に試作品をお送りし、お試しいただいてアンケートに回答していただく手法です。 化粧品の試作品をお試しいただくときなどに利用されます。化粧品の効果や使用感は何日か続けて使用しないと実感されないことが多いため、通常数日間使用していただいた後でアンケートに回答していただきます。この場合、回答はインターネット調査で実施されることが多いです。

定性調査

定性調査とは

定性調査とは、言葉や画像、映像など数字以外のデータを使う調査です。具体的には、お客様とのインタビューを通じてお客様にご自身の言葉で話をしていただいたり、お客様のお買い物や行動に立ち会って観察したり、オンラインコミュニティでディカッションしていただき、それを傾聴したりします。

定性調査では、仮設を立てるための材料を得たり、お客様の行動について新しい発見をしたりできます。

定性調査(特にインタビュー)でもアンケート用紙のような質問項目を事前に用意していますが、お客様の反応によって質問のしかたを変えたり、お客様の回答に応じて質問を重ねたりします。定量調査よりフレキシブルな手法と言えます。

定性調査は定量調査と違い、数字で客観的な結果が出てきません。そのため定性調査では、インタビュースキルや分析スキルがカギとなります。お客様の言葉や反応をどう解釈するかは、インタビュアーや分析者次第だからです。 しかし、依頼者側としてはいつも定性調査の結果が分析者に左右されてはたまったものではありません。そうならないために、定性調査で重要なことが3つあります。

依頼者が調査の現場に立ち会って、お客様の発言や行動をインタビュアーや分析者と一緒に見聞きする 依頼者は調査中にお客様の発言や行動について気になることがあったら、インタビュアーや分析者に頼んでお客様の発言や行動の意味を確認してもらう 定性調査の直後に、依頼者がインタビュアーや分析者と一緒に「デブリーフィング」をする(デブリーフィングは、調査後にそれぞれが感じた印象・解釈を共有すること) この3つをすることで、より客観性の高い調査結果を引き出すことができます。

定性調査の代表的な手法

デプスインタビュー1人のお客様が、面接のようにインタビュアーの質問に答える手法です。「なぜその製品を買うのか」「なぜその製品を好きなのか」などを対面で深く掘り下げて質問し、回答していただきます。

グループインタビュー(座談会)数人のお客様がテーブルを囲んでインタビュアーの質問に答える手法です。 デプスインタビューと違うのは、回答するお客様が複数になることでお客様同士が刺激し合うということです。他のお客様の発言に共感して新しい発言が出てくることもあります。

定量調査と定性調査をどう組み合わせるか

では、定量調査と定性調査をどう組み合わせたらよいのでしょうか。

定性調査で仮説を集めた後、定量調査で仮説を検証する

定量調査の目的として、仮説検証をあげました。仮説検証をするためには、まず仮説を立てることが必要です。しかし、仮説を立てるには、そもそもどういう背景で何が課題になっていて、その解決策や理由として何が考えられるか考えなくてはなりません。これはそう簡単ではありません。定性調査はそんな「仮説立て」に活用できます。

たとえば製品に対する顧客満足度を把握したいとします。でも、お客様が普段製品についてどんなことに満足し、不満に感じているか具体的に想像がつかない。そんな場合まずは顧客満足度調査を小規模なインタビュー形式でおこない、使用状況や満足点や不満点などを理解します。そしてお客様の発言内容から仮説を立て、回答者の人数を増やして定量的なアンケート調査をおこなうのです。

定量調査で把握しきれなかったことを定性調査で深堀りする

定量調査をやった結果、想像していなかった結果になったとします。たとえば「なぜこの年代にはこの製品が好まれなかったのだろう」など。その場合は、その年代のお客様だけを集めて、「なぜ」を深堀りするインタビュー調査をおこないます。

まとめ

定量調査と定性調査は、どちらの方が重要ということはなく補完し合う関係です。定量調査の結果を受けて定性調査を新たにご提案することもあります。

また、同一プロジェクト内で定性調査と定量調査の担当者・分析者が異なる場合は、それぞれの調査結果からの発見について時間をかけて共有し合うことも必要です。共有するうちに、ひとりでは気づかなかった点が見つかることもあります。

この記事をお読みいただき、定量調査と定性調査を組み合わせてご活用いただければと存じます。


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