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J1 2024第29節 広島×FC東京(2024.8.31)観戦レポ

台風10号は当初の進路予測が大きく外れ、西側のコースを辿ることとなり、また、各地到達時間・位置は予測が難しく速度が上がらないという珍しい台風。

8月31日のJリーグ第29節開催可否について各クラブの判断がとても難しいものとなってしまいました。

実際に、台風の影響を当日受ける、または、アクセスがほぼ不可能な開催地は延期を決定。
延期した試合は、
・磐田×横浜FM<ヤマハ(静岡)>
・名古屋×新潟 <豊田(愛知)>
・京都×鹿島 <サンガ(京都)>
・C大阪×G大阪 <ヨドコウ(大阪)>

今節、広島の対戦相手はFC東京。
そして、開催地はホーム広島。

台風進路や交通機関情報を鑑みて、FC東京のチームは通常よりも早い段階で広島へ移動するという決断を下してくれた様子。

広島の天候は8月30日以降回復し、穏やかな天候へと変わり、開催に問題なしとJリーグは判断。
前日にはクラブから「天候急変がない限りは開催」との告知。
そして、実際にEピースでの試合は開催となりました。

そこに至るまでのチーム・サポーター、そして私の会場入りまでの様子は後半にレポートします。

試合当日の広島駅前
風もなく快晴
こんなに人がいない昼間の新幹線口を最近見たことがない
東京↔新大阪 不通の影響は大きい

⚫︎試合は広島3-2で苦手FC東京を振り切り勝利!

台風の影響でエディオンピースウィング広島に辿り着けなかったFC東京サポーターは座席の空き具合から見て3〜4割。
 辿り着いた方は前日または前々日までに迂回コース・バス、車などの代替移動手段で早めに広島入りされた方と、当日動いていた飛行機での移動の方。

 いろいろと経緯はあったものの試合が開催でき、FC東京の選手の方々やサポーターが苦労してスタジアムまで来られたことを広島サポーターは知っていました。

 試合開始前のFC東京の選手紹介。
 
 通常ならアウェイ選手紹介には拍手はなく、淡々とアナウンスされるものだが、今回は違いました。

 ひとりひとりしっかりアナウンスされ、猛烈な拍手がスタジアム全体から送られました。
 サンフレッチェサポーターからの拍手は途切れることなく、FC東京のスターティングメンバー・サブメンバー・監督紹介、最後に感謝の意を表する特別な場内アナウンスまで約3分間続きました。

 これは本当に異例なことで今まで見たことのない光景でしたし稀有な体験となりましたが、スタジアムを埋めた多くの広島サポーターがFC東京に対するリスペクトの気持ちを示せたことは良かったと思います。

 FC東京のサポーターが陣取るビジターエリアに掲げられた「台風でも来ちゃった!笑」の横断幕はサポーターの茶目っ気を感じるもの。
 また、「来れなかった人のぶんまで」のゲーフラを掲げていたサポーターも。
 この横断幕・ゲーフラを見て広島サポーターは安堵の気持ちをもったのではないでしょうか。

FC東京サポーターが掲げた愛が溢れる横断幕とゲーフラ 

 そして、キックオフ。

<前半> 
 開始2分、広島 GK大迫選手のパスミスからFC東京 オリベイラ選手にシュートを打たれ、なんとか防ぐというプレー。
 
 その後は落ち着きを取り戻し、広島はFC東京に対して後半途中まで押し気味にゲームを展開。

 開始5分、広島 満田選手から加藤選手と渡ったボールがペナルティエリア内でこぼれ、広島 アルスラン選手がFC東京 土肥選手の股を抜いたシュートでゴール!
 広島先制成功。
 相手DFとの駆け引きや周囲を見る力があり、落ちついて打ったシュート。

先制点!ここからトルガイ劇場がはじまる

 前半30分過ぎには、同じく広島 アルスラン選手が加藤選手のクロスを受けたあと、FC東京GK野澤選手の股を抜きシュートで追加点。

 前半終了後、ハーフタイムの超熱狂フェスは予定されていた火炎演出は取りやめとなり、場内BGMと観客が振るペンライトで構成されたもので時間が過ぎていきました。

<後半>

 後半は、途中から次第にFC東京ペースの時間が増える。

 広島は川辺選手に代えて塩谷選手を投入。

広島サブ選手 相手選手のコーナーキックにアップしながらプレッシャーをかける 笑

 後半15分、ボックス内で仕掛けた松本泰志がPKを獲得。アルスラン選手が落ち着いてゴール右隅に決め、ハットトリック達成!

 とにかく、今の広島の勝利にはアルスラン選手の存在は欠かせない状況で、結果をさらっと出していく実力は目を見張るものがあります。

トルガイ先生(アルスラン選手)のPKが決まりハットトリック達成!
この1点がなければ勝利はなかった
今節ハットトリック達成!
広島 トルガイ先生
後半33分 広島のゴールチャンスはFC東京GKのナイスセーブ
終盤広島ヴィエイラ選手がイエローカード
納得いかず抗議

 その後、FC東京は俵積田選手や遠藤選手、東選手といったベンチに置いておいていい選手なの?と思っていた選手がようやく交代でピッチへ。

 広島は3−0と大きくリードした関係で、中島選手・ヴィエイラ選手・越道選手と次々に投入。

 しかし、ここからの展開は広島側から見ると悪い展開。
 FC東京は交代後の動きがとても良くなり、広島はその対応に苦慮し始める。

 FC東京の攻撃が強まり、後半35分、俵積田選手がドリブル突破、ど真ん中から走り込んできた小柏選手によるゴールが決まる。
 
 さらに後半アディショナルタイムの攻めが広島に大きくプレッシャーを与えることに。
 ショートコーナーからFC東京 仲川選手の右サイドから鋭く速いクロス。これが広島選手に当たってオウンゴール。
 終盤一気に緊迫した状況へ変わる。

 しかし、なんとか1点差を守りきり試合は終了。広島勝利となりました。

交代選手の動きが不調で追い上げられ1点差勝利
課題はアディショナルタイムの戦い方

 試合終了後は広島選手がビジターエリアに向かい、FC東京サポーターに向け全員で挨拶。
 こういった動きも異例中の異例。
 
 FC東京サポーター・サンフレッチェサポーター双方から大きな拍手が起こり、今節を終えました。

観客は24,451人
スタジアムに到達できなかったFC東京サポーターは多数
今節は特別!
広島選手がFC東京ゴール裏サポに挨拶
観に来たFC東京サポはしんどかったはず
試合成立に感謝

⚫︎今節終了時、サンフレッチェの立ち位置と周辺状況

・クラブ新記録のリーグ7連勝達成
・2024 J1リーグ 首位浮上
(前節まで首位の町田は浦和戦にて引き分け、勝点1の積み上げに終わり勝点差なしだが得失点差により2位に)
・ホームで広島がFC東京に勝利したのは2017年以来

完勝とはいきませんでしたが勝点3
勝ち続けて町田との直接対決を迎えたい

⚫︎FC東京選手・サポーターの苦しい移動の流れの中で開催に漕ぎつけた試合

 FC東京の選手は台風10号による影響で、試合開催2日前の29日の昼すぎに新幹線で広島へ出発。
 しかし、静岡周辺で新幹線の運転見合わせとなり、車内で7時間ほど缶詰状態に。深夜、静岡県内で宿泊を余儀なくされたようです。

 その翌日、新幹線は東京-名古屋で終日運転を見合わせ、翌試合日の運行も見通せない状況となったため、バスで一旦東京に引き返した模様。

 広島は天候は回復傾向にあり、開催する意向。
 あとはFC東京のチームが広島に入れるのかどうかが開催に向けての鍵となりました。

 結局、試合当日朝、選手は羽田空港から山口宇部空港に向かい、さらに3時間ほど移動して広島入り。
 広島直行便は試合当日は順調に運行していたものの、おそらく選手人数分の空席はなかったものと思われ、山口への移動を選択せざるを得なかったのだと思います。

 試合当日まで移動できるかどうか不透明だったうえに、選手は大変な労力を使った移動となり、試合がまともにできるのかどうかもわからない状況。

 しかし試合ではプロとしての動きを最後まで見せてもらうことができました。

 一方、FC東京サポーターの広島入りにも困難が。
・東海道新幹線は試合当日利用不可。前日入りも困難な状況。悪天候を見越して3日前から広島に入ったサポーターがいたという話も。
・前日までに北陸新幹線などで迂回して入った方、バス・車の移動をされた方、飛行機で着陸可能な空港を利用して前日までに広島入りしたという方も。
・当日は早期予約をしていた広島入りするサポーターは直行便は通常運航に。ただし、満席便が多く、当日振替で乗れた方は少なかったものと思われる。

 概ねこのような状況下、広島入りを断念したサポーターは多数いた模様。

 私はかなり早期に飛行機での移動を往復とも計画していたため、試合当日運行されれば移動可能。
 試合前日には広島入りはほぼできると予測がつき、今節の試合応援が可能となりました。

⚫︎今節を終えて

 まずは広島が首位に立ったことを喜びたいと思います。

  ハットトリック達成したトルガイ先生(広島サポにはこう称されているアルスラン選手のこと)の存在は大きかった。
 得点力不足を補うために欠かせない選手で、攻守のバランスが良いことはもちろん、落ち着きのあるプレーが持ち味。
 7月移籍加入後、5試合合計175分と短い出場時間の中での5ゴールは驚異的。

 広島の選手には彼の体験を伝達しているようで、チームへの影響力は計り知れないものが。
 今後も変わらない活躍を期待しています。

画像右中段にTOLGAY熱狂サポ出現!
ゴール裏勝利挨拶

 試合内容について。

 3-0の時点では、流石にコンディションが良くないFC東京には勝利できるだろうと思っていましたが、後半になってからの展開は、FC東京の意地を感じました。
 広島としては苦手意識の強いFC東京なので、追いつかれるかもしれないと思い始めた時間も。

 試合内容としては五分五分の印象。

 後半入った広島の選手はスターティングメンバーとの実力差があり、今節での失点に繋がってしまった印象。

 リーグ戦での優勝争いを続けるには課題克服と、試合運びの工夫が必要になってくると思います。

 次戦のアウェイ鹿島戦にも参戦予定。

 連勝記録を伸ばし、優勝に向け疾走していって欲しい!
 期待しています。

トルガイ先生インタビュー
広島円陣