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【営業】事実と解釈の切り分け

こんにちは。

今回は事実と解釈の切り分けについて書いていこうと思います。

人と人がコミュニケーションを取ると、そこに必ずと言っていいほど「事実」と「解釈」の2つが入り混じります。

特に営業の現場や、ビジネスの場ではこの区別が非常に重要です。なぜなら、ビジネスでは共通の認識を持つことで、話し合いや意思の疎通がストレスなく円滑に進むからです。

めちゃくちゃ簡単に言うと、話が噛み合いません。事実を元に話を進めると円滑に進む話が、個人個人の勝手な解釈が入るせいで、話が噛み合わないどころか複雑化します。

事実とは誰もが同じ共通認識をもつもの、解釈はあくまで個人の主観に基づきます。分かりやすい例を一つ紹介します。


では、この文章から「事実」と「解釈」を分けてみてください。


私は28歳の男性です。私の勤めている会社は新宿にあります。仕事内容は、飲食店へのコンサルティングを行っています。日々、目標を達成するために一生懸命取り組んでいますが、思っているほど結果に繋がりません。毎日頑張って働いているのに、結果が出ないのでめげそうになる日もあります。でも私が支援している企業様の中で、最近売上が伸びている企業様があるので、それが私のちょっとした励みになっています。幸い、私のボスは温厚で面倒見のいい人なので、いつも励ましてくれて助かっています。これから1日でも早く力をつけて、売上に貢献したいと思っています。



上記の文章の中で、「事実」は3つだけです。それ以外は全て解釈です。

・「私は28歳の男性です」
・「私が勤めている会社は新宿にあります」
・「私のボス」

「事実」の定義付け
事実とは、誰もが認識できて、共通の認識がもてる確かなもの。
「例え1万人に聞いても同じ答えで「私はこう思う」などの主観的な意見が存在しないもの」


幾つか「解釈」も確認します。

「目標を達成するために一生懸命取り組んでいますが、思っているほど結果に繋がりません。」
→一生懸命取り組んでいるのも、思っているほど結果に繋がっていないのも、どちらも本人の勝手な解釈です。

「売上が伸びている企業様があり、それが励みになっています。」
→例えば「前年比と比較すると売上が伸びている」なら事実ですが、売上が伸びているだけではこれも解釈ですね。

これらはすべて、本人の主観や感じ方によるものです。

「解釈」の定義付け
解釈とは、「自分にとっては事実であっても、人によって受け取り方や理解が異なるもの」です。主観的で抽象的であり、経験や価値観、感情などによって変わるため、同じ事実に対しても人それぞれ異なる理解や感じ方を持つことが多いです。



事実と解釈を切り分ける理由

解釈は人それぞれですし、どのように解釈するのも個人の自由です。
ただし営業の現場やビジネスの現場で、解釈をベースに会話を進めるとミスコミュニケーションの元になり、話し手と聞き手の間で齟齬が起きる原因になります。
友達や家族同士の会話では特別意識する必要は無いかもしれませんが、ビジネスの現場では「事実と解釈を切り分ける」ことは非常に大切なことです。

世の中の口論や喧嘩は大体それぞれお互いの解釈の違いで起きる、と言われるくらいなのですから。


一つ分かりやすい例を紹介します。空雨傘のお話です。

空雨傘の話

有名な空雨傘の話

空雨傘とは、論理的なストーリーを組み立てるための有名なモデルです。論理的なストーリーは、聞き手に納得感を与えてくれます。
空:空が曇っている(事実)
雨:雨が降りそうだ(解釈)
傘:傘を持っていくべきだ(行動)

空雨傘の3要素は、この順番に並んでいることが大切です。人は、「事実」と「解釈」を混同してしまったり、もっとも伝えたい「行動」から話し始めてしまったりします。たとえば、もっとも伝えたいことが「傘を持って行こう(行動)」だとします。それを、相手にそのまま伝えてしまっては、聞き手は「なんで?」「その根拠は?」と感じるでしょう。

空雨傘を意識すると、事実をもとに解釈し、解釈をもとに行動を導くため、ストーリーが論理的になり、相手に「なぜ」と思われることがなくなります。

リンク貼っておくので、もっと詳しく知りたい方は読んでみてください^ ^


「事実は一つ、解釈は無数」
事実は捉え方がひとつしかなくて、解釈はどうとでも捉えることができる事です。

ここまでを一旦まとめると、真実はいつも一つという事です。

名探偵コ○ン


部下の報告や相談における「事実」と「解釈」の分け方

上司として、部下から報告や相談を受けることが多々ありますが、その際に注意すべき点も「事実」と「解釈」を明確に区別することです。部下は自分が何を事実として話しているのか、何が自分の主観や解釈に基づいているのかを混同していることが多いからです。

例えば、部下が営業先から帰ってきて報告を受けました。「今回の提案内容はお客様も非常に喜んでいたのと、特にここの部分は絶対刺さってました。感触が良かったので、多分受注出来ると思います。」と言ってきたとしましょう。経験上、こういった主観的な判断は大抵ほとんど刺さっていません。なんならかすってすらいない事もあります。そしてほとんどの場合、受注になりません。

例えるなら、キャバクラに行って、ちょっと綺麗なキャバ嬢の方にちやほやされたからって、「あのキャバ嬢、自分に気があるわ」と勘違いするくらい、頭がお花畑です。ワンセットで帰っている時点で脈無しです、せめてシャンパンは入れて帰りましょう、まずはそこからです。(←勝手な解釈)

ここは上司である人間が、正確に事実と解釈を切り分けて、事実だけを抽出して聞いてあげましょう。事実に対して正確にフィードバックしてあげることが重要です。


クレーム対応の場合は特に要注意

あるとき、部下から「お客様が怒っています」と報告を受けたとします。
お客様が何に対して怒っているのか、まずはその事実確認です。
提案内容に不備があったのか、指定の期限内に納品できなかったのか、はたまたミスコミュニケーションのせいで納品物が間違っている可能性もあります。
ただしよくよく聞いてみると、お客様が怒っていたのは「営業マンが時間に遅れたから」という事実だった、というアホなことが現場では往々にして起こります。

こんな事例は稀だとしても、お客様が何に対して怒っているのかその事実をしっかりと把握できないと、お客様の怒りを鎮火できない所か、後手に回って山火事になる可能性もあります。

あなたが上司側なら、事実だけを正確に丁寧に抽出することが大切です。
もしあなたが部下なら、上司に報告する際は必ず「事実」に基づいた情報を提供してあげてください。後処理本当に大変なので、ホントお願いします🥺


営業の現場での「事実」と「解釈」の切り分け

長くなりましたが、今日の本題です。
ちなみに最初のクイズで出しました「飲食店へのコンサルティング」が解釈の理由は、コンサルティングという言葉自体が抽象的で、人それぞれ捉え方が違うからです。
もしかしたら「飲食店への売上アップの施策を提案するコンサル」もあれば、「店舗展開に対してのコンサル」の可能性もありますし、「飲食店向け求人応募率アップのコンサル」の可能性だってあり得ます。
それを一括りに飲食店へのコンサルティングと言っているわけです。

営業現場の際は、このような細かい言葉の定義がお客様と営業マンの理解の齟齬になりえるので、必ず確認してください。

特に営業現場の商談の時は、事実だけをテーブルの上に並べる事が重要です。
ここに解釈が混じると、提案が明後日の方向に飛んでいったり、提案が刺さらない原因の一つになります。

特に私達の会社は商談した日にお客様から即決を頂く、即決営業です。
そしてそれに対して、殆どのお客様が今日買わない理由を述べられるわけです。

例えば、「お客様が今日決断しない理由」や、「一度前向きに検討させてください」「ちょっと高いので考えたい」「来年になれば価格も下がると思うので、その時にまた考えます」といった発言が飛び出すことがよくあります。

言い方にめちゃくちゃ棘はありますが、そんな逃げようとする客の尻尾を掴んで離さない、むしろリングにあげるのが営業の仕事の一つです。

ここで実際我々がやっている事を紹介すると、まずは相手の話を徹底的に聞き、聞いた上で事実と解釈を切り分ける、そして綺麗に並べ終わったら相手に強烈な事実だけを突きつける事です。

相手の解釈は解釈のまま心からの共感はしますが、我々営業マンは事実に基づいて話を進めます。当たり前ですが、事実に基づいて必要ないとおっしゃるのであれば、勿論それは素直に受け入れます。


太陽光パネルの販売の例

例えば、あなたが太陽光パネルを販売している営業マンだとします。戸建ての屋根にパネルを設置すれば、太陽光発電によって電気代が下がり、余った電力は売電収入として得られる、という仕組みを説明します。これは事実です。

しかし、お客様が「来年になると電気代が安くなると思うので、今は必要ないと思います。あと、今後太陽光パネルの価格が安くなったりすると思うので、またその時に考えます」と言ったとしましょう。これはお客様の解釈です。

この発言には解釈と推測はあっても、事実は含まれていません。お客様はただの解釈や予想を述べているに過ぎないのです。私たちは事実とエビデンスに基づいて話を進めるので、このようなふんわりした解釈を通してはいけません。

ここはあなたの営業マンとしてのフィジカルの強さがものを言う局面で、お客さんは必死にブロックしようとしますが、ここを割って入らないと商談は前に進みません。ここに対して割ってはいる方法の一つとして、事実を突きつけるです。

事実を突きつけることで、徐々に相手の会話の中の整合性が取れず会話が綻びが出来るので、その論理の隙をついて突破口を見出していきます。



こんなアドバイスをすると、お客様には上から目線で、多少は失礼なこと物言いをしてもいい、と勘違いする人もいますが絶対ダメです。これはシンプル失礼な人です。

事実を突きつけなさいと言っているだけで、決して挑発しなさいとは言っていません。笑

間違っても営業マンがこのような顔で、こんな事を言ってはいけません。乱暴な言い方はNGです。この発言が許されるのは、現代社会では天竜人かひろゆきくらいです。もしこれを読んでくれているあなたが天竜人で無いなら、営業の場やビジネスの場では相手に敬意を払いつつ、丁寧に慎重に進めましょう。

事実を突きつける際には、その伝え方が非常に重要です。無礼は絶対NGです。時間を作っていただいたお客様に最大限の感謝の気持ちを持って、共感しつつ丁寧に話を進めてください。事実を突きつけ方が雑な人間は、ただの無礼な人にしか映りませんの要注意です。


ちなみにですが、ここでもガードが固いお客様は、目の前の営業マンに対しての警戒心を持っている場合が殆どです。これについては、また後日書いていこうと思います。


まとめ

今回は「事実」と「解釈」の切り分けが営業やマネジメントにおいていかに重要かをお話ししました。あなたの職場や現場でも、これを意識して話を進めてみてください。よりスムーズに業務が進むはずです。


今回は以上になります^ ^

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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに!

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