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【営業】趣旨・コンセプトを伝えるだけでモノが売れていく方法

こんにちは、皆さん。

以前にオフラインで「他社の商品・サービスとの差別化はどんなトークをしたら良いですか?」こんな質問を営業マンの方から頂きました。

結論から言うと、そんなトークはありませんです。そんな魔法のような口説き文句があれば僕にも是非教えてください。

でも実は、そんな魔法のトークはありませんが、正しい考え方はあるんです。

今回のnoteの結論になりますが、それが「趣旨・コンセプトを相手に伝える」です。

今回は、「趣旨・コンセプトを伝える」ことの重要性についてお話ししようと思います。これは私が営業の師から学んだ中でも、非常に効果的で実践的です。めちゃくちゃ分かりやすく言うと「飛天御剣流の天翔龍閃」くらいレアです。

今回は、そんな趣旨・コンセプトを伝えることの重要性の、私なりの解釈をお伝えしていきます。

※今回は結構マニアックな話にはなるので、営業に特化した専門的な話もありますのですが、本当は有料にしたいくらいの内容なので是非読んでやってください( ・∇・)


現代の市場と商品の現状

まず前提として伝えたいのは、今の世の中には、当時iPhoneが登場したような革新的な商品やサービスはほとんど存在しないということです。世の中や市場を見ると、商品やサービスがコモディティ化している時代です。Amazonで商品を検索すれば、似たようなものが山のように出てくるのがその証拠です。

正直なところ、もはや質に大きな違いがないことが多いですよね。では、その状況でどうやって他社よりも選ばれる存在になるのか、考えてみましょう。

ここであなたとあなた自身が扱っている商品やサービスについても考えてみてください。

あなたはスティーブジョブズ並みに天才でしょうか?

あなたが取り扱っている商品は世界をひっくり返すほど革新的なものでしょうか?


きっとおそらく、似たような商品が市場にはすでに存在しているはずです。これは何も有形の商品だけでなく、無形商材である保険やコンサルティングサービスなども同じことが言えます。


では質に差がないとき、どうすればいい?

一度考えてみてください。

今まで、商品のスペックや数字、価格の安さを一生懸命アピールしてきませんでしたか?実はデータや数字、金額だけでは他社と比較した際の優位性を生み出すのは難しいのです。

必死にデータやエビデンスを説明し、メリットゴリ押しの一点突破しようろする営業マン。自社の数字をよく見せて、他社を悪く伝えて売っている営業マン。そんな事をすればするほどお客様は引いて離れていきます。

では、商品の質に大きな差がないとき、どうすればいいでしょうか?

結論を言うと、「わざわざあなたから買う理由」を作れば良いのです。それが今回お伝えする、趣旨・コンセプトを伝えるということです。

わざわざあなたから買う理由は決してデータや数字ではありません、もっと情緒的な理由です。詳しく説明していきます。


感情が購買行動を促す

特にTo C営業のような場合、お客様が商品を買うという決断をするまでには「感情→思考→行動」というプロセスを辿ります。これは何度もお伝えしてきたことですが、人は基本的に感情でモノを買う生き物です。

例えばこんな経験ありませんか?

「高い買い物をしちゃったけど、今月自分へのご褒美と思って良しとしよう」、「これはリセールバリューが高いから、もし仮に後で売ることになっても高く売れるだろうから問題ないだろう」

このように人間は、感情でモノを買い、理屈で後から正当化します。

感情が動かない限り、いくらスペックで差別化を図ってもほとんど意味がありません。相手の感情に訴えかけることこそが大事なのです。その根拠を少しだけ脳科学に基づいてお話しましょう。


脳科学から見た感情の役割

ここで、ChatGPTに脳科学の観点から、なぜ感情を刺激した方が購買につながりやすいのかを簡単にまとめてもらいました。

人間のモノの購買行動において、感情を刺激する方が、数字やデータを提示するよりも行動を促しやすいというのは、心理学や神経科学の研究から広く支持されています。購買行動には、理性的な判断と感情的な反応の両方が関わりますが、特に感情が強い影響力を持つ理由はいくつかあります。

 1. **感情が購買決定に与える影響**
感情は、購買行動の迅速な意思決定に大きく寄与します。前述の**前頭前野**や**基底核**が、理性的な判断や行動の制御に関与している一方で、感情を司る脳の領域、特に**扁桃体(Amygdala)**が商品の魅力やリスクに対する直感的な反応を生み出します。例えば、ある商品が「ワクワクする」「楽しい」という感情を喚起すると、脳はそれを好意的に捉え、購買の意思決定が加速します。

 2. **データ vs. 感情**
数字やデータ(例:価格、機能、スペック)に基づく購買は、理性的な判断を必要とします。これは**前頭前野**が主に処理する領域で、冷静にメリットとデメリットを比較して意思決定を行うものです。しかし、こうした理性的な分析には時間がかかる上に、感情的な刺激がないと、購買意欲が湧きにくいことがあります。

一方、感情的な訴求(例:広告での感動的なストーリー、製品がもたらす幸せなライフスタイルのイメージ)は、直接的に脳の**報酬系(ドーパミンが関与する領域)**を活性化させ、欲しいという強い衝動を引き起こします。これは、データではなく、感情が消費者に強い行動を促す理由の一つです。

 3. **感情的な刺激の効果的な使用例**
- **ブランドの物語**や感情に訴えるキャンペーン(例:幸福感、共感、帰属意識)は、消費者に「自分ごと」として商品を感じさせ、購買行動を促進します。
- **限定品や緊急感**を喚起する手法(例:期間限定、数量限定)は、恐れや興奮といった感情を引き出し、即決購入を誘導します。

 4. **購買における「感情とデータ」のバランス**
感情が行動を促す強力な力である一方で、**データも重要な役割**を果たします。特に、購入後に理性的な部分(前頭前野)が「この買い物は正しかった」と納得できるように、データによる裏付けが必要な場合があります。例えば、スペックや価格の情報は、消費者が「感情的に正しい選択をした」と理論的に裏付ける材料となります。

結論
感情的な刺激は、数字やデータ以上に人々の購買行動を促しやすいです。購買行動は多くの場合、感情によって動かされ、その後にデータで正当化されるプロセスが多いです。感情とデータをバランスよく取り入れることで、購買行動をより強力に引き出すことが可能です。

分かって頂けましたでしょうか?

データや数字を元にエビデンスを相手に示すことは必要な事ではなりますが、購買につながるかと言われると決定打にはなり得ません。

最終的に「よし、買おう!」と思わせるには、理屈よりも感情に訴えかけることが何よりも必要なのです。


趣旨・コンセプトを伝える3つのポイント

趣旨やコンセプトを伝えることの重要性を理解したら、次にどうやって伝えるかです。ここでは、次の3つのポイントに要点を絞ってみましょう。

1.商品を語るあなた自身の資格
あなたが取り扱っている商品・サービスを、相手に語る資格や理由を明確にすることで、信頼性が高まります。何故その商品を取り扱おうと思ったのか、何故今の仕事を始めようと思ったのか、どんな思いでお客様と関わっているのかをまずは言語化してください。
2.スペックではなくストーリーを語る
商品の機能やスペックではなく、商品が持つストーリーを語ることです。データや数字は左脳に影響を及ぼします。ただし購買行動につながる脳の部分は大脳辺縁系の中にある、前頭前野や扁桃体です。ここを刺激するにはストーリーを伝えることで、感情に強く訴えかけます。感情に訴えることで相手に行動を促すきっかけを作ります。
3.お客様の声や実績を紹介する
実際のお客様の声や成功事例を共有することで、さらに信頼感を高めることができます。特にお客様のビフォーアフターを見せることで、相手に約束できる未来を解像度高く伝えます。

これらを3つのポイントをしっかりと伝えれば、自然と他社と差別化が可能です。
特に2番目のストーリーを語るのは非常に大切です。ストーリーは感情を刺激するにあたって非常に有効だからです。この3つのポイントが相手にしっかりと伝わり、あなたの思いに共感するお客様が増えると、「是非あなたから買いたいです」とお客様は言います。

あなたから買いたいお客様は誰かと比較するんですか?比較しないでしょう?

つまりもう一つのメリットは、他社と比較されにくくなります


ここまでを一旦まとめます。
趣旨・コンセプトを上手く使いこなすポイントは、相手に自分の商品・サービスの良さを点で無くストーリーとして伝え、相手にイメージしてもらいます。そしてイメージさせて、感情に訴えかける事で、お客様の脳が刺激され「買いたい」「欲しい」を意図的に作ります。また感情に訴えることでお客様の共感を得ることが出来ると、警戒心が自然に下がっていく効果も期待できます。そして、相手の感情が動くとあなたから買いたくなるので、市場に似たような商品・サービスが存在しているとしても比較されにくくなるという事です。

どうですか?これが使いこなせるようになると、どんな商品でも応用が効くのできっと安定して売れていくようになると思います。

最後に趣旨・コンセプトの例が欲しい人へとっておきの例文を、個人的に大好きな漫画キングダムを参考にご紹介しておきますね。


漫画『キングダム』から学ぶ趣旨・コンセプトの作り方

簡単に説明だけしておくと、戦国時代の中で、秦国の王様である嬴政(えいせい)という人物がいます。その嬴政が目指す野望は中華統一です。

では何故嬴政が中華統一を目指すのか?この理由が営業マンがセールスをする時にも非常に大事になります。

嬴政の隣接する六国全てを滅ぼして、中華を統一する最初の王となる

世の中を苦しめる戦争を無くし、中国が一つになった先は戦争のない血が流れない時代が来る

そのために法治国家を作り、法のもとで全員が平和と平等のもとで暮らせる環境を作る

そんな今後の平和な世の中を作るために戦争をしている(これが趣旨です!)

つまり私利私欲のための自分の懐を肥やすためのものではなくて、今後の中華の人たちを考えての戦争です。

これビジョンやストーリーが無いとただの殺戮者ですが、ビジョンがあると戦争でさえも正当化された手段になります。

趣旨やコンセプトが無い営業マンはただの売りたいマンですが、ビジョンやストーリーが乗るとお客様の問題解決の手段になります。売りたいだけの人間から人はモノは買いません、買う理由がありませんから。

このように趣旨・コンセプトを伝えるとは、自分の営業を正当化する理由を作る手段です。そしてその中にあるストーリーこそが、お客様の感情を動かし「買いたい」を作り出します

こういう想いがあるから、私はこの商品をあなたに提案していると、自身の営業活動を正当化させる理由やストーリーを改めて言語化し、そしてそれが、どんな人を助けるための手段なのか考えてみてください。それもできれば、フィクションでは無くてノンフィクションで。そして自分の言葉で一度丁寧に紡いでください。


データやエビデンスも勿論大切なのですが、数字はお客様があなたの商品を購入する事を正当化する理由でしかありません。購入を決断するきっかけを作るのは常に感情です。

きっと最初は中々伝わらなかったり、ぎこちなくなることもあると思いますが、慣れてくるときっとお客様にも伝わると思います^ ^



まとめ

今回は、趣旨・コンセプトを伝えることの重要性についてお話ししました。お客様の感情に訴えかけることで、スペックや価格の差ではなく「あなたから買いたい」と思わせることができるのです。

最後までお読みいただきありがとうございました^ ^

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