炎症を抑えることが老化抑制の本質!!
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炎症 - 体を守る防御反応の光と影
炎症とは何か?
火事、やけど、にきびなど ”炎症”と聞くと、悪いイメージがあると思います。
虫に刺されたり、熱い熱湯に入っても強い炎症が起きますよね。
なぜでしょうか。
それは炎症は、私たちの体が自らを守り、修復するための基本的なメカニズムの一つだからです。
たとえば、足首を捻挫したとき、その部分が熱を持ち、腫れ、赤くなることがあります。
これは急性炎症と呼ばれる反応で、傷ついた部位を治癒する助けとなります。
身体が修復を完了すると、炎症はすぐに収まり、何事もなかったかのようになりますよね。
しかし、炎症は本来短期間で収束するべきものであり、長期間続くと問題が生じます。
現代の生活様式において、私たちの体は絶えず攻撃を受けていると錯覚しがちです。
ストレスの多い生活、睡眠不足、身体活動の不足、そして不適切な食事が、体にストレス信号を送り、炎症を引き起こす原因となっています。
激増する慢性炎症
この慢性的な炎症こそが、現代社会における多くの退行性疾患の背後にある主要な要因の一つです。
オーストラリアの研究者による2013年の画期的な論文では、慢性炎症とうつ病の関連性が明らかにされました。
研究者たちは、ストレス、睡眠不足、身体活動の不足、腸の透過性、喫煙などのライフスタイルの問題が炎症を促進し、最終的にうつ病のリスクを高める可能性があることを指摘しています。
さらに、これらの要因は元に戻すことのできる可塑性があり、治療や予防の介入により改善可能であると結論づけています。
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